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無題

作者: 文月優

紫がかった夜空に揺らぐ極彩色のオーロラの波。赤や緑や黄色や青、様々な色が濃淡をもって波を形成していた。色に満ちる暗い空とは対照的に、地上には真っ暗な海と色褪せた白い砂浜が広がっている。沖合には帆船がポツリポツリと漂っていて、砂浜には焚き火が音を立てることなく燃えている。傍にはひとりの人がぼんやり俯いて座っているが、火も人も砂浜と同じで色褪せて白く感じる。空には確かに色が感じられるのに、地上は何もかもが色褪せている光景が妙に印象的で頭に残った。


地下鉄の駅のホームでひとり壁ぎわの椅子に座っている。誰もいない広い場所で、たまに電車が来ては去っていく。誰も降りることはないが、電車の中にはイメージが乗っている。いつのまにか電車に乗ってしまってイメージに囚われてしまうことがあるが、それに気づいた時に電車から降りればいいのだ。そしてその電車が去るのを見送ってまた壁際の椅子に寄りかかる。そしてまた私は呼吸をする。


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