4話
「やっとついた……疲れたぁぁぁぁぁ」
思わず声が出る。初めての探索を終了し無事帰還できた。それだけでも何か達成感というものがある。
ベッドに勢い良くダイブする。
「げふっ」
簡易ベッド(木製の箱の上に布が1枚かけてある程度)である事を忘れてた。さすが初心者セットである。
壺並の悪意しか感じない。
だが背中の傷や最後に無理をした時に出来た小さな傷を治すためには、この硬いベッドで寝なければならない。
ある意味それも苦痛である。思わずうめき声が出る。
とは言え慣れない事をして来た為かすぐにそれは寝息に変わる。
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「ふぁぁぁぁぁぁ、良く寝た。そして体が痛い」
眼が覚め欠伸をする。硬いベッドで寝たせいか体の節々が痛む。床の石よりはマシという程度のベッドである。
「さて、飯を食うか」
無限箱からパンと肉を出し、肉に塩を振り、窯に入れる。肉を焼いている間、パンを食べる。
しばらくして肉の焼ける臭いが漂い始め、皿を取り出し肉も食べる。
「本当に最低限の食事だな……」
現代の日本人からしてみたら、かなりきつい食事である。
「でも、最初にDP使い果たした人はこれすら食えないんだよな」
更に悪い食事の人たちを思い浮かべ、これでもマシな方かと自分を納得させる。
食事も終わり、次は戦利品の確認である。
思ったより多くの敵を倒せたので、そこそこ数は多い。
アイテムボックスと念じ、そこから戦利品を全て出す。そしてそれをパソコン横の鑑定台に1つ1つ置く。
戦利品リスト
・銅のロングソードX12
・鉄のロングソードX3
・銅のスピアX3
・銅のロッドX2
・皮の鎧X3
・皮の靴X3
・回復薬X5
「毒薬じゃなくて良かったわ……」
さすがに毒薬とか現状使い道が無い上に間違えて飲んだら大変だ。要らない装備は鑑定台からDPに変換する事が出来るようだ。
この迷宮では装備の劣化がないようなので、鉄のロングソードを1つと皮の鎧を1つ、靴を1つ回復薬5個を残して全て売り払う。
「DPは全部で520か……」
思ったより溜まらないのか、溜まったのかは解からないがとりあえずは何か増やせそうだ。
装備を着用する。銅のロングソードは予備として部屋に転がしておく。皮の鎧は服の上から着る。部分的に露出している為直に着たら変態である。
(とりあえず、ステータスを確認するか。何度かレベル上がっていたみたいだしな)
名前:スズキ
性別:男
種族:人間LV5
職業:プレイヤー
種族適正
なし
職スキル
経験値全体化、テイム、マッピング
スキル
剣術LV3、盾術LV3、軽業LV3
装備
武器:鉄のロングソード
盾 :木のバックラー
頭 :なし
胴 :皮の鎧
足 :皮の靴
装飾:なし
(思ったより上がっているな。最後の戦闘時に今までと全然違う動きが出来たのはこれか)
「現在の状態把握は出来たとして、520ポイントか……何に使うかな」
ベッドをもう少し良いのにも替えたいし、食事も充実させたい思いはある。
だが、また複数の相手と戦闘になった時に勝てると言う保証は無い。
(ドロップ品を見る限り複数の方が良い物出るみたいなんだよな……)
回復薬は全て最後の戦いのドロップである。掲示板を参考にしてみるか。
スレッド一覧を見るとテイムの仕方というスレがあった
「ん?テイムって使い魔を作るんだっけか
仲間が増えるって事はそれだけ多くの敵と戦えるって事かね」
テイムスレを開いてみた……