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第71話 お花見

今日は月に一度の純也さんとのお出かけの日だ

季節は春になり、桜が満開の季節だ

今回のお出かけはお花見だ

お弁当を作ってレジャーシートを敷き

桜の木の下で食べる

純也さんが所有している別荘の庭でお花見をすることになった

お花見は大好きなのだが、人混みが嫌いなので近年は避けていた

ゆっくりとお花見が出来ると浮かれていたので

私は信じられない程手の込んだ弁当を作ってしまった

オムライスをベースにしたヒナくんのキャラ弁に

唐揚げ、サンドイッチを入れて特大お弁当を作ってしまった

どう考えても2人で食べ切れるよう量ではないけど

余ったものは帰ってきてからまた食べればいいやと思ってそのまま持って行くことにした

いつも通り純也さんが家まで迎えに来たので

私は車に乗り、純也さんと花見へと出かけた

1時間程で到着した別荘には満開の桜が一本咲いていて

絵画のように美しかった

「凄い綺麗…」

「そうだろう?きっと迫田さんが気にいると思って新しくこの別荘を購入したんだよ。」

「とても素敵!凄く気に入った!どうもありがとう純也さん!」

「1年も経てば迫田さんの好みも把握してきたからね。」

私はスマホで桜の写真を何枚も撮る

誰よりも儚く美しい花

桜が咲く期間は2週間程しかないが

誰よりも美しく誇り高く咲く

大勢の人間を魅了していく美しさ

桜という存在が神秘的で好きだ

「3次元とは思えない美しさね。現実離れしている。」

「現実は小説より奇なりというじゃないか。現実世界の方が美しいのはとてもいいことだよ。」

「そうですね。私は小説の世界が大好きですが、現実世界の面白さにいつも勝てる気がしません。」

「現実世界を面白いと感じていたんだね。」

「私を何だと思ってるんですか…当たり前ですよ。現実世界にはミナのような奇跡的に可愛い女の子にも出会えますからね。最高の世界ですよ。」

「その美奈子のお見合いをめちゃくちゃにしたと聞いているが…」

「丁重にお断りしただけですよ。」

「美奈子は気に入っていたのに…」

「絶対ダメですよ。私が許しません。」

「オタクなだけでNGにするのはさすがに可哀想じゃないか?」

「推しに夢中でミナを大事にしない未来が見えました。絶対にダメです。」

「そんなこと言ったら迫田さんだってオタクじゃないか。ヒナくんが好きなんだろう?ヒナくんを推しているという理由でフラれたら嫌な気分にならないか?」

「ならない。私は自分で気持ち悪いオタクであることを理解している。他人に理解を求めようなんてしていない。気持ち悪いオタクは気持ち悪いオタクらしく日陰で大人しく誰にも見つからずに生きていくべきなのです。」

「それはさすがに卑屈すぎないか…?」

「オタクは日陰で生きていくべきなんです。今時のオタクは面の皮が厚すぎます。オタクの人数が増えたことにより自分達が正義であるかのように振る舞う人が多すぎます。人数が多くなっただけのただの気持ち悪い団体なのに。人間が増えたというだけだ声をでかくしてマイノリティを押し付けるようなマナー違反をする人間が多すぎます。自分の趣味は自己完結するべきなのです。」

「人に理解して貰いたいと思うことは悪いことではないと思うが。」

「では私が純也さんにヒナくんを布教していくことはいいことだと思いますか?」

「いや…困るかもしれない…」

「そうなんです。興味ない人に無理やり理解を求めようとするのはやはり違うと思います。人には好みがあってそれを押し付けるものではないですから。」

「趣味を否定しなければいいだけなのでは?国見くんがオタクであっても悪ではないでしょう?」

「私は悪だなんて言っていません。ただの気持ち悪いオタクは美奈子に相応しくないと言っているだけです。」

「そんなことで断っていたら今後も結婚だなんて出来ないと思うが…」

「そんなことじゃないんです!!最も重要なことですよ?美奈子は寂しがり屋なのに他の女に夢中になっているなんて胸糞悪い男と結婚させるわけにはいきませんから!!」

「オタク活動をやめればいいのか?」

「国見さんは絶対やめませんよ。推しに沼ってましたからね。推しが卒業するまでオタ活をやめるわけないです。」

「何故そう思う?美奈子と結婚するなら辞めさせることもできそうだが?」

「推し活がプライベートの潤いの全ての人から推しを取り上げるなんて暴挙私には出来ません。」

「私にはまだまだわからない世界だな…」

「そのうち運命の出会いが来ますよ。推しに出会えたら毎日が楽しくなりますよ。」

「そう…じゃあ今の私の推しは迫田さんかな。迫田さんのおかげで毎日が楽しくなったから。」

「私を推しにするならあまりお金がかからないからおすすめですよ。たまに出す小説を買うだけで推し活出来ますからね。」

「小説もいいけど、写真集をまた出して欲しいなあ。次は私が投資するからもう一度やらないか?」

「絶対嫌。一回やれば十分だよ。」

「普段しない格好を写真に残して貰えるのはありがたかいからな…普段からもっと色んな服を着て欲しいのに…」

「めんどくさいからやだー。」

「もったいないな…」

「そんなことよりほら!じゃーーん!見てくださいよ!頑張って手作り弁当作ったんですよ!」

「すごいな…これが噂に聞くキャラ弁というやつか…」

「愛を込めて作りました♡」

「さすがに量が多すぎるんじゃないか?」

「残ったものは持って帰って食べるので」

「誰が?」

「私が」

「私にくれないのか?」

「余物をですか?欲しいならあげますけど…」

「じゃあ私が持って帰るよ。」

純也さんは私のお弁当を一口食べると

「…美味しい。凄く美味しいよ!」

「本当ですか?えへへ…ありがとうございます。」

「小説よりも料理家になった方がいいんじゃないか!?」

「馬鹿言わないでください。私にとって小説が全てですよ。」

「プロ並みの腕だから…今まで食べた料理の中で1番美味しいよ!毎日作って欲しい…」

「食べることは好きなので料理は頑張りましたから。」

「拓人と結婚した後は私とも同居して、毎日迫田さんの手料理を食べたいなぁ…」

「拓人と結婚なんてしませんから。変な夢物語を語るのはやめてくださいね。」

「じゃあ私が毎日迫田さんの家に通ってご飯を食べることななるが…」

「ストーカーとして訴えますから。やめてくださいね。」

「意地悪だなぁ。」

「いや…純也さんが非常識なだけですけど…」

そう言いながら純也さんは私のお弁当をたくさん食べてくれた

一生懸命作ったものを美味しくたくさん食べてくれるのは気分がいいものだ

「余ったものも家でまた食べられるのが楽しみだ。」

「そんなに気に入ってもらえてよかったです。」

「今度から毎回お弁当を持って来て欲しいな。」

「めんどくさいから嫌です。」


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