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働きすぎた社畜、死んだらダンジョン核に転生して魔王に!? 〜自由に生きてたら、気づけば勇者と結婚してました〜  作者: 烏羽 楓
第三章 成長する魔王と迫る”冒険者組合”の影

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第25話「街を作ろうとしたらポイントがめちゃめちゃ溶けた」

 というわけで――さっそく俺は、コアルームと十階層の間に、新たな階層を追加した。

 ここに“街”を作る。魔王としての、新たな仮拠点だ。


 イメージは、中世ヨーロッパ風の城下町。

 

 石畳の広場に噴水、風車が回り、角張った屋根の家々が並ぶ通りには、パン屋や武器屋なんかも設置したい。

 教会もいいな。尖塔が天に伸びてるようなやつ。

 まぁ、まずは雰囲気づくりだろ。最初は見た目が大事だ。


 で、建物の設置はっと……


 ……と思ったら、いきなり資源の壁にぶち当たった。

 

 ダンジョン本体の構築と違って、建物は全て“ポイントで購入”しなきゃならない。

 買ってから作り替えて、オリジナルの建物にするようだ。

 しかも、値段がエグい。


「え、宿屋一軒で500ポイント!? 魔王相手にふっかけすぎじゃない!?」


 思わずシステムウィンドウに声をぶつける。

 

 いや、別に誰かが裏で操作してるわけじゃないのは分かってるけど、これはもうクレーム入れたくなるレベル。

 

 とはいえ、グダグダ言っていても始まらない。

 まずは、階層そのものを広げるところからだ。


 空間拡張はポイントさえ払えば割と自由が利く。

 

 最初は城の周囲だけだった空間を、東西南北へと伸ばし、街らしい区画を作るための土台を整えていく。

 空間に広がりが出てくると、なんだかそれだけで都市っぽく見えてくるのが不思議だ。


 そして次は、環境演出。

 昼夜のサイクル、季節の巡り、風と雲、雨、朝靄、夜空に広がる星の瞬き――

 細かいオプションを一つひとつ選んでいく。演出といっても侮るなかれ、これが雰囲気作りにはめちゃくちゃ重要。


 つーか、こういうのもいちいちポイント高いんだよな……。


 一個ずつは地味な加算でも、積み重なると恐ろしく重い。

 まるで魔王税でもかかってるかのようだ。いや、俺が魔王なんだけど。


 それでも、少しずつ形になっていく景色を見るのは、思った以上に楽しい。

 なんというか――そう、箱庭ゲームにハマってる感覚に近い。


 「あー、これ昔やってた街づくりシミュレーションに似てるかもな……」


 ポイントと相談しながら、地形に合わせて建物を配置していく作業は、妙な中毒性がある。

 ある意味、魔王のくせにまんまと仕組みの術中にハマってる気もする。


 そして、その街の中心には――城を置いた。


 もちろん仮設だが、外見はとびきり豪華。

 黒い石造りの外壁に、高くそびえる塔、広々とした前庭。誰が見ても「あれが魔王の居城だな」と思えるやつだ。


 名前も考えた。“魔王城ケルベロス”。


 由来は単純。眷属が三人いるから、三つの首の番犬ケルベロスからとっただけ。

 ……まぁちょっと安直だったかなとも思ってる。でも勢いって大事だよな?


 城の中には、俺の居室はもちろん、レイラ、ゼトス、リア、それぞれの部屋も用意した。

 

 小規模な応接間に、仮設の執務室、ちょっとした食堂もつけて、住居としての最低限は確保。

 今後客人が来る可能性もあるし、迎賓室なんかもいずれ作りたい。


 それでも、まだ街全体としては、城と数軒の建物が並んでいる程度。

 本格的な発展はまだまだこれからだ。


 けど――ひとつだけ確信できたことがある。



 街づくり、マジでポイントかかる!!

 


 階層の拡張、環境の演出、建物の設置、それに付随する装飾やインフラ……全部が全部、ポイントをゴリゴリ削ってくる。

 しかも撤去にもポイントが必要とか、アホか。


 この階層を“街”として完成させるには、途方もない労力と、途方もないポイントが必要になる。

 そうなると、”世界”を作るとしたら――?


 「これは……頑張らないとなぁ」


 ぼんやりそう呟いたけど、よく考えたら俺自身はほとんど稼いでない。

 魔物たちが戦い、眷属たちが管理してくれている。


 そう、俺は作るだけ。働いてるのは、周りだ。


 ――俺は構築する側、彼らは稼いでくる側。ま、役割分担ってことで。

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