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第30話 打ち合わせ

「明日、写真集の打ち合わせがありますので会議室に13時に来てください。」

「え?自宅待機中ですよ?」

「自宅待機はもう1週間経ちましたのでもういいです。」

「働きたくない。」

「社会人は毎日働いてますよ。27歳にもなって恥ずかしいこと言わないでください。」

「人様に顔向け出来ない生活してて今更恥なんて気にするわけないじゃないですか。」

「立派な小説家じゃないですか…」

「ほぼニートですよ。」

「我が社1番の稼ぎ頭の小説家ですよ!」

「顔売りしてる炎上商法の小説家だからね。」

「迫田先生の小説は毎回素晴らしいです!顔売りの炎上商法だけで売れるわけないでしょう!?小説なんて面白くないと売れません!高校生から10年間売れ続けている小説家です。一過性の人気ならすぐに消えてます。迫田先生の小説を世間は評価しています。」

「えー。そうかなー?」

「そうです。誹謗中傷なんて気にしないでください。」

「えへへ…」

「じゃあ明日お持ちしてますから。」

「え。」

ピッと電話は切れてしまった

写真集の打ち合わせなんて何回もやるものなの?

なんでもいいから適当に決めて早く撮って終わらせたい

小説以外の仕事をするだけでストレスが半端ない

いつもは家でゴロゴロ出来るのに

はぁ…明日スタジオで全部撮って終わらせてくれないかな


翌日、私は会議室に向かう

「こんにちは!迫田先生!今日も美しいですね!」

「こんにちは。」

「本日はお忙しい中お時間頂きありがとうございます。」

「いえ。家でゴロゴロしてるだけだったので、たまには働かないといけませんので。」

「自宅で働くのは気持ちの切り替え等大変そうですね。私は家に仕事を持ち込まないタイプなので自宅で仕事が出来る迫田先生はすごいです。」

「私は締切ギリギリになってやるしかない状況に追い込まれてやっと小説を書き始めるので…気持ちの切り替えは全く出来ないタイプです。」

「あはは!私は夏休みの宿題は早くに終わらせて遊びまくるタイプでしたから気持ちわかりますよ!」

「そんな人間強者と同じなわけないじゃないですか。私は夏休みの終わる前日に泣きながら全てやる人間弱者ですよ。」

「遊べる期間が長くなりますから!同じですよ!」

「先にやるか後になるかでは全く違いますよ。」

「結果的に提出するときには関係ないですから。間に合わせることが出来るなら凄いですよ。」

「コツコツ努力している人間がやっぱり1番凄いと思いますね。結果は同じ宿題を提出しているけれど…毎日努力できるやつらには一生敵わないと思ってしまいます。」

「わかります。私も毎日やるのは効率が悪く感じてしまって…先に全て終わらせたいんですよね。日々の積み重ねが大事だと今になって凄く感じます。」

「効率厨の方が仕事はやりやすいのでは?」

「仕事はね。家庭では効率よりも、気持ちを気遣ったり日々の暮らしに感謝を伝えたりしないといかないのに…なかなか上手くいかないです。」

「人生の順風満帆って難しいですね。」

「フフッ。そうですね。」

「今日の打ち合わせは何を決めるんですか?」

「あ!すみません。要件を先に言わずに雑談してしまって…スポンサーがついたことでお金に余裕が出来たので海外ロケなんかいかがでしょうか。」

「絶対嫌です。」

「え!何故ですか!?」

「日本が好きです。大日本帝国万歳。日本から出たくないです。」

「海外には行ったことないですか?」

「はい。」

「それなら行ってみましょうよ!こんな機会にしか海外なんて行けませんから!」

「絶対嫌!!海外なんてこわい!!」

「治安のいい場所を選んで頂ければ大丈夫ですよ。」

「日本が1番治安がいいの!適当に近くのスタジオで撮ればいいじゃないですか!」

「待望の写真集ですから!豪華にいきましょうよ!」

「迫田先生…海外なんて行く機会今回しかありませんよ。行きましょうよ。」

と担当の南さんが言う

「必要ないです。日本が1番映えます。日本が最高です。着物とか浴衣とかが結局1番日本人に合って似合うんですから。海外の民族衣装を着ても似合いませんよ。」

「迫田先生ならなんでも似合いますって。」

「私は成人式の着物を着た時に、千年に1人の逸材だって言われたのよ?着物でいいじゃない。日本が1番なの!」

「まぁ着物も別で着せますけど…海外ロケでもいつもと違う迫田先生の姿を見せてもいいんじゃないですか?」

「やだ!行きたくない!日本で十分!!」

「迫田先生…豪華客船に乗っただけで大ヒット作を生み出しましたよね。海外なんて言ったらいつもと違う刺激を受けて面白い作品が書けると思いませんか?」

「そ…それは…」

「日本じゃ経験できない世界を見ることでいい作品作りにも繋がると思いますよ。」

「う…」

「お金は気にせず好きな国を選んでいいと言われているんです。こんな機会滅多にないですよ?」

「…ヨーロッパ。」

「お?いいですね!行きましょうよ!!」

「うぅ…でも長時間かかるし…パスポート取るのもめんどくさいし…」

「人生に一度だけですって!こんな機会!これから先どうせ引き篭もって死ぬまで小説書くしかやらないんだから!」

「まぁ…そうかもしれないですけど…」

「ヨーロッパに2週間ぐらい滞在して旅行がてら撮影すればいいですよ!」

「そんなに長期間旅行するの!?」

「人生に一度だけですから!ね!西洋の本場の雰囲気を味わうことで西洋風の小説も書きやすくなると思いませんか?ファンタジー系も書くことが多いからいい刺激になりますよ!」

「西洋ファンタジー書いてみたいんだよね…」

「ほらほら!現地で見て刺激になったらいい作品書けますよ!ね!迫田先生!!」

「…わかった。人生で一度しかないだろうしヨーロッパに海外ロケ行く。」

「やったぁ!!ヨーロッパ旅行だぁ!!」

南さんは海外出張で喜んでいるようにしか見えないけど…

まぁいっか



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