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第13話 守る為に

水着なんて絶対ダメに決まってるだろうが!玲の競泳水着なんて俺も見たことないのにジムのプールで着てるだと?油断してた。玲は滅多に外に出たがらないから家にずっと引き篭ってると思っていたのに!玲のインスタは自宅の写真しか上がらないし、てっきりずっと家に居ると思っていたのに…。そんなに危ないことをしているなんて!俺が助けてあげないと!玲の通ってるジムをまずは探し出して…

 「真中さん。そろそろ仕事に戻って下さい。」

 「烏丸何故ここにいる?今日は休みだと伝えたはずだ!」

 烏丸は俺の側近で仕事を支えている男の秘書だ。

 「美奈子さんに教えて貰ったのです。家に居ないならおそらくここで写真集の打ち合わせに来ていると。」

 「余計なことしやがって…。」

 「とても有能な奥様でこちらは助かります。玲さんのことは忘れて仕事に戻りましょう。」

 「玲の好みのタイプが仕事が出来る男じゃなかったら今すぐ辞めて玲の側にいれるのに!」

 「それはそれは。残念でしたね。こんな所でサボってる男は玲さんに嫌われますよ?」

 「今日は有給だ!」

 「無理ですよ…。ただでさえ先月精神的におかしくなり一ヵ月ぐらい休んだのに…。」

 「また精神がおかしくなったんだ!」

 「たしかにおかしくはなってますけど…元気いっぱいじゃないですか。休養はもう必要なさそうですよ。早く仕事して下さい。」

 「俺は水着の写真を阻止する役目があるんだ!」

 「大の大人が恥ずかしい…。一人の女にこんなに執着して…そんなことして迫田さんが喜ぶわけないじゃないですか。」

 「これは玲を守る為なんだ!」

 「迫田さんは必要ないようですが…。」

 「玲はいろんな変態に好かれやすいんだ!俺が守ってやらないと!」

 「真中さんが一番厄介な変態なのでは…」

 「違う!玲と俺は愛し合ってるんだ!!」

 「………。」

 「わかったなら仕事に戻れ!俺は使命を果たす!」

 「私も真中さんを仕事場に戻す使命を受けているので。」

 「お前の雇い主は俺だろう?誰の指示で動いているんだ?」

 「もちろん美奈子さんですよ…。お父様にこんな醜態がバレる前に帰りましょう…。」

 「父には離婚して玲と結婚するとちゃんと説明する!」

 「そんなことお父様が許すわけないじゃないですか…。」

 「許されなかったら玲と駆け落ちするだけだ。」

 「そんな夢物語語ってないで…もう仕事に戻りましょうよ。」

 「夢物語ではない。たしかに玲は俺が好きだと言ってくれたんだ!だから…今度こそ絶対に諦められない!」

 「わかりました。わかりましたよ!では今の状況はどうですか?玲さんに打ち合わせから追い出されて今の真中さんは好かれると思いますか?」

 「それは…玲は恥ずかしがり屋だから…」

 「恥ずかしがり屋が水着オッケーにしますかね?」

 「お前!!玲をビッチ呼ばわりするつもりか!?」

 俺は烏丸の胸ぐらを掴む。

 「や、辞めて下さいよ!そんなこと一言も言ってないです!!」

 「玲を悪く言う奴は許さない…。」

 「そんなこと言ってないです!」

 俺は烏丸を離した。

 「はぁ…冷静になって下さい。水着は今決定して撮影が始まったとしてもまだ発売まで時間があります。圧力を掛ければ止めることは出来ますよ。」

 「そうか…そうだな。」

 「今は好かれる男になること。好感度を上げることの方が重要なのではないでしょうか。ここで騒いでいると嫌われてしまいますよ。」

 「確かにそうかもしれない…。」

 「仕事で結果を残す方が好かれますよ?仕事が出来る男が玲さん好きなのでしょう?」

 「そうだ。努力家で仕事が成功するやつが好きだと…。」

 「じゃあ仕事しましょう。」

 「美奈子も…美奈子も仕事で成功してるタイプだよな…。」

 「え?勿論!!美奈子さんは素晴らしいですよ。私達よりも今勢いあって業績上げてますからね〜。」

 「だからか…?」

 「どうしたんですか?」

 「玲が言ったんだよ。俺よりも玲が好きだって。」

 「え?は?美奈子さんが好きなんですか?迫田さん??」

 「仕事出来るやつがやっぱり好みなんだ…。」

 「美奈子さんとそんなに仲良くなるなんて珍しいですね。」

 「仕事行くぞ。」

 「え!?やる気になってくれました?」

 「美奈子に負けるわけにはいかない。玲は俺のものだ。」

 「そうですね!頑張って下さい!」

 そして俺は仕事場に戻った。美奈子は昔から要領のいい奴だった。今回玲を連れてきてくれたことには感謝しているが、まさか玲を味方につけるようなことをするとは。玲が美奈子に懐いている状態では美奈子の思う壺だ。玲を美奈子から引き離して俺の元に戻すには仕事することと、美奈子を行動に気をつけることだ。美奈子は何故頑なに離婚をしないのか。ちゃんと話し合いをするべきだな。

 俺は美奈子に電話をする。

 「はい。」

 「話がある。今日時間作れ。」

 「何。その命令口調。亭主関白なんて今の時代古いわよ。」

 「いいから。何時から空いてる。」

 「…今日は定時に上がるわ。十九時には話し合いが出来るわよ。」

 「わかった。家で話そう。」

 「待って。家は業者が来るから外で話しましょう。」

 「業者?なんの?」

 「引越し業者。」

 

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