21話
朝になる。もう朝食を済ませ、いつもなら探索に行く時間だが今日はいつもと違う。
「さて、今日はこれから反省会をしよう。生き返るからと言って何度も死にたいとは思わない」
前回の戦闘に関して反省を始める。生き返ると解かっていても仲間を失いたくないという気持ちはある。
自分の判断ミスで仲間が目の前で無残に殺されたらトラウマモノだ。
「まず、あれだけの数の集団に全く気が付かずに囲まれた。全ての敗因はここにあると思う」
3人が頷く。こっちが気配でも目視でも確認出来ない範囲から攻撃されたらたまったもんじゃない。
「これに関しては、俺たちが最後にやったような逃走で範囲を突破すると相手の統率が崩れるみたいだ。とは言えみんなを犠牲にしながら進みたいとは思わない。
効率も悪いしな」
対処法を告げるが、これには3人とも神妙な顔になる。好き好んで仲間を犠牲にしたいとは思わない。
「それに対する対策として、俺とタリスが生体感知のスキルを取得した。一応、3階でスキルレベルを使えるようになるまで上げたいと思う。同時にネクとティアには直感スキルを覚えて貰った。こちらの調整は各自頼む」
「直感スキルって?」
タリスが聞いてくる。お前には覚えさせてないがな。
「説明では直感が鋭くなる、としか書いていなかった。感覚的なものだろうし、説明もしにくいんだろう。多分」
「ふーん。それって今までより更にマスターの考えとか察する事が出来るって事よね?」
ネクがニヤニヤしだし、ティアが落ち着かないように尻尾を動かす。
(やべ、性的なものとかすぐにバレるって事なのか?)
ネクとタリスは今までのもすぐ察していたのに更に鋭くなるのか。
(気恥ずかしいな。隠すつもりは無いけどさ)
「気にするな、それが俺だ」
勝手に自己完結する。隠してもどうせすぐにバレるし、開き直るしかない。寝室をわざわざ離して設置した意味が無くなるが。
「それじゃ、新しいスキルを確かめに2階層3階へ行こうか」
無理やり打ち切り、行動へと移った。
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楔で4階へ移動し3階へ戻る。今までの探索上エルフは3階には居ない。
山小屋を出ると周囲に点々と何が居る気配がする。タリスもそれに気が付いたようだ。
「思ったより範囲が広いな。これは即戦力になりそうだ」
「そうね。100mくらいかしら。どこにどんな種族がいるか何となく解かるみたい」
タリスと確認し合う。アクティブスキルなので任意発動である。
「それじゃ、敵が居る方向に進んでみよう。毒だけには注意な」
3人は頷き、敵が居る方向へ全員で歩き出す。感知の情報通りの蜘蛛がいる。数も合っている様だ。
スキルレベルが低くても高い効果をなしている模様。
(スキルレベルが上がるとどうなるんだ?)
LV1でも十分効果があるので、上がるとどうなるか気になる。後で掲示板で確認してみよう。
「よし、いくぞ」
相手は気が付いていない。仲間全員で一斉に攻撃を仕掛ける。
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1日の狩りを終え拠点へと戻る。成果は上々だ。
感知スキルがあるとどこに何体いるかすぐに解かる。→敵は毒にさえ気をつければ大して強くない。
→どんどん狩りまくる→戦利品と経験値ウハウハ
この構図である。戦利品を売ると6000DPになった。
ただ疲れたのか、3人ともネクとタリスの寝室で寝転がって会話をしているようだ。
(効率は良かったけど、作業になってしまって合間の世間話すらなかったのは寂しいよな)
俺自身は効率重視ではなく、仲間と仲良く狩りをしたいタイプなので明日から同じ事をするつもりはない。
(今回はみんなのお陰でいつもの2倍も稼げたし、何を拡張して欲しいか聞いてみるか)
最初の最低限の施設の拡張は終えた。寝室に向かい3人に向かって聞く。
「今回、みんなのお陰でたくさん稼げた。何か追加するんだが要望はないか?」
そう聞くと、3人は考え出す。ネクとタリスは顔を見合わせて頷く。決まったようだ。
「肉!!」
タリスが言うと、ネクも強く縦に何度も頷いている。せめて肉をどうするか言って欲しいものである。
「ネクとタリスは肉か。ティアは何がいい?」
ティアに聞くが、ティアは首を傾げ悩んでいる。特に思いつかないのだろうか。
「……ご主人様が欲しい」
俺の顔を見ながらティアが言う。まさかの俺を指名である。さすがエロ娘。
「いや、それ以外でな」
ティアの頭を撫でながら言う。さすがに自分をあげる訳にはいかない。
「他には何もいらない」
ティアが言う。全く性欲以外欲のない子である。
「それじゃ、肉と他は適当に決めとくよ」
そう告げ寝室から出てパソコンへと向かう。
売買リストから食料の無限箱を見る。牛肉、中品質100g/6時間、1000ポイント。
