仲間の死、そしてー
なんで・・・
なんでなんだよ、里奈・・・
なんでおまえが死んだんだ・・・
俺には分からねーよ・・・
死ってなんなんだよ・・・
俺は、このゲームに今までは楽しさと興奮という感情だけが現れていた。
しかし、今は違う。
悲しみと喪失感。
負の感情ばかりを抱いてしまった。
「あ、おかえり。リク・・・」
「里奈は・・・」
「やっぱりか・・・」
「ああ。死んだんだ・・・」
「くっ・・・」
「私達に出来ることって、もうないのかな」
「いや、諦めるのはまだ早い。他のプレイヤーが死す前にゲームをクリアしよう」
「そうね。それが1番早い方法よね」
「里奈のためにも、頑張らなきゃな」
「そうだな。・・・よし!気合い入れて行くぜー!」
「「おーーー!」」
レベルがMAXになるぐらい戦ってようやく最後のフロアにたどり着いた。
「ここが、最終フロア・・・」
「ああ。名は、《キューブ・パーツ・キングダム》。・・・っ!んな、バカなっ!そんなはずは・・・」
「ゲームの名前がこのフロアの名前だなんて・・・」
「仕方ない、メインは名前じゃねーんだ。ダンジョンだよ」
「ええ。リク、大丈夫よ」
「那由多。ありがとう。」
「じゃあ、行こうぜ」
ガチャーギィィィィィ
「う・・・わあ」
「すげえな・・・」
「しっ!誰か来る」
ドスン、ドスン、ドスン、ドスン
足音のようなものが聞こえ、やがてその音が近く、大きくなる。
と、そこにー
「グァァァァァァォォォォォォォォ」
「で、けえ」
「ああ、信じられない・・・」
「倒せるかしら・・・」
「大丈夫だよ、那由多。俺らならヤレる。」
「そうね」
モンスターめがけて剣を突き立てる。
と同時に自分のパーツを手に持ち、地面を蹴る。
そして、モンスターにはめようとする。
いつもは、はまらないまま戦闘が終わった。
だが・・・
「え・・・」
「は、はまった・・・」
「ギィィィィィァァァァ・・・」
モンスターが倒れた。そして浮かぶClearの文字。
「やったぁぁぁぁ!」
「すげえよ!リク!」
「ああ、皆ありがとう。」
ラストフロア《キューブ・パーツ・キングダム》をあとにした、俺らが外に出ると・・・
Game Clearの文字が空一面に出ていた。
そして、プレイヤーが徐々に消えていく。
「リク、私も落ちちゃうね。またリアルでね」
「ああ。またな」
「リク、那由多、里奈によろしく」
「おまえのことも忘れねーよ」
「分かってるよ、じゃあな」
故・里奈のネト彼を包んだ光は、強く光りそして消えた。
那由多を包んだ光も光を放ち、そして消えた。
俺も光りそして消えた。
このゲームが再度作られることは、二度とないだろう。
目を開けると知っている町並みが広がっていた。
「リクーーーー」
「お、那由多。」
「あ、そっか・・・終わったんだね。全部。」
「うん。終わったんだ。」
「ねえ、リク。このあとどっか行かない?」
「なんだよ、いきなり」
「デ、デート?・・・みたいな」
「は、はあ?」
「いいでしょ!別に!ほら、早く早く」
「はいはい」
謎多きパーツは、人類に最悪な結末を迎えさせた。
そして余ったパーツは、国の手によって回収された。