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迷宮と掲示板  作者: Bさん
4章 闇と墓の迷宮
44/125

36話

 翌日準備を整え2階の探索に乗り出す前に調整をする。その時にネクはナイト、ティアとコクはウォーリア、タリスはプリースト、パステルはウィザードへランクアップさせる。

 骨が騎士とか良く解からないが敵としてもスケルトンナイトとかあるみたいだし、気にはしない方がいいのだろう。

 元々ネクは盾役だったし、ティアとコクはアタッカータイプ。タリスとパステルで悩んだが、パステルの精霊魔法に期待すると言う意味でウィザードへ。タリスは残り物。


 いきなりその状態で戦闘に投入しても怖いので、訓練所へ行き武器を振ったり簡単な魔法を使ってもらう。


「皆のランクアップをしてみたんだがどうだ?結構違いがあるかもしれないが……」


 ネクは問題なさそうに動き回っている。ティアやコクから攻撃を受けてみて色々と試している。

 大変そうなのはティアとコクだ。武器が軽くなりすぎて地面まで振り下ろしてしまいぶつけたりしている。

 タリスとパステルは魔法の威力が上がる程度なのでゆっくり様子を見ながら調整をしている。


「ティアとコクは辛そうだな。幸い2人は探索に出ないし、調整を続けてくれ」


 2人は頷いて何やら相談をしている。どうやると良いか話し合っているのだろう。


「他のメンバーは探索を続けよう。この迷宮はさっさとクリアしたい」


 臭いがきつすぎるのだ。いつもは急いだりしないが、正直長く居座りたくはない。



 他のメンバーを連れ立って2階へ向かい、探索を続ける。

 昨日と同じように明かりを灯す。感知スキルを使うとスケルトンナイトを含めたアンデッドが大量に居た。

 探索を始め、ゾンビやゴーストを斬り倒しながら進む。スケルトンナイトを発見したが、スケルトンが鎧兜、大きめの盾を装備しているだけだった。

 神聖魔法の攻撃に弱く、あっさり倒れていく。ちなみに俺は何もしていない。


 そのまま探索を続け2階の探索が終わりそうになった時それが起こった。

 廃屋の屋根の上に誰か人が居たのである。その人影はこちらの姿を確認すると外套をバッと広げ腰に手をやりポーズを決める。よく解からないが新しいモンスターのようだ。

 何故かネクとタリスも対抗してポーズを決めている。アニメか特撮の影響だろうか。正直恥ずかしいので止めて欲しい。


 そのモンスターは屋根から飛び降り綺麗に着地した。アニメのように頭から落ちたりはしない。とても残念だ。

 そしてまた別のポーズを決める。このモンスターの間で流行っているのだろうか。よく見ると女の人でスタイルもいい。アレも巨大だ。

 

(噂にあったヴァンパイアか?3階からと聞いていたんだが、また新しい情報かね)


 攻略本がある訳ではない、嘘とは断定せずに知られていない情報だと判断する。


「よし、あのヴァンパイアを捕獲するぞ」


 うちのメンバーに絶対的に足りていない要素がある。これを捕獲しない手はないだろう。

 全員で武器を構える。ヴァンパイアは火の矢を放ってきた。結構早い。

 ネクは前面に出てその矢を盾で難なく払う。初めて見たが、魔法を盾で払う事も出来るらしい。盾凄い。

 そのまま走って頭をハンマーで殴ろうとする。ヴァンパイアは急いでかわしたが、少しかすり鼻にあたったようだ。鼻血が出ている。美人さんが台無しである。


(おい、即死させる気かよ)


 直撃していたらかなり危険だっただろう。アレのサイズに嫉妬でもしているのだろうか。ネクも身長は低いし。

 さすがに任せるとそのまま倒してしまいそうだったので、俺も参戦する。

 ネクの攻撃をなんとかかわしているが、精一杯だったようだ。魔法も撃って来ない。俺はヴァンパイアの後ろに回ると背中から剣で突く。直撃し、そのまま貫通する。すぐさま拘束アイテムを投げ捕獲に成功する。