どうせ一食100gじゃ足りないだろうし時間を短縮しとくか。1時間まで短縮する+1500ポイント。これで計2500
残りをどうしようか考えていると1つ思いつく。
(皆でくつろぐ空間って作っていなかったな)
大部屋はあるが、暖房と化している窯しかない。床は石造りでそこに座ろうとは思わない。
(よし、日本人ならアレだ)
石の上に厚めの木の板を6畳分置く。そして、その上に畳を設置する。簡易和室?である。
そこに4,5人で座れるコタツを設置する。あとは蜜柑とテレビがあれば完璧だが、蜜柑はないしテレビは高いので設置できない。
木の板と畳は1畳で各100と思ったより安い。コタツとコタツ布団を合わせて1000ポイントだ。これで2200である。
試しにコタツに入ってみると暖かい。コンセントは見当たらないが、いつもの不可思議現象だろう。
(残り1300ポイントか。今の状態でも十分戦えるし、調味料とか集めてみるかな)
醤油、みりん、料理酒、味噌、酢、ソース、ニンニク、唐辛子、オリーブオイル各100ポイントを適当に選んで箱置き場に設置する。
素材としてじゃがいも100、米(精米済み)300も一緒に設置する。
(やっと料理らしくなりそうだな)
とは言えそこまで本格的に料理をしていた訳でもない。そのうち使い魔任せで良いかーと結論付ける。
ポイントを全て使い切り、3人が喋っている寝室へ向かう。
「みんなで寛げる場所作ってみたんだ。来てくれ」
コタツのある場所まで移動する。使い魔達は何これ?という表情である。
使い方を実演して教えると恐る恐るコタツに入る。
「……あったかい」
どうやらティアは気に入ったようだ。ネクは相変わらず解からない。タリスは身長が足りないのか全くこちらからは見えない。
しばらく入っているとティアは肩まで入り寝てしまった。猫はコタツで丸くなるものらしい。
「それじゃ俺は掲示板の確認をしてくる。適当に過ごしていてくれ」
わざわざ言う事ではないかもしれないが、何となく告げパソコンへと向かう。
ネクは裁縫道具を持ってくるとコタツで針仕事を始めた。お前はどこのお母さんだ。
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スキルスレpart5
114 名前:名無しさん
最近になってようやく攻略を始めたんですが
何かお勧めのスキルってありますか?
115 名前:名無しさん
ようこそ
修羅の道へ
116 名前:名無しさん
まぁまぁ脅すな
最初なら武器関連スキルだな
軽業とか根性とかあると便利だ
1階層3階くらいから罠解除は必須になるが
それはそこまで進んでからでいい
117 名前:名無しさん
根性って何だっけ?
118 名前:名無しさん
即死するような攻撃を受けてもその戦闘中に1回だけ瀕死で残るってやつ
事故防止に便利だぞ
すぐに回復薬を飲めば戦線に復帰できる。
119 名前:名無しさん
それは便利そうだな
120 名前:名無しさん
直感スキルも結構いいぞ
空気を読めるようになる
121 名前:名無しさん
KYさんにあげたいスキルだな
122 名前:名無しさん
察しすぎるから色んな意味怖いけどな
123 名前:名無しさん
2階層に進めば感知スキルだな
マップ次第だが、見渡す限り一面が草原とかもある
物理攻撃が効く敵は大抵生体感知、幽霊とかエレメンタルみたいなのは魔力感知
これらを覚えるとスムーズに狩りが出来る
124 名前:名無しさん
敵がどこにいるか解かれば奇襲にも対応出来るしな
125 名前:名無しさん
それは便利だな
蟻みたいにどんどん増える相手だと位置関係が凄く重要になるし
126 名前:名無しさん
勝てそうになくて逃げるとしてもその方向を選べるのは大きいぞ
マップを開くのと同時に使えば広域サーチ出来るし
127 名前:名無しさん
感知スキルってレベル上がるとどうなるんだ?
LV1でも結構効果広いよな
128 名前:名無しさん
範囲が広がるのはもちろんだが
敵の弱点までわかるようになる
どれくらいのレベルが必要かは敵依存だがな
129 名前:名無しさん
使い魔にお勧めってない?
130 名前:名無しさん
生産スキルもだが、メイン盾には防御強化と敵対心+だな
盾役には必須と言ってもいい
弓を使うのなら鷹の目があるとかなり遠くまで撃てるらしい
131 名前:名無しさん
後は暗い迷宮もあるからそこでは夜目だな
カンテラで明かりを付けても良いけど、片手が塞がれないのはでかい
132 名前:名無しさん
そんな迷宮もあるのか
アンデッドとか出たら雰囲気出そうだな
133 名前:名無しさん
そのマップは通称アンデッド祭りだぞ
わんさか居る
134 名前:名無しさん
マジかよ
お化け屋敷とか苦手なんだよな
出ないでくれよー
135 名前:名無しさん
フラグが立ったな
136 名前:名無しさん
ああ、>>134の次の迷宮はアンデッド祭りだな
137 名前:名無しさん
ちょ、やめてー




