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第42話 便利屋

私と山倉さんはホテルへと走っていると

後ろから拓人さんが追いかけてくる

「Au secours!!」

と私が叫ぶと周りの人達が拓人さんを取り押さえてくれた

その際に私達はホテルへと駆け込み私の部屋へ入って鍵を閉める

「ハァハァ…ここまで来れば大丈夫かな。」

「さっきはなんて叫んだんですか?」

「助けて!!って」

「真中さん大丈夫でしょうか…」

「知らない。なんとかなるでしょ。」

「真中さんと迫田先生の関係って何ですか?ファンというには距離が近すぎる気がするんですが…」

「元彼よ。」

「あぁ…なるほど。」

「そして今、愛人関係を迫られているの。」

「マジですか…知りたくなかった…」

「聞いてきたくせに。」

「だってあんな異常に執着して追いかけてくるなんて…こわいですよ。今は仮彼氏ですし聞く権利があると思ったんですよ。」

「仮彼氏の力で拓人さんも私に執着するのやめさせれないかな。」

「絶対無理です。僕が出来るのはナンパ防止だけです。真中さんとは関わりたくないです。」

「こんな可愛い美女が困っているのに助けてくれないの!?」

「僕は自分の人生を守る権利がありますから。貴方達の関係に首を突っ込んで殺されたくありません。」

「今時の若者はリスク管理が出来ていて偉いわね。」

「真中さんめちゃくちゃ恐かったですよ。絶対に関わりたくありません。」

「私はバカだからさぁ。かっこよくて優しくてお金持ちな拓人さんにメロメロになってさぁ。恋人にして貰えてラッキーとか思って付き合って…今はこの様よ。」

「男を見る目がないですね。」

「人を見る目はあると自負しているのに…恋は盲目ね。」

「早く彼氏作って結婚しないと一生付き纏われますよ。」

「えぇ…嘘でしょ…」

「頑張ってくださいね。」

「山倉君どう?私の本当の彼氏になる?」

「絶対に嫌です。殺されたくないです。」

「今まさに私達殺されそうなんだけど、どうする?」

「僕は喜んで迫田先生を差し出します。死にたくありませんから。」

「私はどうなるの!?」

「ご愁傷様です。」

「まだ死にたくないわよ!」

「愛人になればまだ生きれますよ。」

「嫌よ!私は自由に小説を読んだり書いたりしたいだけなのに!!」

「これから先結婚したりする予定がないならいいんじゃないですか?あんな金持ちに買われて生きていけるなら幸せですよ。」

「拓人さんに養って貰わなくても私は稼いでますから必要ないです!」

「いいじゃないですか。お金なんてあればあるほど豊かになりますよ。」

「引き篭もりの小説家がお金なんて使い道ほとんどないのにそんなにお金貰っても仕方ないわよ。」

「生き方が不器用ですね。」

「器用に生きられる人っているの?人生そんなものでしょう?」

「まぁ上手くいかないものですね。自分の人生は。」

「童貞だもんね。」

「まだ若いんですから健全なだけですよ!」

「私も健全に生きてきたはずなのにどうしてこんなことになっちゃったんだろう。悪い男に騙された。」

「はたして騙されたのは迫田先生なのでしょうか。実は騙していたのは迫田先生の方だったりして。」

「私そんなことしてないもん!」

「無意識に男を翻弄しているんですよ。僕は迫田先生の仮彼氏2日目ですけど、すごい悪い女だなって感じますよ。」

「ちょっとからかって遊んだだけじゃん!」

「冗談が効かなくて真中さんはあんな化け物になってしまったんですよ。」

「私のせいじゃない!」

「絶対迫田先生のせいですよ。いいじゃないですか。かっこよくて優しくて金持ちな真中さんにもう一度メロメロになってしまえば解決です。」

「既婚者相手にそんなことできるわけないでしょう!?」


コンコンと扉をノックする音が聞こえる

「玲?いるんだろ?開けてくれよ。」

と拓人さんの声がする

「やばい…どうしよ…」

「僕は関係ないですからね!本当に!!」

コンコンッ

「山倉とか言う男も一緒なのか?」

「ひぃ!!恐すぎますよ!!迫田先生弁明してくださいよ!」

「…わかったわよ。」

私は扉を開けて拓人さんを部屋に入れる

拓人さんは一緒に山倉さんがいることを確認して顔を顰めた

「何故こいつが玲の部屋にいるんだ?」

「私が入れたからだけど。」

「部屋で2人きりなんて危ないだろう!?何かされたか!?」

「何もされてないわよ。」

「彼氏役なんて必要ない!!今すぐに縁を切れ!」

「嫌。」

「…そんなにこの男が気に入ったのか?」

「…いいじゃない。フランス滞在中ぐらい。日本に帰って、私が誰かと連絡を続けて関係を続けるなんて出来るわけないし。今だけの便利屋を使って何が悪いの?」

「まぁ確かにな…。あまり深入りしてこの男を勘違いさせるなよ。本当に彼氏になれるなんて思い上がりを妄想するぞ。」

「拓人さんが恐くてそんなこと出来ないってさ。」

「ハハッ。なかなか利口な男だな。俺の仕事はあと2日で終わるからそれまでだけだぞ!2日目以降は玲と接触するなよ!!」

「わかっていますよ。僕は迫田先生とはあと2日で一切関係ない人間です。」

「わかっているならいい。あまり近づきすぎるな。立場をわきまえて玲を護衛しろよ。」

「はい。わかっています。」

「俺はこれからパーティで挨拶周りをしなくてはいけない。玲、一緒にディナー出来なくてごめん。」

「気にしないでください。仕事頑張ってくださいね。」

「ありがとう。玲。じゃあまた2日後にね。」

そう言って拓人さんは去って行った

「あーぁ。この2日間が一生続けばいいのに。」

「何言ってるんですか。僕より真中さんの愛人の方が幸せですよ。」

「私達は上手くいかなくて別れたのにより戻そうなんて思わないわよ。」

「何で別れたんですか?」

「私は拓人さんは世間体が大事だったし、私は小説が大事だった。それだけだよ。」

「嫌いになって別れたわけじゃないなら諦められない気持ちわかります。」

「彼女も出来たことないくせに。」

「童貞の恋愛話は説得力皆無で悪かったですね。」

「…嫌いになれたら楽になれるのかな。」

「男の趣味悪いですね。僕ならすぐに嫌いになれそうですよ。」

「…フフッ。確かに。」


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