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初めての戦闘?


 そんな感じで探検してまして、森の中。


 周囲には苔などが生えており、空気もどこか湿っているあの有名作品、◯◯◯◯姫に出てきそうな場所。


 私はここにいるよー!


 万能触手を出しっぱなしにするのにも、ほぼ抵抗がなくなってきました。


 可愛いし、有能だからね。


 け・ど・も! 非常に困った。


 なんで困っているかって?!


 それはフラグを見事に回収しちゃったからですよね!


 私の目の前には、あの転生したら○◯◯◯だったで有名な魔物がいるんですから。


 ど、どどどどうする!?

 万能触手パーフェクトパラサイトちゃんで挑む?


 ※万能触手に”ちゃん”を付けたのは、ただの癖です。ほら、可愛くなっちゃうとついつい、名前の後に「~ちゃん」って付けてしまうあれです! あれ! ま、ともかくスルーでいきましょう。


 もし、挑んだとして……いやいや、無理だよね!


 いくらレベルアップしたからって、当たりそうにないし、それに当たったとしても……なんかグロそうだよね……。


 干からびたスライムとか、見たくないし。


 というか、どんな魔物も干からびた姿を目にしたくはないけど。


 いや、でもこの世界に来て初めて目にする魔物がスライムかー。


 あ……スライムって言ってしまった……。


 コホン、コホン。


 気を取り直して。


 何にしてもなんだろう、ちょっと嬉しいよねー。


 昔っから、有名な魔物なんだから。


 って、あれ?


 スライムがプリンみたいなぷるるんと揺れる体を跳ねさせながら、近づいてきた。



 ――ポニョンポニョン。



「プキュプキュ」


 真っ直ぐ迷いなく向かってくるんですけど。


 えっ、対話ですか?! 対話ならおなしゃすです!


 というか、なんですか? その可愛い鳴き声は!


 これじゃ、やっぱり攻撃できないやー。


 って、どうやって鳴いているんですか!?


 私と同じように声帯ないですよね?



 ――ぺちょん。



 あ、のしかかられた。


《冷たっ》



 ――むにょん。



 ん? 少し視界が歪んで見えるし、青みがかっている。


 うん……どうやら私はスライムの中にいるようだ。


 でも、なんだろう。


 この現代社会では味わえない、ひんやりモチっとした独特な肉感に、○○○○君みたいなソーダっぽい匂い。


《ここに癒やしがあったってことかぁ……》


 でも、待てよ……。

 これってスライムお得意の捕食ってやつじゃないか!?


『《体力が10減りました、残りの体力は190です》』


 えっ!? めかりんさんやい!

 私、やっぱり食われているの?!


 うそうそ! ちょっと待ってよー!


 ――パキパキパキ……。


 ん? なんの音?


 あれ……つめ……たい?


 いや……なんか痛い。


 自分のおしゃぶりに目を向ける。


《あ、溶けているし……なんか凍っている……?》


 まさかの! 柔らかいデリケートゾーンである、天然素材100%のゴムの部分が溶けてきており、子グマが描かれている持ち手部分は凍り始めていた。


 いやいや、冷静に解説している場合じゃないよね!


 ちょ、ちょちょっとぉぉぉー!

 どうします?!

 どうしたらいいんでしょうかぁぁぁー!?

 誰か助けてぇぇぇぇー!


『《状態異常となりました。継続的に体力が減少し続けます。外敵からの攻撃により、体力10減りました。総体力10%のダメージを受けた為、発動条件達成しました。【対生物用スキル、寄生レベル4】発動します》』


 はひ?! 異常状態?! 

 そうですね! 溶けてますし、凍ってますから!


 って、な……なんですか!? 対生物用スキルって!


 知らないんですけど! 聞いてないんですけど!


 急に私の体がひかり出す。


 でえぇぇぇぇぇー!

 配信者もびっくりの高輝度LED照明もすら凌ぐ輝きぃぃぃー!


 しかも、体が熱い。なにこれ?


 あ……やったぁぁぁぁー!


 氷融けてるぅぅぅぅー!


 助かったぁぁぁー!


 こ、これってもしかして、あの有名な存在進化ランクアップみたいなもの?!


 えっ!? でも、レベルアップすらしてないよ?


 なーんて考えていたのも束の間。


 私の体は更に輝きを増して、太陽もびっくりな感じとなっていた。


 もう眩しくて直視できない。


 けど、どうやら万能触手ちゃんが攻撃をして、スライムにもダメージを与えているようだ。



 ――ジュウゥゥ。



 熱したフライパンに水を垂らしたような音が鳴る。



「プキュゥゥー!」



 ――ぷにょん、ぺちょん、ぺちょん!



 万能触手ちゃんが動く度にスライムが暴れているよぉぉー!


 なんかごめんね! でも、私がしたくてしたわけじゃないんだよぉぉー!


 にしても、ほぅぅぅぅぅぃぃぃぃぃー!


 あつぃぃぃぃぃぃぃぃぃー!


 す、姿が変わるのかな?


 ど、ど、どどうしよう! 苦しんでるスライムには悪いけど、期待しちゃうよね!


 イケメン、いや、美女!


 ……いや、もう何でもいいです! 姿を変えて下さい!


 すみません、嘘です!


 どうせなら、いい姿になりたいです。


 イケメンorイケビジョ+二足歩行出来るような存在とか。


 ついでに、背中に翼が生えて飛べるようになるとか。


 なんかそう凄い存在に。


 お願いしまぁぁぁーすぅぅぅ!


 私は乞い願い奉った。

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― 新着の感想 ―
[良い点] あぁーっ!最初の戦闘がスライムで、簡単に倒せるかな?と期待したけれど、取り込まれてぷにょぷにょを楽しんでいるうちに溶かされそうになってるーーーーー!!(; ゜Д゜)
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