表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
働きすぎた社畜、死んだらダンジョン核に転生して魔王に!? 〜自由に生きてたら、気づけば勇者と結婚してました〜  作者: 烏羽 楓
第五章 自由と欲望の戦い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/62

第48話「砕けた結界、集う剣と牙」

 結界の内側――。

 

 黒い魔力が渦を巻き、フロア全体が押し潰されるような圧迫感に満たされる。

 クゼスは狂気じみた笑みを浮かべ、剣先をゆっくりとこちらに向けた。


「さあ――楽しませてください、勇者さん」


 言葉が終わるより早く、クゼスの姿が掻き消えた。

 次の瞬間、耳を裂く金属音が響き、美月の前に火花が散る。


「速いっ……!」


 美月は咄嗟に受け流し、後ろに跳んだ。

 しかしクゼスはさらに踏み込み、二撃、三撃と畳みかける。


「グルルルルッ!」


 ゼトスが割って入り、氷牙を顕現させてクゼスに噛み付こうとするが、剣の一閃で弾き飛ばされた。

 巨体が床を転がり、結界の壁に叩きつけられ壁が衝撃に割れる。


「ゼトスさん!」


 美月が叫ぶ間もなく、クゼスの剣が再び迫る。

 光の剣を横薙ぎに振り抜くと、強烈な閃光が走り、二人の間に空気の壁が生まれた。


「……面白い。さすが勇者、ただの防戦一方ではないですね」


 クゼスが口元を歪める。

 美月は息を整え、剣を胸の前に構え直した。


「あなたを倒すまで、私は絶対に退かない!」


 剣が白く輝き、光が収束する。

 彼女の靴先が石床を蹴った瞬間、視界が閃光に満たされた。


「――光刃連舞!」


 光の剣閃が連続してほとばしり、クゼスを中心に十字に交差する。

 フロア全体が昼間のように明るく照らされ、石床が焼け焦げる。


「ほう……!」


 クゼスが笑い、剣を横に薙ぐと黒い魔力の波動が広がり、光刃を次々と打ち消した。

 熱風と冷気が交錯し、床の破片が舞う。


「グゥゥゥッ!」


 ゼトスが立ち上がり、今度は氷塊がクゼスの足を拘束する。

 その隙に美月が突っ込むが、クゼスは軽々と鎖を砕き応戦してくる。


 美月の胸に焦りが走る。

 その刹那、クゼスが一歩踏み込み、美月の剣を弾いた。

 金属音が響き、彼女の腕が痺れる。


「勇者の心臓を抉り取って、その絶望をリルベアに見せてやりましょう」


 耳元で囁く声が冷たかった。

 美月の脳裏に、ヴァルトと過ごした時間が一瞬よぎる。


「ここで負けるわけにはいかない……!」


 美月は歯を食いしばり、再び剣を構えた。

 光が再び刃に宿る。眩しい光が結界全体を震わせる。


「負けられないんです、あなたには――!」


 光の奔流が走る。クゼスの魔力と正面からぶつかり、轟音が響く。

 結界にヒビが入り、光が漏れた。


「おや?」


 クゼスが楽しそうに笑う。

 美月は膝をつきかけるが、ゼトスが間に割り込んで咆哮した。


「グルァァァアッ!」


 巨大な氷柱が次々と地面から生え、クゼスの動きを止める。

 しかしその直後、ゼトスは血を吐き、足をつく。


 クゼスの魔法により召喚された、無数の黒槍が天井から降り注ぎ、ゼトスを突き刺したのだ。


「ゼトスさんッ……!?」


 美月が駆け寄るが、クゼスは容赦なく距離を詰めてきた。

 剣先が美月の首に突きつけられる。


「これで終わりですね――」


 その瞬間、結界が派手な音と共に粉砕された。

 眩い光と共に、血に濡れた剣を持ったヴァルトと、魔力を纏ったリルベアが飛び込んでくる。


「悪い! 遅くなった!」


 ヴァルトの声が響き、美月の胸に安堵が広がった。


「ヴァルトさん……!」


 クゼスがゆっくりと顔を上げ、口元に笑みを浮かべる。


「ふふ……いいところで来ましたね」


 リルベアが前に出て、冷たい視線でクゼスを見据えた。


「今度こそ、決着をつけるぞ、クゼス」


 緊張が走る。

 四者の視線が交差し、フロアの空気がさらに重くなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