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第3話 ガチ恋勢

「もうちょっと説明してから会わせて下さいよ!怖すぎましたよ!!なんですかあの部屋!!私の小説のポストカードが壁と天上に貼り付けられてて怖すぎましたよ!」

 「貴方と付き合った時の思い出も写真も貼ってあるわよ?」

 「そんなの見る余裕無かったですよ!怖すぎて……もう主治医の先生の服引っ張りまくってたのに!!全然!助けてくれないんだもん!!」

 「何見ても驚くなって言われたじゃない。」

 「無理ですよ!自分の写真を一面に貼られて驚かない人間なんていません!!」

 「それで?何話したの?」

 「先生が拓人さんに話しかけて…迫田玲さんがお見舞いに来てくれましたよーって」

 「うんうん。」

 「それで顔上げて目が合ったんです。そしたら急に拓人さんめちゃくちゃ泣き出して。」

 「四年越しにようやく会えた愛しの人だからねぇ〜。泣くほど喜んでくれて良かったわ〜。探偵雇って探した苦労が報われるわ〜。」

 「その愛しの迫田が美化されすぎてて怖いですよ!四年前と全然違うのに!ただのキモヲタなのに!!」

 「インスタでヒナくんのオタ活してるんでしょ?」

 「ひゃあああああ!なんで見てるんですか!?」

 「貴方のファンなの。」

 「絶対嘘じゃないですか!」

 「まぁそんな話はどうでもいいのよ。それで?拓人はどうだったの?」

 「泣きながら話しかけてきて、抱きつかれたんですけれどもうぐちゃぐちゃになりすぎてて、何言ってるかわかんなくて…。主治医の先生の服はずっと引っ張ってるのに全然助けてくれなくて…。」

 「アハハ!!」

 「もう私どうしていいのかわからなくて…たくさん小説買ってくれてありがとうございます。これからも応援よろしくお願いします。って言っちゃって…。」

 「アハハハハハハハハハ!!ガチ恋勢のあしらい方じゃねーか!!」

 「それで泣きながらまたポストカード入りの小説出して下さいって言われて…。」

 「アハハハハハハハハハ!!拓人もただのガチ恋勢じゃない!!!」

 「あの…もうポストカード入りは出さないんですけれど…って言ったらまた大泣きしだして…」

 「アハハハハハハハハハハ!!」

 「それでやばい!このまま泣いて死ぬんじゃないかってめっちゃ焦って!!多分写真集を出すので…って言ったら奇声をあげて倒れそうになっちゃって…。」

 「ガチ恋勢ってこわい生き物ね…。笑いすぎてお腹いた…。」

 「それで主治医の先生が対応して落ち着かせてくれて…。元気になるように頑張ってくださいねって伝えてそしたら写真集の為にまた頑張りますって……」

 「おぉー!!」

 「それで部屋を出ようとしたら手を掴まれて、また会いに来て欲しいって言われて、元気に仕事が出来るようになったらまた来ますって言って…。」

 「おおーーーー!凄すぎる!流石だよ!予想以上の仕事をしてくれたね!!」

 「ほんとにこれで良かったんですかね…?」

 「十分すぎるよ!ほんとにありがとう!」

 「私、写真集の仕事断ってたのに…これやらないとダメですかね…?」

 「待ってるファンが泣いちゃうからね。」

 「写真集とか出す歳じゃないのに…。もう二十八歳ですよ?需要なんかあるわけないじゃないですか…。世間からバカにされて叩かれますよ…。」

 「貴方にはガチ恋勢がついてるからそいつらが大量に買うから売れるでしょ。拓人はまた一万冊は買うと思うわよ。」

 「やりたくない…。」

 「ガチ恋勢の相手するのも大変ね〜。」

 「とにかく写真集出して、拓人さんが元気になったら私の罪滅ぼしは終わりでいいですよね?」

 「そのまま愛人に…。」

 「なりません。」

 「なによ。付き合ってる人とか結婚考えてる人がいないんだからいいじゃない。ヒナくんの推し活してるだけの気持ち悪いヲタクのクセに。」

 「うるさいな!気持ち悪くても推してる時間が幸せなんだからいいんです!!」

 「性欲はどうしてんのよ?ヒナくんの同人?」

 「な、なんてことを聞いてるんですか!!変態!!」

 「ヒナくんの同人で自慰してる変態。」

 「うるさーい!!別に誰も迷惑掛けてないんだから良いでしょ!?」

 「だから拓人とやれば健全な女子になれるわよ?」

 「既婚者とやるやつは健全ではないです!」

 「容認だから問題ないのに。」

 「そんなこと結婚前に容認するから変になるんですよ!今からでも話し合ってルール改定して下さい!」

 「嫌よ。私は気に入ってるもの。あっちが壊れていっただけで。」

 「じゃあ…拓人さんに新しい恋人を作ればいいんじゃないですか?私はもう若くないし、若くて可愛い女の子なんて選びたい放題じゃないですか…。」

 「貴方以外には勃たないってさ。」

 「嘘くさ〜。」

 「それは私も嘘臭いなとは思ってるけどさ。」

 「ほんとに私も遊び相手でしかなかったのに四年間で絶対妄想だけが膨らんでますよ。」

 「そうかもね。とりあえず連絡先教えてよ。元気に仕事が出来たらまた会うんでしょ?」

 「はぁ……。仕方ないですね……。」

 そう言って私は美奈子さんと連絡先を交換して自宅へ帰った。早く引き篭ってオタ活したい…。

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