第17話 家政婦
私は何故か真中家で暫く住むことになった。自分でこれから新しい新居を探しに行かないといけないなんて…めんどくさすぎる…。私はその日、空き部屋になっていた部屋に全ての私物が入り、今日からこの部屋が私の部屋になった。信じられない現実に耐えられず、久しぶりに会うヒナくんに癒して貰いながら、現実逃避をするように小説を書いた。ミナさんの小説は夜には出来上がり、その日は夜寝ることが出来た。
「おはようございます。」
「あら、おはよう。堕落した生活のくせに朝起きれるのね。」
「…今日はたまたまです…。」
「そう。」
「おはよう。玲。」
「おはようございます。拓人さん。暫く何故か一緒に暮らすことになりました。よろしくお願いします。」
「玲と一緒に暮らせて嬉しいよ。」
「私は不安しかありません…。」
「私達三人で仲良く暮らしましょうね。皆で朝食なんて幸先いいじゃない。」
「そうですね…。ここの朝食は家政婦さんの手作りですか?」
「そうよ。今は休憩させてるから隣の部屋で過ごしてるけど。」
「え?隣に住んでるんですか?」
「いいえ。家は別の場所よ。私が家政婦の休憩場所として隣の部屋も契約して使ってるだけ。」
「ただの休憩場所が隣の部屋ってことですか?」
「そうよ。だってずっと居られると気が休まらないんだもの。いつも朝食作って休憩させて、私たちが出て行った後に洗濯や部屋の掃除をしてくれてるようになってるわ。」
「はえー。凄いですね。」
「玲のことも暫く一緒に住む同居人として報告してあるから大丈夫よ。勝手に入ったり出たりするから気にしなくていいわよ。」
「わかりました。」
それからミナと拓人さんは仕事に行ってしまった。私はこの部屋で今日から過ごすことになったけれど本当に私物が全部あるから前の部屋と全然変わらないのが少し怖くもある。この部屋は前の部屋と変わらず違和感なく過ごせてしまう。凄く歪な同居生活のはずなのに。
ガチャと扉が開く音がする。凄く綺麗な五十代ぐらいの女性が入ってきた。あの人がこの家の家政婦さんか。一応初めて会うし、挨拶した方がいいよね。
「こんにちは。」
「きゃ!!」
女性は驚いて尻餅をついてしまった。
「ごめんなさい。驚かせてしまって…。初めまして私ここで暫く同居することになった迫田玲と申します。よろしくお願い致します。」
「あ、すみません。この家で初めて話しかけられたもので…驚いてしまいました…。私はここで家政婦をしている鈴木雅子です。よろしくお願い致します。」
「鈴木さんが今日の朝食を作ったのですか?」
「はい。お口に合いましたか。」
「はい!とっても美味しかったです。見た目も綺麗にオシャレにされてて凄いですね!流石プロって感じです!」
「ありがとうございます…。毎日作っているのですが、依頼主と会うことはないので褒めて頂きとても嬉しいです。」
「毎日こんなに素晴らしい料理作ってるのにひどいですね!」
「でも相場の倍は給料を頂いているので満足しています。」
「お休みの日はないんですか?」
「一応頂いてはいますが、仕事する方が気分が紛れますから。ここは気に入っているんですよ。」
「ほとんど一人で家政婦されてるなんて凄いですね!私なんてすぐにサボってしまうから…」
「フフフッ人には得意不得意がありますから。デスクワークなんて私にはとても出来る気がしませんから。この職があって本当に良かったです。」
「私は不得意なことが多すぎてもう大変ですよぉ〜。あ、でも料理は好きで毎日自炊してたんですよ!」
「素晴らしいですね。」
「食べることは好きなんです!流石に朝食は作る気力ないからパン食べたり
朝食は抜いたりしてましたけどね。昼食と夕食は作って食べてましたよ。」
「そうなんですね。何がお好きですか?今日の昼食はリクエスト通りに作りましょうか?」
「え!じゃあオムライスとかいいですか?」
「はい。オムライスなら材料もありますから出来ますよ。」
「ありがとうございます!」
「いえいえ。」
「あの…オムライス作るの見てていいですか?私も上手に作れるようになりたくて。」
「構いませんが、緊張しますね。オムライスはそんなに得意な料理ではないので…。」
「いやいやいや!朝からオシャレフルコース作れるんですから〜プロですよ!プロ!楽しみにしてますね!!」
「ハードルが上がっていて緊張します…。」
その後、鈴木さんは掃除と洗濯を終わらせて、私は引き篭もってYouTube見てて、昼食を作る時間になったので、隣で見学した。凄い!!めちゃくちゃフワトロのオムライス!!
「すごーー!い!美味しそう!!ありがとうございます!」
「緊張しました…。気にって頂いてよかったです…。」
「鈴木さん私に料理教えてくれませんか?追加料金ほ私が払いますので!」
「いえいえ!今も十分頂いてますから…。」
「そう言わず!お願いします!」
「わかりました…。」
「わーい!!ありがとうございます!!」




