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第68話 鎮静化

私が離婚してから3ヶ月が経ち、玲との同居生活も3ヶ月が過ぎた

私達の同居生活は上手くいっており、玲が小説を書く1週間の期間以外は平和に楽しく過ごすことが出来ていた

拓人と3人で同居していた時は、拓人と顔を合わせたくなかったのか部屋に篭り気味だった玲だけど

私と2人の同居では私が家にいる間は玲は私と過ごす時間を大事にしてくれていた

一緒にご飯を食べて

一緒にお風呂に入って

一緒に寝る

そんな生活を続けていた

家に帰ることがこんなにも楽しみになることになるなんて

夢のような生活だった

幼い頃の家庭は暴言が飛び交う殺伐とした家だったし

拓人と結婚してからも日に日に病んでいく拓人を止めることが出来ずに家にいることが辛くなり夜遊びをして誤魔化す毎日だった

家に帰るのが楽しみなんて気持ち

本当に贅沢なぐらい幸せな気持ちだった

玲が小説を書いている間は相手にしてもらえなくても

人生で今が1番幸せな毎日を過ごしていると自負出来る

それを玲に言うと

「ふふーん!ミナは世界で1番幸せになる女の子だもん!今よりもずっとずっっっと幸せな毎日を過ごせるような素敵な人を絶対に私が見つけてあげるからね!!」

と得意げに答えた

今より幸せになんて想像つかないけれど

玲の言葉は不思議と信じてみたくなる

こんな平穏で楽しい暮らしがずっと続けばいいのに…


いつまでも平穏に日々を過ごしていたかったのに

現実は甘くないようで

トラブルが発生してしまった

「はぁ…玲…またネットで炎上してるわよ…」

玲のインスタの写真が話題になり話に尾鰭がついてついに大炎上している

「え。なんで?」

「玲が純也さんと月に1回出掛けている時の写真をインスタに上げるから!!大炎上してるのよ!!」

「だからなんで?」

「今まで出掛けることなんて全くしなかったくせに!月に1回出掛けている写真を上げるから!!彼氏が出来たとか噂になって大炎上してるのよ!!」

「なにそれ…しょーもない炎上…世の中のバカは本当にくだらないことで騒ぐことが好きなのね…」

「今まで部屋で自分が作った料理とかファンから貰ったパジャマとかをインスタで上げていただけだったのに!!急に熱海温泉に行きました〜とか横浜でイルミネーション見ました〜とか呑気にインスタに写真を上げたりするから!!彼氏が出来たと噂されるのほ当たり前でしょう!?」

「出掛ける機会が少ないから記念に撮った写真をインスタに上げてただけなのに。」

「彼氏ならまだいいわよ!上げてる写真がどこも素人では立ち入ることが出来ないVIP部屋であることが特定されているからパパ活や愛人疑惑が上がっているのよ!!」

「どちらかといえばパパ活や愛人に近いですけどね。」

「ハァ!?ま…まさか体の関係があるの!?」

「いやいやいや!あるわけないじゃない!!おじさんの相手してるってことだけよ!!」

「びっくりした…」

「はぁ…そんな炎上いちいち気にしてたらキリがないよ。ほっとけばいいよ。」

「もうインスタに出かけた写真を上げるのはやめたら?」

「えー?嫌だよ。なんで私が世間にごちゃごちゃ言われた程度でやめなくちゃいけないの?何も悪いことしてないのに。それに炎上したからってやめたらそれこそ怪しくない?堂々とすればいいのよ。」

「誰かに聞かれたら何て答えるのよ。この出かけた写真は誰と行ったのか。」

「よく知らないおじさんと一緒に行ったって言うわ。」

「ダメに決まってるでしょう!?バカ!!火に油を注ぐわよ!!パパ活や愛人疑惑がさらに加速するわよ!!」

「だって事実だし…」

「悪いイメージがこびりつくといい小説を書いても玲のイメージが悪いと売れなくなるわよ!」

「それは困る!!」

「それに…相手が純也さんだと特定されたら愛人疑惑が濃厚になっていく。純也さんのイメージも悪くなるわ。」

「それはいけない!今すぐに出掛けるのをやめましょう!!」

「あんなに玲と月に一度出掛けることにこだわっていた純也さんがこの程度でやめるとは思えないけど。」

「そんなことないですよ。純也さんは仕事至上主義ですから。仕事に影響がありそうなリスクなんてやるわけないじゃないですか。」

「…以前の純也さんならね。今はもう別人よ。純也さんは玲と月に一度のお出かけを人生の楽しみにしている。この程度でやめるとは思えないわ。」

「じゃあどうしましょう。炎上を鎮静化させないとめんどくさいことになりますよね。」

「私に任せて。」

私は玲にXに文書を投稿するように指示する

“この度は私のインスタの写真で世間をお騒がせしてしまい誠に申し訳ございませんでした”

“フランス旅行以降、出掛けることに新たな発見があると気づき、出掛ける機会が増えました”

“たくさんの経験が自分の小説の世界をもっと広げることが出来ると思ったのです”

“月に一度、友人に付き合ってもらい出掛けることにしました”

“私には恋人も愛人関係の人もいないです。パパ活もしておりません”

“友人を詮索することは相手は一般の方なのでご遠慮頂きたいです”

“この度はお騒がせして誠に申し訳ございませんでした”

「この文書をポストしなさい。」

「おお!凄い!!じゃあポストします!!」

玲は私が考えた文書をそのままXに投稿した

すると世間はすぐに反応する

“え。何これ”

“絶対玲ちゃんが考えた文書じゃないよね”

“会社の人からの指示か?”

“でも個人アカウントでポストしてるよ”

“裏で絶対操られてる”

“寧ろAIか?”

と代行で文書を書いたことはあっさりとバレてしまった

ネット民はヒートアップしていき、炎上はさらに加速してしまった

「…炎上を鎮静化するのって大変なのね。」

「バカは騒ぐのが好きなだけですから。」

「これどうしよっか。」

玲は急にカメラを向けてカシャと写真を撮る

私と玲のツーショットだ

玲はその写真をすぐにポストして

“大事なお友達♡”とポストする

私達の写真は瞬く間に話題になり

万バスしてしまった

「一緒に出かけてるのは私じゃないのに…」

「別にこの人と一緒に出掛けるなんて一言も言ってないわ。」

「私の顔バレして特定されたんだけど。」

「いいじゃない。私達は最強の友人だと世の中に知らしめたらいいのよ!!」

「でも一気に恋人疑惑も愛人疑惑も払拭して炎上は無事に鎮静化したようね。」

「バカを騙すのは容易いわね。」

「ひどっ…」

私に対しては天使のように優しいのに

世間に対しては悪魔のように性格が悪かった





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