 するとネクは残念そうにしている。やっぱり倒す気満々だったらしい。相変わらず命令を聞かない骨だ。


 戦闘が終わり戦利品を回収するともうすぐ終わる2階の探索を再開する。数体モンスターを処理しながら小屋を発見する。

 そのまま階段を降り3階へと移動し楔を設置して拠点へと帰還した。


---------------------------------------------------


 拠点に戻るとティアが昨日のように抱きついてきた。胸に触る。やっぱり足りない。

 ティアは驚いたようだったがなすがままになっている。そろそろ止めないとやばい。


「新しい仲間を捕獲した。話し合いをしたいから行ってくる」


 ティアは残念そうな目をこちらに向ける。構ってやりたいが今はやる事がある。

 そのまま解散し、各自別の行動に移るようだ。タリスは呆れたような表情をしていたが、スルーしておく。


 いつものように牢屋にある筒に拘束アイテムを入れる。年甲斐にもなくわくわくしながら待っていると……

 手足を縛られた小柄な少女が現れた。


(ど、どういうことだ?」


 モンスターの時は身長170近くてグラマーなお姉さんだった。だが、捕獲し牢屋に現れたのは150cmほどしかない少女だ。もちろん、ぺったん。

 困惑していると、ぐぬぬという声が聞こえてきそうな表情をしていた少女が話し掛けてくる。


「我をこんな所に閉じ込めて何をするつもりだ?」


 精一杯の低い声だろうか、やや高めではあるが頑張っているようだ。


「え?あ、はい。使い魔になりませんか?」


 未だに動揺し、何故か丁寧語になってしまっていた。


「フハハハハハ、高貴なる我らヴァンパイアを使い魔だと?身の程を知れぃ」


 そんな事をいう少女。俺は身構えたが、何も起こらない。何をしようとしたのだろうか。


「あれ?おかしいな」


 本人からして見たらあり得ない事が起きているのだろうか。素に戻っている。

 目を合わせると少女はビクッとした。なんだか凄く申し訳ない気分である。


「えーあのさ。使い魔になってくれないと酷い事をしなければならないんだけど……」


 開放するという手もあるが、色々と情報を見る限りかなり残酷である。予想とは違ったがこのまま仲間に加えたい。

 少女は涙目になってこちらを睨んでいる。


「ひ、酷い事……?……我はそのような脅しには屈せぬわ!!」


 どうやら調子を取り戻したらしい。役作りだろうか。

 

「そうか……それなら仕方ない。酷い目にあってもらおうか」


(予想とは違ったが、許容範囲だ。ロリコンではない、守備範囲が広いだけだ)


 何に対する良い訳なのかは不明だが、自分の中でそう言い聞かせる。期待してしまってやる気になってしまっていたリビドーを発散しなければ辛い。精力増大のせいにしておく。


「く、くるな!!」


 本気で怯えている。それはそれで大好物だ。


------------------------------------------------------


 致してしまった後、気絶してしまったヴァンパイアを見て、冷静になって考える。


(これってやばくね?)


 元々使い魔にするための交渉である。襲い掛かってどうするのだろうか。ティアの一件もあるので一概に駄目とは言えないが、普通に考えたらアウトだろう。

 ヴァンパイアの少女の服を整え牢屋に備え付けの簡易ベッドに寝かせる。寝ている隣に座りどうするか考える。


(謝り倒すか、このまま押し通すか……)


 以前見た使い魔スレでは性的に落とす手段も書いてあった。色んな手段があるのだろう。

 賢者モードになった俺が出した結論はと言うと


(なるようになれだな)


 臨機応変に行こう。この子の状態も解からずに判断を下すのは早計であろう。

 寝ている小柄なヴァンパイアの頭を撫でながら寝顔を見る。何時間もやっていたわけではないが、無理をさせたのには変わりない。

 しばらくするとヴァンパイアが目を覚ました。肩をビクッと震わせる。


(やっぱり怯えてるか。当然だよな)


 ヴァンパイアを抱きかかえ膝に乗せ抱きしめる。そして頭を撫でる。


(こんな事をしても意味ないだろうけど、震えているのを見るのには忍びない)


「お主……我をどうする気だ?」


 か細い声でヴァンパイアが聞いてくる。思ったより意思は強いようである。


「使い魔にしたい。思わず酷い事をしてしまったが、君が魅力的だったもので」


 歯の浮くような台詞である。嘘ではない。性欲を持て余した状態ではどんな女も魅力的にうつるものである。

 

「っ!」


 この程度の台詞も言われた事がないのだろうか。真っ赤になる。


「我は……ヴァンパイアの中でも背が低い。こんな我でもいいのか?」


 効果は抜群だ。そんなので良いのかヴァンパイア。


「ああ、君が良い」


 恋人にでも語り掛けるような声音で抱きしめながら伝える。


「なら……使い魔になる。それと……先程のような事は……」


 やっと同意を受けた。さっきのような事?もちろんやるさ。


「無理はさせない。程々に加減するよ」


 内心よし、とガッツポーズを取る。


「ではいくぞ。”テイム”」


 ヴァンパイアの情報が入ってくる。どうやらこの子もまた特殊な個体のようだ。ヴァンパイアで背が低いのは他に居ないらしい。

 手足の拘束を外す。


「俺の名前はスズキだ。宜しく頼む」


 自己紹介をする。ヴァンパイアが小さな声でスズキ、と繰り返す。


「主よ、我の名前をくれ。こちらから名乗れん」


 そう言って来る。名前か・・・ヴァンパイア、ヴぁーん、情熱の律動、律動、リズム、リム


「お前の名前はリムだ」


 名前をつける。どうやったらこうなるのか解からない。


「我の名前はリム。宜しく頼むぞ、主」


 そうリムと名付けたヴァンパイアが俺の膝から降りポーズを決めて言ってきた。


雑魚戦で苦戦する事は余りありません。どうせなら強い相手の方が盛り上がると思いますし。


魔法を盾で流したりするのはそれなりの技量が必要です。正面からまともに受けると体に着火したり結構危険です。 


ネクとタリスがどんなポーズを決めたのかは皆さんで好きなように想像して下さい。


最後の部分は書いてて鳥肌が立ちました。こういうのは向いていないようです。

名前に関しては2文字だと打つのが楽ですが、だからそうしたという訳では決してありません。本当ですよ?



没ネタ

しばらくするとヴァンパイアが目を覚ました。肩をビクッと震わせる。

(やっぱり怯えてるか)

「な、何でもするから許して……」

そんな事を言い出す。それならば

「ん?今何でもするって言ったよね?」


申し訳無いがホモはNG

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