オマケダンジョン9話
*迷宮の封鎖が終了しました。これより開放されます*
数日後、朝食を食べているとそんなメッセージが流れた。どうやら全部解決したらしい。管理者も大変そうだ。ミーティングを保留して先に確認する事がある。
パソコンを開くとメールが来る。どうやら管理者からのようだ。
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こんにちは。お久しぶりです。
ようやく、問題が片付きましたので、迷宮の封鎖が解かれます。
今回、ご迷惑をかけた鈴木さんには1つスキルを差し上げます。
これを使ってより一層のご活躍を期待しております。
短くなりましたが、これで失礼させて頂きます。
妻とイチャイチャしたいので。
後、調合レシピ極を返してください。
妻が勝手に出品してしまったんです。
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どうやらスキルをくれるようだ。確認をしてみると
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使い魔たちとの狂演
効果
固有スキル
使い魔とプレイヤーが一緒に居ると疲労を感じ難くなる。
多ければ多いほど効果が高い。
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(使い魔関連だと思っていたが、疲労を感じないか)
戦闘時に疲労をせずに長期戦が出来るのは大きなメリットになる。スタミナポーションさようなら。
次の戦いでは手足が動かないのでポーションを飲めない。そう考えればかなり良いスキルだろう。
ちなみに、レシピは返すつもりは無い。
コタツへと戻ると皆が待っていた。
「今日から探索を開始出来るようだから、各自準備を整えてくれ。今日から2階を攻略するので、あの装備も用意するよう頼む」
俺たちは飛行用の鎧と薬品の準備をする。武具がないので思ったより準備は少ない。陸があった場合、そこに着地した時の為に装備を付けたいが、鎧の中にはそんな余裕は無い。リムとクウは自前の飛行能力を使う為いつも通りの装備だ。
ちなみに既にリムとティアには昨日の装備を渡してある。その際に色々とあったが、今は省かせてもらう。
準備を終えてアイテムボックスへ鎧を放り込む。俺たちは普段着で石を使い2階へ移動する。階段を降りると魔法陣があった。これに入ると空へ出るのだろう。リムとクウ以外は全員飛行用の鎧を着込み魔法陣にゆっくり移動する。魔法陣が発動した、その先は本当に空だった。
全員落ち着きながらも飛行を開始する。どうやら落下したメンバーはいないようだ。
「それじゃ進むぞ。何が起こるか解からない。無茶はするなよ」
エンと俺は前を進む。リム、クウ、パステル、タリスはその後ろをゆっくり飛んでいく。結構進んでいるが敵が見当たらない。どういうことだろうか。
「タリス、探知を頼む。上下から来る可能性もあるから気を付けてくれ」
俺とタリスで探知を使いながら進む。それでも探知に敵の反応は引っかからない。
(どういうことだ?)
今まで20分程飛んでいるが、全然敵が見当たらない。倒したとしても宝箱は落下していくだろうから、出ない方が助かると言えば助かる。
そうしている内に7割方の探索が終わる。この階層は一体どうなっているのだろうか。
(背中がかけないから凄く痒い……)
そろそろ拠点に戻って鎧を脱ぎたい。自分で動く必要が無いから楽と言えば楽ではあるが、熱の発散が不十分な為かなり暑い。
未探索エリアに近寄ると探知に何かが引っかかった。
「タリス、そっちはどうだ?」
スキルを信用していない訳では無いが、1人より2人で確認した方が確実だ。
「こっちにも引っかかったわ」
どうやらスキルは正常らしい。やっと敵のお出ましである。敵の種類はハーピーが……一杯。数十ではなく数百は居ると思われる。
「多いな……いくらなんでもここまで群れているのは初めてだ」
思わず呟いてしまう。今までの戦いでもここまで多いのは水中のアレくらいだ。ハーピー自体は物理攻撃主体なので、この硬い鎧であれば傷が付かない。
問題があるとすればバランスを崩す事とリムとクウの防御だろう。武器の弾薬は大体100発程度、後は魔法に頼るしかない。
(1発で1体倒せるわけないし、魔法か……この際、我がままを言ってはいられないか)
使うしかないのであれば使うだけだ。そう割り切らなければ進めないと判断する。
「ハーピーが数百体いる。目視でも解かると思うが、島のような陸地がある。最悪バランスを崩したらそこに行くしかない。それ以外の場所に落下するとじわじわと殺されるらしい」
そこで一旦区切る。リムとクウ以外の表情は解からないが、特に何も言って来ないので大丈夫だろう。
「恐らくあの島に次の階へと続く階段がある。この戦闘は避けられないから全力で挑んでくれ。飛行装備ならある程度のダメージは防げると思う。だからリムとクウを守るように戦うぞ」
それだけ指示を出すと俺たちはゆっくり島の方向へと進んだ。
