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迷宮と掲示板  作者: Bさん
5章 空と神殿の迷宮
52/125

42話

 タリスと話しているとネク、ティア、パステルの3人がコタツへとやってきた。

 ネクは俺の正面に、パステルは右側に、ティアは俺の隣へ来る。


「主様、お待たせして申し訳ございません」


 パステルが謝る。俺はそんなの気にするな、と言っておく。いつも通りのやり取りだ。


「今回、皆に個人の部屋を作った。欲しい家具があったら遠慮なく言って欲しい」


 タリスに伝えたのと同じ内容で皆に伝える。ネクはタリスと何かしているようだ。意思疎通の方法でもあるのだろうか。


「私は……本棚と植物が欲しい」


 ティアが答える。草原に住んでいただけあって何かしらの植物は欲しいのだろうか。

 頭を撫でながら解かったよ、と答える。どんな植物が良いか一緒にパソコンで見て決めて貰おう。


「そうですね。本棚と本が欲しいです。後は読む時に座る椅子があると助かります」


 パステルが答える。書斎を希望しているらしい。エルフなのに植物とかは要らないのだろうか。

 

「解かった、皆本棚を欲しがるようだから本は一斉に仕入れてみる。娯楽関係の本は高いからしばらく無理そうだけどな」


 皆に答える。図鑑や技能書といった実用書はそこまで高くはなかったはずだ。

 他にないか皆に問い、皆黙り込んで考え出す。そうしているとタリスが何かをこちらに渡してきた。


「これ、ネクの要望。目を通してあげてね」


 本当にネクと意思疎通は出来ているようだ。リストを見ると、十字架の置いた祭壇、長椅子、聖書とある。こいつはそこで永遠に眠るつもりなんだろうか。

 

「ああ、わかった。多分俺たちの国でも宗教が生活に密着している人も居るだろうし、生活必需品としてそんなに高くはないと思う」


 そう答えるとネクが喜ぶ感情をこちらに向けてくる。教会でも作るつもりなんだろうか。

 そうして色々と話し合っているとリムが風呂から出てくる。どうやらずっと風呂掃除をしていたらしい。ヴァンパイアだが流れる水や十字架、ニンニクとか全く関係ないようだ。


「お、風呂掃除をしてくれたのか、ありがとう」


 俺がそういうと、どういたしまして、と言いながらコタツと俺の間に入り込み座る。俺は座椅子の代わりか。

 

「皆に個人の部屋を作ったから、欲しい家具とかあったら言ってくれ」


 リムに伝える。目の前に座られるとお茶が飲みにくい。


「ほう、遂にプライベートエリアが出来るのじゃな?我は標準的なベッドとタンスと本棚でいい」


 リムが答える。本当にそれだけでいいのだろうか。


「え?それだけでいいのか?」


 聞いてみる。模様替えとかは楽だが、最低限もっと必要な気がする。


「うむ。それだけで十分じゃ。必要な小道具はこちらで勝手に増やすしな」


 何かを自分で増やすらしい。生産技術は持っていなかった気がするが……。

 それを聞いてみる。


「言わないと……駄目か?」


 上目遣い、というよりあっちが背が低いので勝手にそうなる訳だが、そんな目で見てくる。


「いや、良い。秘密にしたい事の1つや2つあるだろうしな。その為の個人の部屋だ」


 使い魔と言え、主に言いたくない事くらいあるだろう。恥ずかしい趣味とか……聞いてみたい気もするが。

 鍛冶を終えたコクは俺にタンスと武器を置く為の家具を注文してきた。飾る趣味もあるらしい。それを伝えるとパソコンの方へ向かっていった。


(ん?掲示板でも見ているのか?)


