表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/75

第63話 大阪城

「何で大阪にいるんですか純也さん…」

私は写真集の握手会を五大都市回る為に大阪に来ていた

「今日が月に一度の遊ぶ約束の日だからだ。」

「私、大阪で仕事だから今回は行けませんって言いましたよね?」

「約束を2回目で反故にするな。」

「仕事だから仕方ないじゃないですか。」

「私は毎日仕事をしているが、月に一度の約束の日だけは休日を取って予定を空けている。」

「そう言われましても…今回は大阪ですし、また来月でもいいじゃないですか。」

「来月の予定も聞いたぞ。来月の月初めは福岡にいるらしいな。」

「何で知ってるんですか?」

「普通に握手会の日程は公表されているからだ。」

「そういえばそうでした。」

「来月も福岡にいるから無理だとか言うんだろ?」

「そうですね。」

「2回も約束を反故にしてそのままなかったことにするつもりだろ!!」

「何かと忙しいので。」

「私は月に12回しか休みを取らない時間を迫田さんに使っているんだぞ!?」

「知りませんよ…ミナとデートに行けばいいじゃないですか。喜んでくれますよ。」

「私は迫田さんとの約束の為に休んでいるんだ!」

「私と出かけても楽しかったことなんてないじゃないすか…」

「無駄な時間も意味があると言ったのは君だ!」

「無駄な時間も意味がありますが、有効な時間の方が意味があると思いませんか?」

「毎日有効な時間を過ごして仕事をしているんだ。無駄な時間を過ごす為にわざわざ休んでいるんだよ!」

「休みの日も有効に使えばいいと言っているんです!もっと楽しく過ごせる相手と出かけるべきです!」

「私がプライベートで楽しく過ごせる相手なんていない。」

「なんて悲しいことを言うんですか…」

「気楽に遊べる相手は迫田さんしかいない。」

「えぇ…パパ活とかしてみたらどうですか?あの人達は人を気分良くさせるプロですよ。」

「乞食が媚びている姿なんて見てられない。」

「なんて酷い表現をするんだ…」

「とにかく!私は迫田さんと大阪で遊ぶ為に高い所が苦手にも関わらずプライベートジェットで飛んで来たんだ!」

「なんて無駄遣いを…」

「約束は守ってもらうぞ。大阪の握手会も1日だけで他の6日間は観光するだけだと聞いたからな。」

「誰がそんな出鱈目を…」

「迫田先生の担当の南さんからだ。出鱈目ではない。確かな情報筋の方に聞いた。」

「チッ…」

「舌打ちするな!」

「だって純也さんと出かけるとミナからヘイト買うんだもん。あまり関わりたくない。」

「美奈子には俺からちゃんと説明しているから大丈夫だ。」

「信用ならないなぁ…」

「わざわざプライベートジェットまで乗って来たんだぞ!!約束の日なんだから私の遊びに行くぞ!どうせ今日は大阪観光の予定だっただろう?」

「はぁ…わかりましたよ…」

「あからさまに嫌な顔をするな!」

「どこに行きたいですか?」

「大阪城。」

「お。いいところ選びますねぇ。」

「そうだろう?今日はつまらなかったなんて言わせないぞ!腹がよじれるほど楽しませてやるからな!」

「フッ。それは楽しみですね。」


私達は車で大阪城へと移動した

「近くで見ると圧巻ですね。昔の人は偉大です。」

「現代人も負けてない。」

「そうでしょうか。私のような怠け者は昔の時代は生きていけなくて野垂れ死ぬと思うので、やはり優秀な人材がたくさんいたと思います。」

「迫田さんなら昔の時代でも小説家として逞しく生きていっていますよ。」

「あら。嬉しいこと言ってくれますね。」

「じゃあ登りますか。」

「え?嘘でしょう?」

「ここまで来たんだ。天守閣に行くぞ。」

「高い所苦手じゃなかったですか?」

「苦手だが、せっかく来たからには入ってみたいだろう?」

「いえ。別に。全く。」

「外に出なければいいから…」

「城なんて外から眺めるのが1番楽しいんですよ。」

「入ってみないとわからないじゃないか。」

「高い所が好きなんて昔の人バカなんですね。」

「さっきと全然違うこと言ってるが…」

純也さんがどうしても行きたいとごねるので仕方なく私も天守閣に登る

もうすぐ夜になるので夕焼けが綺麗だった

「天守閣の中から外を眺めるだけなら空しか見えないので意外と大丈夫ですね。」

「夕日が美しいな。」

「はい。」

「昔の人もこうして仕事を終えた後に夕日を眺めて心を癒していたのだろうか。」

「…。」

「迫田さん?」

「…。」

「あ。小説の世界に入ってしまったか。」

………

「無駄な時間なのにどうしてだろうね。迫田さんと一緒に過ごしているととても価値のある時間に感じるんだ。迫田さんと過ごす時間は一瞬一瞬が鮮明で忘れられない思い出になるんだ。どうしてだろうね。きっと私はこの景色と迫田さんの綺麗な横顔を忘れない。…聞いていないか。小説の世界を思い描く迫田さんの横顔が1番美しいね。」

夕日が沈んでいき、夜の星空が広がっていく

1番星を見つけて眺める

空をこんな風に観察したのはいつぶりだろうか

毎日同じように移り変わるはずなのに

こんなに綺麗なのに見逃していたな

「すみませーーん!天守閣はもう締めますのでご退場お願いしまーーす!!」

係員の人に誘導されて私達は天守閣を出た

「登ってよかったです。空が綺麗でしたね。」

「月が綺麗だったね。」

「ふふ。そうでしたね。」

「今日は楽しかったか?」

「はい。とても楽しかったです。」

私は微笑んで答えた

「…あはは。嬉しいな。また来月も楽しませるように頑張るよ。」

「来月は博多なので中止ですよ。」

「またプライベートジェットに乗って会いに行くさ。」

「私が海外にいても飛んで来そうですね。」

「当たり前だろう?私は約束を守る男だ。地球の裏側にいても会いに行くよ。」

「何それこわ…さすが親子ですね。ストーカーの才能がありますよ。」

「…。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