島の全容が解かるくらいまで近寄るとハーピーの集団が襲ってきた。大体20匹程だろうか。それに対して射撃はせずにパステルとリムの魔法で一掃。2人なら勝手に魔力が補充されるだろう。当然、宝箱は落ちていった。
「一斉に来なくてよかったな。様子見なのか、気が付いていないのか」
俺たちは島へ着地する。とは言え飛行装備を脱げないので低空を飛んでいる。どうやらこの島は思ったより大きいようだ。
「数百体も反応があるのに襲ってこないとはどういう事なんだ?」
探知を使うと相変わらず大量のハーピーの点が周囲にある。目視で見る限りハーピーの影は1つもない。良く解からない。
「ダミーでしょうか?」
パステルが言って来る。フルフェイスの兜なので表情は解からない。
「その可能性があるな。もしかしたら何か別のモンスターが居るのかも知れない。注意して進むぞ」
俺たちは島の端に沿って探索する。半径で100mないくらいだろうか。相手が飛んでいたらすぐに解かる範囲だ。中心部は森になっているが、その中に隠れたとしても100体以上のハーピーは隠せないだろう。
「ダミーの線が濃厚だな。何が起こるか解からない。気を付けてくれ」
ハーピーだったらこの鎧を脱いで戦っても大丈夫だろう。だが、相手が飛行する場合、戦場がこの島とも限らないので脱ぐ事が出来ない。
俺たちは島の中央に向けてゆっくり移動する。島の中央には黒く丸い球体のようなモノがあった。
「何だ?モンスターの反応はないな」
探知を使うと生体も魔力も放たない物質だった。
「何かしらの魔道具でしょうか?」
パステルが意見を言う。確かに生物よりは魔道具の方が近いと思うが……。
「攻撃しちゃわない?」
観察するのに飽きたのだろうか、タリスがそう言う。
「うむ、壊してしまおう」
リムがタリスの意見に賛同する。どうしてこいつらはこうも好戦的なのか。
「ふふふ……攻撃なら任せてください」
クウのあのモードが出掛かっている。戦闘が少なくてストレスが溜まっているのだろうか。こうなると回復をしなくなるから勘弁して欲しい。
エンだけは無言で俺の隣に居る。いつでも自分を盾に出来るよう構えているようだ。
「とりあえず、様子を見よう。攻撃するのはそれからでも遅くはないだろう?」
皆にそう伝える。攻撃して何が起こるか解からない。慎重に進もう。
俺たちがしばらく球体の近くで待機していると、球体の中からハーピーが現れた。それは次々湧き出し、合計20体ほどになる。
「これは……モンスターを作っているのか?」
恐らく皆が同じ意見を持っているだろう。それなら破壊した方が良さそうだ。
「エン、持っている攻撃魔法でそれなりの威力の範囲魔法を頼む。一気にハーピー諸共殲滅するぞ」
エンは頷くと魔法の詠唱を開始する。
「他のメンバーは何が起きてもいいように警戒をしてくれ」
それだけ指示を出す。初めての敵なので何が起こるか解からない。
「行きます」
エンはそれだけ言うと球体とハーピーを全て焼く炎を作り出す。巻き込まれたハーピーは例外なく全て地面に落ち、苦しんでいる。そして20体いたハーピーは全て消滅する。だが、球体は今も問題なく鎮座している。
「近寄るぞ、一気に全力で破壊する」
もうここまで来たら遠慮をする必要はない。俺は銃を10発連続で打ち込む。他のメンバーは魔法を放っていた。
《敵性反応を確認。迎撃します》
球体から音声が発せられる。どうやら俺たちを敵と認識したらしい。
「気にするな、手を休めずに攻撃を続けるぞ」
何をしてくるかは解からない。今のうちに削れるだけ削りたい。俺は40発の銃弾を撃ち込む。音がかなりうるさい。球体は何もして来ないと思ったら、内部を開きミノタウロスやドラゴンを呼び出した。
「エン、俺と一緒にドラゴンとミノタウロスを倒すぞ。他のメンバーは攻撃を引き続き頼む」
俺はそう指示を出して、雑魚の2体の方へ向かう。ミノタウロスなら高めの位置に居れば攻撃が来ない。ドラゴンはブレスに気をつける程度だ。
エンは上空で詠唱を始め、俺は銃弾の雨を降らせた。銃弾はミノタウロスを血塗れにしすぐに倒す。だが、ドラゴンの鱗は貫通出来なかったようだ。エンはドラゴンの真下から巨大な氷の槍を突き出しその体を貫く。それでドラゴンは消滅した。
すぐに球体へ攻撃する為に戻る。そこには巨大なゴーレムが居た。胸の辺りに例の球体を装着している。
「またゴーレムかよ」
思わず口から出てしまう。ゴーレムの遭遇率高すぎだろう。
「あの球体へ攻撃は出来そうか?」
ゴーレムの緩やかな攻撃をかわしながら聞く。
「この鎧の速度では簡単に捕まりそうです」
捕まったらそのまま潰されるだろう。そうしたら即死だ。
「狙いが外れてもいいから、攻撃範囲外からの魔法を頼む。死んだらそれだけ戦力が減る」
お前らを死なせたくない、と言うのが恥ずかしくなり、そう誤魔化す。リムとクウの表情を見る限りばれているようだ。リムにばれるということは他のメンバーも解かっていそうだ。
俺はゴーレムの方を向き、銃弾を放ってみるが発射されない。どうやら先程の攻撃で弾切れのようだ。
(あれ?考えてみたらゴーレムから一撃でも貰ったら即死だよな。ならもう脱いでもいいんじゃね?)
