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第73話 合格

今日は8回目のお見合いの日だ

何回もお見合いを続けているが、毎回玲が暴言を吐いて暴れまくって破談になっている

条件もよく悪い相手なんて今まで1人もいないのに

バツイチの私を拾ってくれる善良な人ばかりだったのに

ことごとく玲はお見合い話を潰してきた

私がキューピットになる!!と息巻いていたのに

本当に私を結婚させる気があるのか疑問になってきた

今回のお見合い相手は綾小路渉さん

32歳で商社に勤めているエリートらしい

玲は毎回違う着物を着てお見合いに挑んでいる

「今日の着物は緑なのね。緑は意外と似合うわね。」

「えへへー。ありがとうございます!」

「毎回着物は気合い入ってるわよね。」

「着物以外も気合いは毎回入ってますよ!」

「毎回玲の暴言で破談になっているけど。」

「あいつらはミナに似合わない男だったからいいんです。」

「純也さんがせっかく選んでくれた条件のいい男の人ばかりだったのに…難癖つけて破談にするんだから…」

「難癖じゃありません!質疑応答をしているだけです!!」

「私を誰かと結婚させる気が本当にあるの?」

「あるに決まってるじゃないですか!見てくださいよ!この気合いが入った着物を!!めんどくさがり屋の私が毎回用意して着てるんですよ!?」

「着物だけじゃん…不安しかない…」

私達が雑談して待っていると綾小路さんと綾小路さんのお母様が入ってきた

「初めまして。綾小路渉と申します。本日はよろしくお願いします。」

私達も挨拶をして雑談をしながら会食を食べる

玲も今のところは大人しくしているし、今回はこのまま穏やかに終わればいいのだが…

「綾小路さんはミナのどこが好きですか?」

と玲が言う

「そうですね…美しい顔と素晴らしいスタイルですかね。」

と綾小路さんが答えると

「外見しか見てないんですか?」

「もちろん性格もとても素晴らしいですよ。」

「どんな性格ですか?」

「誠実で真面目な方です。」

「ミナのどこが誠実で真面目なのよ。綾小路さんの目は節穴ね。」

「俺は真面目な方だと思いますが…」

「これだから外見しか見えてない男はダメなのよ。人の外側だけしか見てないんだから。性格なんて気にしてないのよ。」

「外見が素晴らしいというのは大きな魅力の一つじゃないですか。」

「それはそうだけど…あまりにも人を見る目が稚拙すぎる。美人が好きだとか言う男は女が歳を取ると浮気して捨てるのよ。」

「それは偏見すぎます!」

「絶対そうだから!綾小路さんが浮気する未来が見えるわ!!」

「俺はパートナー一筋です。今まで付き合った中で一度も浮気なんてしていません!」

「…怪しい。今明らかにボディランゲージが増えて身振り手振りで誤魔化そうとしてますよね?やましいことがあるんじゃないですか?嘘をついてるんじゃないですか?」

「なっ…そんなことはありません!!俺は浮気なんてしていない!」

「ふーん…じゃあ探偵に婚前調査して貰いましょうか。それで判明しますから。」

「婚前調査…!?」

「結婚するなら当たり前でしょう?まさか後ろめたいことなんてありませんよね?」

「…浮気してました。」

「でしょうね!!このクズ男がよぉ!!二度とミナの目の前に現れるな!!」

「今までは浮気してました!それは認めます!でも結婚は別です!家庭に入ったら1人の人間を生涯愛します!!」

「浮気って何回した?」

「えっ…」

「婚前調査すれば筒抜けになるけど。」

「えっと…30回ぐらいかな…」

「女を大事に出来ないクズが!!帰れ!!」

「俺は迫田さんではなく、美奈子さんと見合いをしているんです!部外者は黙っててください!」

「ハァ〜?私はミナの親友としてお前みたいなクズに引っかからないように見定める役をしているんです!!」

