17話
詳細は書けません。書けますが、書いたら消されます。
「ふぅ……やっちまったなぁ……」
事後の惨状を見る。遠慮なんて全く無かった。
猫耳少女の体を綺麗に拭くと、コップに水を入れ近くに置いておく。
最後に気を失った少女の頭を撫でるとそのまま牢屋を閉め大部屋に戻る。
「昨晩はお楽しみでしたね」
タリスが呆れ顔で某宿屋の台詞を言う。
「もしかして、聞こえてたか?」
結構集中していたから、声とか全く気にしていなかった。
「隣の部屋だからね。ネクも聞こえていたんじゃない?」
タリスが答える。ネクの方を見ると良くやったとサムズアップしてくる。
「すまなかったな、今何時だ?」
少し恥ずかしくなりながら、タリスに聞く。
「23時よ。もうご飯はネクと一緒に食べたから」
(マジかよ。戻ってきたのは確か16時になってなかったよな)
7時間も白熱していたらしい。初めての子になんてこったい。
(起きたら謝らないとな……)
さすがに申し訳ない気になってくる。後悔はしておらんがね。
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昨日はあの後風呂に入ってからそのまま寝た。
今は朝な訳だが、ネクとタリスはこっちのベッドに入ってこなかった。
(さすがに骨と小さい妖精には手を出さねーよ)
でかい妖精には手をだすんか?と聞かれたら自信はない。
ベッドから降りて朝食の用意をする。起きてきた2人と一緒に食事を取る。
パンと生野菜を1人分くらい残しそれをもって牢屋へ行く。
どうやらもう起きていたようで、ぼーっと正面を見ていた。
俺が近寄ると体とビクッと震わせる。
(昨日あんな事してしまったしな。怯えてるだろう)
そう思っていた。少女に近寄ると何か期待するような目でこちらを見ている。
もう震えてもいないし、泣いても居ない。
(どういうことだ?)
疑問に思ったがとりあえず食事を渡す。
「朝食だ。簡単な物で悪いが……」
「……いい……食べられるだけマシ」
初めてこの子の言葉を聞いた気がする。あっちの声は言葉じゃないしな。
ゆっくり食事を始める。パンの柔らかさに驚いたようだが、それ以外はすぐに平らげる。
「さて、震えなくなったみたいだが、何か心境の変化でもあったのかな?」
思わず聞いてしまう。昨日あんな事したのによく言えるものだ。やったのは俺の事だが。
「……交尾した相手とは番になる……」
はい、獣理論きました。
(猫耳と尻尾があるのは知っていたが、まさかそっちまで同じとは……)
「番は無理だが、使い魔にならないか?そうればずっと一緒だぞ?」
手を出しておきながらよくも言うものである。
「……使い魔になる」
猫耳少女はこくりと頷き、言う。
「よし、宜しく頼む。”テイム”」
猫耳少女の情報が入ってくる。あの素早さはやっぱりレア個体だったのか。
手足の拘束を外す。するとこちらにしがみ付いて来る。
頭を撫でると気持ち良さそうに目を細める。
(可愛いじゃないか。鼻血が出そうだ)
「他の仲間を紹介する。こっちに付いて来てくれ。後俺の名前はスズキだ」
付いて来ると言うより、しがみ付かれながら歩いて牢屋を出て行く。
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「ず、随分懐かれたわね」
牢屋を出た所で待っていたタリスが驚いたように言う。
ネクも同意するように頷く。
「まぁ、なんだ。仲が良いって事はいいんじゃないか?」
適当に誤魔化す。訝しげに見てくる2人。当然スルーする。
「スケルトンがネク。フェアリーがタリスだ。仲良くやってくれ。
お前の名前は……」
猫耳、キャッツイヤー、cat's ear、ca t 's ear、tear
「よしお前の名前はティアだ」
最初ずっと泣いていたしな。
「ティア……」
なにやらぼそぼそ言いながら頷いている。
さて、いつもの作業をするか。