俺は後方へ下がり、鎧の前面を開け外へ出る。その鎧をアイテムボックスへと放り込むと聖魔の剣を取り出す。盾はあっても仕方ない。
(といっても剣があっても攻撃のしようがないんだよな……投げるか)
折角貰った自分専用の剣だ。無くしたら相当悲しいが、出来る事と言ったら投擲くらいしか俺には無い。
「クウ、俺を抱えて飛んでくれ」
リムでも良いのだが、体格的にクウの方が良いだろう。クウは俺を後ろから抱えるとゴーレムの攻撃範囲外ではあるが、高さが同じ場所まで飛ぶ。30mくらいあるから凄く怖い。
「今から剣を投げる。反動があるから気を付けてくれ」
俺の投擲時の力はスキルのお陰で相当あるらしい。地面に足が付いていれば自分で踏ん張れるが、空中ではクウ頼みだ。頑張ってもらいたい。後、汗臭くてごめんなさい。
俺は剣を振りかぶると一気に力を込め聖魔の剣を球体へ向かって投げる。剣は真っ直ぐ球体へ向かうと刺さった。どうやらそれだけでは死なないらしい。クウは俺を地面に降ろすと攻撃に参加するべく戻っていった。
「さて、本格的にやる事がなくなったぞ」
他にモンスターが出ても怖いので今まで使っていた剣と盾を取り出し、鎧を着る。いつも通りの格好だ。と言ってもやれる事はないのでボーっと仲間達の戦闘を眺める。皆、奮戦しているようだ。凄く申し訳ない気分になる。剣で盾を殴って応援する。
エンが業を煮やしたのか、突然球体へと突撃をして先程から刺さっている俺の剣をより深くまで差し込む。するとゴーレムが消滅した。もう少しだったらしい。
俺は仲間たちのもとへ走っていく。皆は俺に何サボってんだ、という視線を向けて来ているような気がするが、気のせいだと思いたい。俺はドラゴンやハーピーが落とした宝箱を開け戦利品をアイテムボックスに放り込む。
ゴーレムが倒された辺りに行くと聖魔の剣が落ちていたので、それを回収する。無くさないでよかった。周囲を見渡すと階段があった。どうやら球体があった場所に階段が発生したらしい。
俺たちは階段の中間辺りに楔を設置する。そして階段の下まで降りると、目の前には溶岩の流れる山道があった。
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【迷宮】オマケダンジョン part2【閉鎖中】
887 名前:名無しさん
飛行鎧高すぎ
もっと安くしてくれ
888 名前:名無しさん
ああ、高いよなぁ・・・
グラを見る限りだと素材がやばいから高いのも解かるけどさ
889 名前:名無しさん
安くは出来ないのか・・・
俺なんて4人が飛行出来ないから80万・・・
890 名前:名無しさん
ご愁傷様
突撃して2階クリアした奴いないの?
891 名前:名無しさん
買い揃えた奴は少ないだろうからまだなんじゃね?
892 名前:名無しさん
今北
2階クリアしたぞ
島があってそこにボスが居た
それを倒したら3階への階段があった
893 名前:名無しさん
ボス有りか・・・
3階とボスの情報をクレ
894 名前:名無しさん
同じかどうかは解からないが
モンスターを生み出す球体の何かだったな
途中でゴーレムと同化してた
3階は火山
895 名前:名無しさん
また珍しい相手だな
変なモンスターと同化しそうで怖いわ
896 名前:名無しさん
火山ってクリア前にもあったよな?
管理者のパターン少なくね?
897 名前:名無しさん
そういってやるなよ
管理者も大変だろうしさ
898 名前:名無しさん
ともかく、ボス有りで次が火山か
飛行装備を揃えて頑張らないとな
899 名前:名無しさん
そうだな
金稼ぎに行ってくる
900 名前:名無しさん
いてら
901 名前:名無しさん
そして取説の無い鎧で自爆ボタンを誤って押すと
902 名前:名無しさん
おい、黙ってろよ
その方が面白いだろ?
2階の大半が準備で終わったじゃないですか、やだー