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第74話 ネズミーランド

今日はお見合い相手の桜井さんとデートだ

「おはようございます。晴れてよかったですね。絶好のデート日和です。」

と待ち合わせのネズミーランドの前で桜井さんは言う

「おはようございます。桜井さん。」

「実は僕、ネズミーランドは20年ぶりぐらいでして…幼い頃に家族で行った以来で詳しくないのでリード出来るか不安ですが、よろしくお願いします。」

「…私は初めてです。」

「そうなんですね。意外です。美奈子さんはモテるからよくデートに来ているのかと…」

「私はやり目的のバカな男にしかモテなかったから。デートらしい場所なんて連れてきて貰ったことないわ。」

「そんなこと…」

「そうなの。私はそういう人間よ。」

「僕はそう思いません。」

桜井さんは私の手を繋いでエスコートする

「初めてのネズミーランドを楽しい思い出にできるように頑張りますね。」

穏やかな笑顔とは裏腹に力強く意志の強い言葉に惹かれた

ネズミーランドに入ると目の前にお城があり、まるで別世界へと入り込んだような感覚になった

「凄い…」

私は思わず呟く

「凄く立派なお城ですよね。非現実に入り込んだ感覚になりますよね。」

「お城見てはしゃぐなんて29にもなって恥ずかしいわ。ごめんなさい。」

「何言ってるんですか。とても可愛らしくていいじゃないですか。」

「揶揄わないでください。」

「本音ですよ。僕は嘘をつくことやお世辞は苦手なので。美奈子さんはジェットコースター乗れますか?」

「乗ったことないからわからないわ。」

「そうなんですね。では初心者向けのジェットコースターから行ってみましょう!」

私は桜井さんに連れて行かれてジェットコースターに人生で初めて乗った

「きゃああああああああ!!」

猛スピードでマシンが発車する

実際に乗ってみるとこんなにもスリルを感じることが出来るなんて知らなかった

少し怖いけれど、楽しい

「どうでしたか?人生初のジェットコースターは。」

「ちょっと怖かったけど、楽しかったです。また乗りたいです。」

「気に入ってくれてよかった。もう一度乗りますか?」

「他の乗り物も乗ってみたいです。」

「乗りたい乗り物はありますか?」

「私、この映画は見たことあるんです。だからここに行ってみたい。」

「いいですよ!」

私が暇つぶしに見たことがある映画が面白くて印象に残っていたのでそこに行ってみることになった

マシンに乗り込み映画の世界に入り込む

「…綺麗。」

映画の美しいシーンがそのまま再現されていて感動する

みんながネズミーランドに夢中になる気持ちがわかってきた

「とても素敵でした。楽しかったです。」

「映画のシーンが再現されているのはよかったですね。」

「はい。感動しました。」

「フフッ。楽しんでくれてよかった。そろそろお昼にしませんか。ここはショーを見ながらご飯が食べられるんです。」

私達は桜井さんおすすめのショーレストランへと行く

ご飯を食べている間に目の前で着ぐるみがショーを行っている

平和の象徴みたいなショーだった

私には無縁だと思っていたのに人生何があるかわからないものだな

「平和ね…」

「あまり楽しくなかったですか?」

「いや…私には無縁だと思っていたから新鮮だったわ。子供が楽しむような平和な世界なんて私には程遠い世界だったから。」

「家族仲は良くないのですか?」

「最悪ですね。何故産んだのか理解不能なほど放置されていましたから。私のことは全く興味ないようです。跡取りの長男ばかり構って私は空気のようでしたから。誕生日さえ祝って貰ったことなんてないです。」

「それは辛い幼少期でしたね。」

「ほとんど縁を切っているし、会話なんてほとんどしたことないから今はもう気にしてないわ。」

「僕は美奈子さんと結婚すれば幸せな家庭を築いていきたいと思っています。」

「私が幸せな家庭を築くなんて出来ると思わないわ。前回も失敗したし、私は仕事しか出来ない人間みたい。」

「そんなことありません。今日1日過ごして僕は美奈子さんとなら幸せな家庭を築けそうと思いましたよ。」

「どうして?」

「どうしてでしょうか。なんとなくです。」

「楽観的ね。」

「根拠のない自信は得意なんで。」

「私は苦手。」

「僕達相性いいと思いませんか?」

「そう?私は全くそう思わないわ。」

「手厳しいな…」

その後も私達は閉園までネズミーランドを楽しんだ

時間が過ぎるのはあっという間だった

「今日は楽しかったです。1日過ごして美奈子さんのことをもっと気に入りました。」

「桜井さんは私と結婚すればお金が入って人生安泰ですからね。」

「経済的に負担が減ることは嬉しいですけど…それ以上に僕は美奈子さんを幸せにしたいと強く思いましたよ。」

「不幸で悪かったわね。」

「そういう意味じゃないですけど…僕は美奈子さんのこと大事にしたいです。」

「私より自分の家族が大事なくせに。」

「同じぐらい大事にします。」

「1番大事にしてくれないと私とは結婚出来ないんですよ。」

「ハハッ。そうですね。確かに妻を1番大事にしないパートナーなんて嫌ですよね。」

「とんでもないシスコンとブラコンなんてお断りよ。私をまた惨めな気持ちにさせるようなやつは嫌なの。」

「わかりました。僕と結婚してくれたら1番に美奈子さんを大事にすると誓います。」

「金を得るために必死ね。もういいわよ。」

「違います。美奈子さんと一緒に人生を歩みたいと純粋に思ったんです。」

「どうして?」

「惚れたからではいけませんか?」

「惚れる要素なんてないじゃない。」

「たくさんありますよ。今日の美奈子さんはとても愛らしかった。もっと美奈子さんと一緒にいたい。もっと美奈子さんを笑顔にしたいと思ったんです。」

「惨めな女を見過ごせない同情でしょ。」

「違います!好きです!僕のこともっと知って欲しいです!まだ諦められません!」

「まぁ…またデートするぐらいならいいわよ。」

「本当ですか!?僕のこと好きになって貰えるように頑張ります!!」

今日1日が楽しかったからもう少し続けてもいいと思っただけ

こんな善人が私と釣り合うわけないんだから

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