「ネク、タリス。ティアに色々と教えてやってくれ」
ネクは頷き、タリスはニヤニヤしながらはーいと答える。
ティアはこっちに付いて来たそうな目で見ているかが、涙を呑んでスルーする。
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さて、いつもの業務の前にティアのステータスを確認する。
名前:ティア
性別:女
種族:獣人LV1
職業:ファイター
種族適正
集団特性(弱)、高速移動、行動制限(水):水中での行動が苦手な為、ステータスが制限される。
職スキル
熟練度最適化、勇気
スキル
剣術LV1、軽業LV67
装備
武器:なし
盾 :なし
頭 :なし
胴 :布の服
足 :なし
装飾:なし
やっぱりレア個体だったか。でもこの軽業LV67ってなんだ。一体どんな鍛え方をしたのやら。
適正は水中が不可か。そもそもこのダンジョンで水中に入ることなんてあるのかね。
地下水脈とかあったとしても探索には連れて行けないみたいだな。
剣術があるって事は剣が得意そうだし、武器は剣でいいか。
盾術を持っていないみたいだし、片手剣を両手に持たせてみよう。
こうしてティアの育成方針が決まる。
(さて、要らないものの処分だな)
戦利品を見ると鋼製品までしかない。剣2本と必要な防具、薬品以外を全て売却する。
今回は鋼シリーズまで売ったので、DPが3000になった。今までの最高値である。
(これはあれだな、色々と出来そうだ。人数も増えたし、一気に生活空間の拡張だな)
まずは標準ベッドを3つ買う(400X3)。これで1200ポイント。
次は食事だ。魚(低品質)を6時間で2つ買う(300X2)。これで1800ポイント。
肉も今の状態では全く足りてないな。低品質で買う(300X1)。これで2100ポイント。
ああ、忘れてた。鍋とフライパンが欲しい(100X2)。2300ポイント。
後は調味料を見るか。醤油とサラダ油を買う(100X2)。これで2500ポイント。
残りは500かー。スキルリストを見る。
精力増大
目に付いた。
(……スキルに頼るって男としてどうよ。いやしかし、昨日のアレが獣人の標準だったら体がもたん……)
数秒葛藤する。
(買っちゃえ)
悩むのなら買ってしまえ。偉大な言葉です。
全部ポイントは使い切った。
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ベッドを3つ並べて配置する。簡易ベッドは必要ないだろうから端っこにセットする。
無限箱は置き場に設置する。
「ベッドが追加されたみたいだけど、他に何増やしたのー?」
タリスが聞いてくる。
「肉と魚と調理器具と調味料だな」
精力は隠して報告する。何となくバレルと負けた気分になる。エロ本みたいなもんだ。
「肉!!」
目を輝かせて言う。魚はどうでもいいらしい。
ティアなら喜んで食うだろう。申し訳無いが俺も肉食である。いや、魚も食うけどさ。
そういえば、ティアに聞かないとならない事があった。
「ティア、玉葱って大丈夫か?」
食事をする前に聞いておかないといけない。
「ご主人様。私は猫とは違います……」
大丈夫らしい。しかし、ご主人様とな?
「掲示板って奴で調べたのよ」
タリスが意外な事を言う。
(え?あのパソコンって使い魔も使えるの?)
「お前たちってアレ使えるの?」
今後の為にも聞いておく。
「使えるわよ。掲示板だけ」
タリスが悪びれもなく言う。
「掲示板だけならいいか。他の機能が使えても使うなよ?」
一応釘を刺しておく。追加される機能がどんなのかさっぱり解からないから不安だ
「解かっているわよ。マスターの邪魔をするつもりはないわ」
タリスがそう答える。忠誠心?みたいなのはあるらしい。信じておく。
(しかし、猫耳、ご主人様、てことは次はメイド服か。よし、次は布を選ぼう)
裁縫は出来ないのでネク任せだが。