 以前聞いた話だと鍛冶スレが凄く参考になるとかで結構見ていると言っていた。あのスレは異常者ばかりのような気もしなくは無いが。

 コクの様子を後ろから見ているとアイテムボックスから武器を取り出した。そしてそれを鑑定台の乗せると何かパソコンを操作している。

 すると鑑定台から武器が消えた。


(あれは……出品をしているのか?てか、使い魔も出来たのか)


 知らない間にDPが爆発的に増えていた原因はあれだったらしい。問題は無さそうだし、そのままやらせておく。

 掘り出し物探しに使い魔を張り込ませるというのも有りのような気がしてきた。うちは少ないから余り遅くまでやらせると探索に影響してしまうから出来ないけど。

 

(しかしうちの使い魔は自分で判断して行動するよな。他所だと勝手にやらないと聞いたんだが)


 それはそれで良い、というよりも推奨する。俺は使い魔達を下僕ではなく仲間。そして家族だと思っている。自分で判断して行動出来るのであればそれに越した事はない。

 そうなると俺から離れて自分の道を歩めないのは申し訳ない気分になるが、使い魔というシステム上どうしようもない。

 


------------------------------------------------------


 各人の部屋の位置も決まったので、注文のあった部屋の家具を揃えていく。途中、ティアの植物とは何か一緒にパソコンを見ながら話し合う。


「植物って観葉植物か?」


 ティアに聞いてみる。さすがに木を植えるとかは出来ない……と思う。正直な所、拠点の可能性はどこまで広がるか解からないが。

 

「違う……草原みたいに寝転がりたい」


 どうやら植物と言うか草原みたいにしたいらしい。この拠点には虫や腐敗が一切ないので、もしかしたら畑とかも出来るかもしれない。ただ、無限箱があるからやる気はない。

 家具のその他の一覧を見ていく。すると芝生とかいう項目があった。それの詳細を見ると水すらやる必要がないらしい。それは本当に植物なのだろうか。


「ティア、芝生というのがあるけど、これはどうだ?」


 ティアに画面を見せる。すると耳がピクッと動いた。やはり猫耳はいい。


「うん、これがいい」


 許可が出る。価格としてもそこまで高くはないので余裕である。それを購入し、ティアの部屋に敷き詰める。その上にタンスや本棚を置くと言うのは打ち捨てられているようにも見える。

 

「設置したぞ。ティアの要望はこれだけだし、部屋を見てくると良い」


 そう言うと気持ち嬉しそうな足取りで部屋へと向かっていく。犬ではないから尻尾を振らないのは残念だ。

 ネクの要望の教会だが、あっさりと見つかった。まさかステンドグラスまであるとは思わなかった。窓はないが雰囲気は出ていると思う。

 タリス、パステル、リム、コクと要望を叶えていく。意外と安くついて助かる。俺の部屋は椅子と机、タンス、本棚と設置していく。

 折角なのでトイレを男女別にし、女性の方を複数にする。朝渋滞をさせるのは忍びない。

 砂糖と主食にパスタを増やし、米とパンを短縮する。魚も上質な物を仕入れてみる。キッチンルーム(仮)は……仮のままで良い。

 

 後は本だ。動植物の図鑑、中世の武器や防具の図鑑、料理や調合などに使える技術書などもあった。それらは低価格で問題なく買えた。


(プログラミングとか誰が見るんだろうか)


 ここにあるパソコンはあくまで初期に出るメニューしか選べない。新たにプログラムを作ったりは出来ない仕様だ。


(元の世界を懐かしむ為にあるのかな……)


 技術書は別に技術を得る為だけにある訳ではない。発想の転換に役立つ可能性もある。どんな物が影響するか解からないから無駄ではないのだろう。

 後は驚いた事に漫画やラノベまで置いてあった。高すぎて買えない訳だが。他には噂になっていたエロ本が10万で置いてあって笑いそうになった

 

 買った本をコタツの上に全部並べる。部屋の様子見に言っている皆が帰ってきたら分けよう。どうせ貸し借りをしてあっちこっちに移動するだろうけども。

 

(何だか眠くなってきたな。皆時間かかるだろうし、昼寝をしよう……)


