第11話 起床
ピピピーとスマホのアラームが鳴る。私はアラームを消して起きると
「おはよう。玲。」
「…おはようございます。」
「じゃあ打ち合わせ行こうか。」
「ずっとここにいたの?」
「うん。」
「何もしてない?」
「うん。」
「……。」
「して欲しかった?」
「ち、違います!!」
「ハハハッ。ホントに可愛いね。」
「わ、私、服昨日のドレスしかないんですけど…何か借りれる服ありますか?」
「それなら俺が玲が来て欲しいと思って買った服があるからそれを着るといいよ。」
「え?今買ったんですか?お金は…」
「今はずっとここにいたよ。この服を買ったのは二年前ぐらいからかな?」
「え?」
「似合いそうな服があったからつい買ったんだ。」
二年前なら私達が別れて二年程経った時なのに…。私に似合いそうだから買った?
「たくさんあるから選んでね。」
「たくさんあるの!?」
「たくさんと言っても三十着ぐらいだけど…。」
「私のクローゼットの服より多いよ!」
そう言われて目の前に三十着の服を用意された。どれも清純派なワンピースばかりだ。拓人さんって清純派が好みだったんだ…。胸の大きい派手系の女性が好きだと思ってたのに。てゆうか私清純派だと思われてる?処女だったから?ただのキモオタニートなのに。
「じゃあこれで…。」
私は黒のまだ着れそうなワンピースを選んだ。
「あ!それにする!?絶対似合うと思ったんだ!!」
「そうですか…?」
「うん!」
テンションが爆上がりしている…。私は拓人さんを部屋から出て行かせて着替える。着替えが終わり、拓人さんを呼ぶ。
「着替えました…。すみません。貸して頂いてありがとうございます。」
「すごい…めっちゃ可愛い…。」
「は、恥ずかしいです…。やめて下さい…。」
「あー抱きしめたい。抱きしめていい?」
「だ、だめです!」
「フフッ。わかったよ。」
「じゃあ私は行きますね…。」
「あ、待って。靴とアクセサリーとバックも選んでよ。」
「いらないです。」
「そんなこと言わないでよ。玲のために買ったんだから。ね。」
「それはミナに渡したら?私と拓人さんはもう、赤の他人なんだから。」
「玲に似合うと思ったんだ。」
「ミナは美人だからなんでも似合いますよ。」
「…随分と美奈子を気に入ってるんだな。」
「友達ですから。」
「美奈子のどこが気に入ったの?」
「そりゃあ美人だし、巨乳だし、ツンデレだしなにより…私の小説を好きって言ってくれるから。」
「なに?小説読んでるやつはみんな好きになるの?」
「少なくても嫌いにはならないけどね。嬉しいから。」
「…俺は読んでないから美奈子の方が好きなの?」
「そう言うわけじゃないけど。小説は私の全てだし宝物なの。私の魂の作品なの。だから読んでない拓人さんは私の何を好きなのか全然わからないって言う気持ちはあるよ。」
「小説が全てだから嫌いなんだよ。玲は俺よりも小説を大事にしているからね。だから小説は大嫌い。」
「そっちこそ。私より仕事と家が大事だったじゃない。」
「もうそんなことはしないよ。玲を失って気がついたんだ。玲より大切なものはないんだって。」
「結婚してる人間が口説いてんじゃないわよ。」
「美奈子とは離婚する。だからもう一度やり直して欲しい。」
「ミナは離婚する気ないみたいだけど?」
「夫婦関係は完全に壊れてるんだ。離婚調停になれば離婚は成立するよ。」
「はぁ。だからさぁ。ミナの気持ちとか意見を聞いて決めなさいよ。自分勝手すぎるよ。なんでミナは離婚したくないんだと思う?」
「家の体裁を守るとか会社を守る為だろ?そんなものは離婚後フォローすればどうにでもなるから。美奈子の不利益になるようなことはしない。だから安心して。もう一度やり直そう。」
「フフフッ。私の小説でも読んで洞察力の勉強でもしたらどう?物事の見方が浅い。表面だけ取り繕っても上手くいくわけないわよ。私はミナが離婚に同意するとは思えない。」
「…何か知ってるのか?」
「さぁ?それはミナから聞くべきじゃない?貴方達に足りないのは圧倒的に話し合い。ちゃんとミナの話聞いてあげてね。」
「玲は美奈子の味方なのか?」
「当たり前でしょ?大人しく観念して夫婦関係よくした方がいいわよ。」
「そんなことできるわけないだろう?玲は俺達の四年間の結婚生活を何も見てないからそんなことが言えるんだ。」
「人はね。相手がこうして欲しいとかこんな風に変わって欲しいとかあるじゃない?でも相手の性格を変えるって出来ないのよ。一番手っ取り早いのは自分が変わること。自分が変われば相手も変わる。拓人さんは美奈子さんのこと大事にしてあげたら貴方達は上手くいくわ。きっかけなんてそんなもん。変われないと思うから変われないだけ。変わろうとすれば意外とガラッと変わるんだから。」
「玲は俺のこと好きだよな?」
「好きだけど。それとは関係ない。もう私達は四年前に終わったの。」
「関係あるよ。諦められるわけないだろう?四年間俺達の気持ちは変わらなかったんだ。俺は玲が一緒ならなんでもいいんだ。他には何もいらない。」
「それって自分勝手すぎるよ。拓人さんは四年前、私じゃなくてミナを選んで結婚した。それが全て。」
「……絶対離婚するから。」
「やれるものなら。」
「できるよ。玲の為ならなんでもね。」
「はぁ。ミナの為にして欲しいよ…。じゃあ私もう写真集の打ち合わせ行くから。」
「俺も一緒に行くよ。」
「は?ダメに決まってるじゃん。」
「スポンサーになるよ。」
「お断りします。」
「断るメリットないと思うけど?」
「元彼をスポンサーにするバカはいないわよ!いいから来ないで!」
「わかったよ。勝手に着いていくから。」
「自分勝手すぎる!!本当に嫌い!!!」




