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第66話 新居

純也さんとの親子関係にこだわって離婚だけは絶対にしたくないと思っていたのに

ミナに出会ってから私は変わってしまった

いや…1番変わったのは真中親子か

拓人も純也さんも仕事人間だったくせに別人のように変わってしまった

今は2人ともすっかり迫田玲の虜だ

2人してスマホの待ち受けを玲にしているのを見ると

馬鹿馬鹿しくなって夢から醒めてしまった

こんな馬鹿2人に囚われることなく

新しい恋をしてみようと

そう決心させてくれたのは他でもない玲だ

“絶対にミナを1番に大切にしてくれる素敵な人を探してあげる!!”

と意気揚々と言ってくるものだから

もう一度だけ希望を持って夢をみたくなってしまった

誰にも愛されることないと思っていたけれど

私にも人から愛されて幸せになれるかもしれないと

私は離婚することにした

「美奈子には辛い結婚生活を強いてしまった。申し訳ない。」

と拓人が言う

私達は最後ぐらい2人で離婚届を出そうと市役所に来ている

「まぁ…それはお互い様よ。」

「美奈子には幸せになって欲しいと思っている。」

「そう。ありがとう。私は拓人は地獄に堕ちればいいと思っているわ。」

「ハハッ…まぁ恨まれても仕方ないことをしたからな。」

「まぁこれで私達は赤の他人だから。今までのことは忘れてあげるわ。拓人に恨みを抱いて生きていくのも馬鹿らしいから。」

「ありがとう。」

私達は離婚届を市役所に届けて無事に離婚することが出来た

「俺は仕事に行くよ。」

「そう。私は今日休日だから家へ帰るわね。」

「あのマンションは解約するから荷物の整理もしていかないとな。」

「そうね。」

「玲の荷物は俺が管理するから。」

「どうして?」

「え…だって俺達が離婚したから俺は玲と堂々と付き合って同棲することが出来るだろう?」

「玲は拓人と一緒に住むと言ったの?」

「いや…これから話すけど…」

「玲は私と一緒に住むと言ってるわよ。」

「ハァ!?何故!?」

「“ミナは寂しがりだから一緒に住んであげる!”って言ってくれたわよ。残念でした〜。玲は私の方が好きなんだって!」

「ふざけるな!何故俺と玲との邪魔をする!!」

「私は邪魔してないわよ。玲が望んだだけ。玲は拓人とよりを戻すつもりなんてないんだから仕方ないわよ。さっさと諦めなさい。」

「やっと離婚出来たのに諦めるわけないだろう…」

「ストーカーでそのうち捕まるわよ。」

「玲は生涯俺にしか恋をしないと言っていた!」

「あっそ。何年前の話なんだか。とにかく玲は私とこれから同居するから玲の荷物は一切触らないでよ。」

「嫌だ!玲は俺と同棲するんだ!!俺も家に帰る!!」

「馬鹿言ってんじゃないわよ!玲は渡さないから!」

「玲だけは譲れない!!」

拓人は仕事をサボり家に帰ってきた

社会人失格だ

「ねぇ!さっさと仕事に行きなさいよ!邪魔!!」

「俺が仕事に行っている間に新居に美奈子と玲の荷物を持って出ていくつもりだろう!?玲に強引に引越しをさせたんだからそれぐらい予想出来る!玲の荷物は渡さない!」

「業者にはもう手配済みなのよ!諦めることね!」

「本人の確認もなしに勝手に持っていかせるなんておかしいだろう!?」

「いいのよ!引越しさえ完了してしまえば玲は私と一緒に住んでくれるんだから!」

「美奈子…もしかして玲が一緒住むと言ったのは嘘なのか?」

「そんなことどうでもいいでしょう?」

「どうでもよくない!玲は俺と住むんだ!絶対に玲の荷物は持っていかせない!」

ピンポーンとベルが鳴り扉が開く

「ほら!業者が来たわよ!諦めなさい!!」

「諦められるか!絶対に玲の荷物は持っていかせないからな!!」


「拓人、美奈子…何をしているんだ?」

扉から入ってきたのは業者ではなく純也さんだった

「純也さんもう帰ってください!私の荷物は絶対に持っていかないでください!!」

と玲も帰ってきた

「純也さん?どうして玲の荷物を持っていこうとしているのですか?」

と私が純也さんに聞く

「玲の荷物を預かっていれば玲は俺から逃げられないからな。」

「絶対に持っていかないでください!ミナ!助けて!!」

と玲が私に懇願する

「…私と玲は同居することにしました。玲の荷物は今から業者が私達の新居に運びます。」

「ダメだ!俺と玲が一緒に住むんだ!新居の手配は済んでいるからいつでも一緒に住むことが出来る!玲!俺と一緒に住もう!」

と拓人が玲に言う

「そんな急に言われても迫田さんは困るだろう?迫田さんには考える時間が必要だ。私が迫田さんの荷物を一時的に預かろう。」

と純也が言う

私達は玲の荷物を誰が預かるかで言い争いを始める

「えっと…ミナと一緒に住みます…」

と玲が言った

「よっしゃあああああああああ!!ざまぁみろ!お前らはただのストーカーなんだよ!バーカ!!1番愛されるのは私なの!!」

と私が勝利の雄叫びをあげる

「そんな!玲!!どうして!!」

「迫田さん!もう少しゆっくり考えた方が…」

「いや…拓人と純也さんの元に行くわけないじゃん…」

ピンポーンと今度こそ業者が部屋へと入ってきた

次々と私の荷物をダンボールに入れて作業する

「玲!!俺と結婚しよう!!美奈子と同居なんてしないで俺と一緒に暮らしてくれ!!」

と拓人はプロポーズを玲にしている

「ごめんなさい。」

「何故だ!!俺達は愛し合っている!!離婚したから俺達に障害はもうないのに!!」

「あのですね…私は小説が1番大事なんです。拓人さんと付き合うのは半年で限界だったと言ったじゃないですか。写真集出してあげたから元気出ましたよね?私の役目は終わりです。」

「嫌だ!!小説が1番大事でもいいから俺と結婚してくれ!ずっと一緒にいたいんだ!俺と同棲しよう!!」

「ごめんね。私、ミナが幸せになるまで側にいてあげたいの。」

「美奈子が幸せになった後は!?」

「えっ…今はまだ考えてないけど…」

「ずっと待ってる!美奈子と同居を解消したら俺と一緒に住もう!!」

「えぇ…」

「約束したからな!!」

「うーん…とりあえず私の荷物も運んで貰えますか?よろしくお願いしますー。」

「美奈子が幸せになったら結婚しよう!!約束したからな!!」

「嫌だけど…」

玲の荷物は私の新居に運び込まれて

私と玲の2人暮らしがこれから始まる

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