 睡魔には勝てず、そのままコタツで眠った。



 目を覚ますと、皆戻ってきていたようだ。コタツを囲んで読書会が始まっている。ティアだけは何故か俺と一緒に寝ていたようだ。

 上半身を起こす。それで皆起きた事に気が付いたようだ。


「主様、お目覚めですか?」


 パステルが聞いてくる。何だかんだでパーティのサブリーダーに収まっている気がしなくもない。

 

「ああ、もう良い時間みたいだしな」


 まだ夕飯には早いだろうが、その前に本の分配がある。


「本はどうする?かなり数だけはあると思うが……」


 何せ数十冊である。重複せずにそれだけあるのだから凄いと思う。


「分配は既に出来ました。皆部屋に戻らずにここでそれを読んでいました」


 パステルがまとめて分配したらしい。


「そうか……」


 何の為に部屋を作ったのか解からないが、とりあえず全員満足しているようだから良かったのだろう。


「主様の分はこれです」


 そう言われてラインナップを見てみる。武術書に鍵開けなどといった現在のスキルに合った書物のようだ。参考にしたいと思う。

 表紙を見ていると何故かグラビアがあった。安い本を適当に買い漁っていたので何を買ったかまでは覚えていない。俺向けに取っておいてくれたとは涙が出そうだ。色んな意味で。


「主は胸が大きい方がいいのか?」


 グラビアの表紙を見ているとリムが聞いてくる。おっぱいは等しくおっぱいだ。そこに貴賎などない。例え無乳だとしてもだ。


「そんな事ないぞ。大きさは関係ない。気にするな」


 リムの頭を撫で、言い切る。だって、俺は胸派じゃないもの。皆小さいと寂しいと思うくらいはするがね。


「そうか……」


 リムは嬉しそうに撫でられている。最初大きな胸に期待して捕獲しようとしていたとは言えない。


「それじゃ、俺は部屋へ本を仕舞いに行って来る」

 

 そう告げ、コタツを後にする。


------------------------------------------------------


雑談 part111


789 名前:名無しさん

で、エロ本についてなんだがな


790 名前:名無しさん

またエロ本かよ

お前も好きだな


791 名前:名無しさん

ちげーよ

エロ本は高いけど、グラビアは安いという話をしたかったんだ


792 名前:名無しさん

グラビアとか微妙じゃね?

肝心な所が見えないし


793 名前:名無しさん

即物的な

見えないからいいんじゃないか

それこそが妄想を掻き立てるんだろ!!


794 名前:名無しさん

堂々と変態発言をしやがった

解からないのでも無いが


795 名前:名無しさん

そうかー?

俺は直接見れた方がいいな


796 名前:名無しさん

国柄とかもありそうだ

モザイクが妄想を発展させると言うのと一緒


797 名前:名無しさん

そう、神は言った

見えないなら妄想すればいいじゃない、と


798 名前:名無しさん

どこの神だよ


799 名前:名無しさん

俺の信仰している神

信徒募集中


800 名前:名無しさん

神すら妄想かよ

どんだけ病んでるんだ


801 名前:名無しさん

まぁ、いいじゃないか

たまには男同士も良いもんだぜ?


802 名前:名無しさん

ホモは唐突に現れるな

申し訳無いがホモはNG


803 名前:名無しさん

ここは好きなだけ性欲に忠実になれるからな

何でもありなんだろう


804 名前:名無しさん

その光景は見たくないな

見えない所で好きなだけやってくれ


805 名前:名無しさん

最近使い魔が俺の居ない所でイチャイチャし出したんだがどうしたらいい?


806 名前:名無しさん

良いんじゃないか?カップルが出来ても


807 名前:名無しさん

その使い魔両方男なんだが


808 名前:名無しさん

またホモかよ

いい加減にしろ


809 名前:名無しさん

俺なんて両方いけるようになったぞ


810 名前:名無しさん

本当にお前ら欲望に忠実だな

隠す必要がなくなっただけに歯止めが効かなくなっていそうだ


811 名前:名無しさん

もう帰りたくないでござる


812 名前:名無しさん

そうだな

お前らを野に放つのは危険だと思う


変態ネタは文章がとても捗ります。

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