「美奈子さん!俺は本気です!今まではだらしない女関係でしたが、美奈子さんだけは別です!本気で愛してます!!絶対浮気しないと誓います!!」

「黙れ!二度とミナに近づくな!!帰れ!!」

「嫌だ!一度付き合ってチャンスを!お願いします!!」

玲は綾小路さんの首元の襟を掴みずるずると引きずって部屋の外まで出してしまった

そのまま蹴り飛ばし

「若くて可愛い女と遊びまくって人生謳歌しとけよ!ミナには一切関わるな!クズ!!」

と玲が吐き捨てて扉を閉めてしまった

綾小路さんのお母様も申し訳ございませんでした…と言って退出してしまった

「信じられないクズだったわね。純也さん見る目なさすぎ。」

「いや…私も30回ぐらい浮気してるし…人のこと言えないわよ…」

「ミナはいいの。あいつはダメ。」

「理不尽だな…」

「このまま次の見合い相手を待つわよ。」

「遂に同じ日に2人お見合いすることななったのね。」

「次は桜井隆臣さんよ。」

「次は大人しく見守ってくれる?」

「質疑応答は必須だから。」

「結婚させる気ないでしょ…」

1時間が経過して、桜井さんが入ってきた

「初めまして。桜井隆臣と申します。本日はよろしくお願い致します。」

桜井さんは仲人の人はいなくて、1人で入ってきた

「ご両親は?」

「事故で他界しています。今は僕と妹と弟だけです。」

「そうでしたか…すみません。」

「いえ。気にしないでください。」

その後も雑談を交わして穏やかな時間を過ごす

桜井さんは同じ歳の29歳で、銀行員だそうだ

仕事と家事が忙しく、恋愛経験もないようだった

「桜井さんは…家族が大事ですか?」

と玲が言う

「はい。家族は僕の宝物です。」

「今も兄弟2人の学費を払っているそうですね。」

「そうですね。」

「この結婚はお金目当てですか?」

「…少しも意識していないと言われたら嘘になります。経済的に安定している方と結婚した方が家族を守る為に必要だと感じています。」

「桜井さんの兄弟とミナはどちらが大事ですか?」

「結婚して頂けるならどちらも大事な家族です。優先順位はありません。兄弟と同じように美奈子さんを大事にします。」

「…本当に?」

「はい。」

「うん。合格。」

「えっ…嘘でしょう!?」

私は今まで散々見合い相手を追い返してきたのに、今回は合格だと言っている玲に戸惑う

だってあからさまなお金目当ての結婚なのに…

「今度2人でデートしたらどう?」

「嬉しいです。是非よろしくお願いします。」

私は玲に言われるがままに桜井さんと連絡先を交換をして

今度のデートの日程を話し合うように言われた

そしてお開きになり、私達は家に帰る

「…どうして桜井さんは合格なの?あからさまなお金目当ての結婚だったのに。」

「そうね。でもお金ならミナはあるから問題ない。」

「お金目当てなんて気分悪いわよ!」

「両親が他界してるのよ。経済的に不安定でも仕方ないわ。それでも兄弟が大学進学を奨学金なしで通わせようと必死で働いているのよ。桜井さんは家族を大事にする人。信用できるわ。」

「兄弟だからでしょう?私なんてただのATMよ。」

「…私はそう思わない。お金を援助してくれる嫁なんて生涯大事にするんじゃないかな。」

「…本当に?」

「小説家の観察眼を信じなさい!まぁここから先はミナが決めたらいいよ。合わなかったり、つまらない男だと感じたらやめればいい。」

「…わかった。」

遂に玲のお墨付きで合格したお見合い相手が出来た

私が桜井さんと付き合って結婚したら…

玲はどうするのだろうか

私達の同居は解消されて

離れて暮らすことになるのだろうか

桜井さんのことよりも

玲との関係性が薄れることを

私は恐れている

玲との同居生活を解消したくない

このままずっと一緒に暮らしたい

1番じゃなくても構わないから

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