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巻き込まれ召喚されましたが、要らないので返品されました  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第一章
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8 本当の運?

 いや、魔法格闘家(見習い)って無茶振り過ぎ。

 そのくせ職業浪人とか、そっちは無職でいいから。


 で、偽装の件は正解ってことだな。

 そうじゃないと今レベルアップした辻褄が合わない。


 スキル【認識】は……この事は知らされてないんだろう。

(うむ)


 しかし、何をするにしても初期値全て1では不利過ぎでは?


(勇者職の初期値は平均10じゃ。

 魔法特化の大魔法士などなら体力5の魔力15。

 伸びも同じじゃな)


 それなら特化部分は差がつく、しかし……。

 結局総合力は大して変わらない、追いつけるって事か。


 召喚に介入したのはなぜ?

 ラノベでよくある、勇者は騙されて利用されるパターンか。

 いや、絶 対 行かないけど気になるから。


(いや魔族の嘘の脅威を植えつけたのは教会の一部じゃ。

 姫、いや王女もその一族も人格者じゃぞ。

 王女は魔法学を必死に極めてのう、あの召喚士をやっと……)


 分かった、もういいから。

 ちょっと気になっただけだから。



(しかしのう……お前さんで良かった。

 送り返されなければ万々歳じゃったが)


 僕で良かった?

 確かにいきなり強盗とかしないけどさ。

 そんなの普通だし。


(まあ良い。

 なるようになる、ケセラセラじゃな。

 運が良いという本当の意味をもう一度考えることじゃ。

 では、またいつか話せるのを楽しみにしとるぞい)


 消えた。

 気配感知で言えば“包まれてた”とでも言えばいいか……。

 ケセラセラってなんだ、聞いた事ある気もするが。


 まあいいか、爺さんのやりたかった事も分かった。

 まあ信じるしか無いかな。


『運の本当の意味』か。





 少しだけ考えたが、気を取り直して魔法に戻ろう。


 爺さんの話した事に関してはスキルからの訂正等は無かった。

 データだけでは測れない事があるんだろうな。

 また会えて良かった……。



 次々試す。


 雷魔法。

 これは電気や雷の原理を知る召喚勇者の作ったものらしい。

 適性があった!


 光魔法。

 通常は各教会信徒しか使えないらしいが、一応できた。

 治癒魔法や死霊退治に使えるみたい。


 闇魔法。

 別に、黒魔術とかヤバいものでは無いそう。

 デバフ(弱体化)や気配や音を消したりする。

 補助系かな。



 とりあえずこれだけらしい。


 召喚勇者が知識を元に属性を作る事もあるのか。

 変化・複合させたりもありかも。


 空間魔法や闇魔法には個人差もあり謎が多いそう。

 その分応用範囲が底知れないらしい。

 楽しいような怖いような。



 食事を適当にとりつつ、まずは適性魔法を伸ばす。

 雷は火災の元なので、空間からだ。


 空を飛ぶとかできたら嬉しいが、無理か?

 回答はないな、データなしというところか。


 爺さんに「運」の話を聞いてから、スキルの答えに疑問が湧いた。

 あくまで過去データの引き出しとして考えるべきか。

 他でも役立ちまくってるから文句はないが。



 小石にナイフでXをつけ、魔法で次々飛ばす。

 既に魔力消費は1のみ。


 カラカラ石の転がる音がする。

 岩壁へ行ってみると、石は一箇所に。

 この向こうは……山の斜面。


 埋まってしまう時など、他の物と重ならないようになるわけか。

  >正解


 もう指を近づけて詠唱しなくていけそうな気がする。

 石の1つに集中し移動をイメージ、魔力を込める。


 消えて壁際へ、同じ様に転がり落ちた。


  >空間魔法について無詠唱成功を確認

  >ちなみに離れての発動は中級相当

  >このまま一気に進めるぺき


 3度ほど無詠唱成功したが、もう上級に行くらしい。


 自分を移動させるという……これ大丈夫なのか!?

 魔法書には、失敗しても移動しないだけと書いてあるが。


 いきなりイメージだけでは無理っぽい。

 詠唱を読み上げる。


 体全体の魔力が移動した、と思うと僕自身が移動していた。

 この岩場で一番広い場所へ向けて。

 30センチ程だが。


 どのくらい距離が伸びるのか、先行き不安だ。



 チョコを少し食べて休憩、魔力はまだ50以上ある。


 無詠唱で2メートル移動、これ以上は広い場所が必要。

 またどこか探さないと。


 取り敢えず、改めて全種無詠唱の実験を。

 全部成功。

 魔力は20程まで減った。



  >まとめとして空間応用魔法の収納を試行するべき

  >詠唱は決まっておらず、才能によるとされる


 結構苦労した。

 イメージと魔力の動きが掴めない。

 リュクを空にし、触りまくる。

 その横にイメージのリュックを……表示が出た。

  収納 1/1


 手を上から差し込むと手が消えた。

 収納というよりマジック、いや透明化っぽいな。

 立ち上がると僕から常に同じ位置だ。


 魔力を吸うと消えた。


 今度は腰の左に、下げるようなケースを作る。

 ぶつからず、見えないのは色々に使えそう。

 あれ、中身探ると広すぎないか?

  >そういう魔法なので


 持続時間は?

  >数時間から数百年


 幅ありすぎだろ!

 まあ何事も練習か……。


 あれれ、魔力が70/70、満杯だ。

 確か20だったから数時間かかるはずが、1時間も経っていない。

  >練習による成長と思われる



 日が落ちてきた。

 針式のGショックはまだ4時を指しているが、暗くなると嫌だ。

 怖いから。

 準備して帰るか。


 こんな時は爺さんならほめてくれるんだろうけどな。

 普通に進展はどう?


  >魔法書序章にある通り、常人なら上級まで数ヶ月以上

  >勇者としても1日かからず収納の習得記録は無し

  >考えうる最上の成果


 そういや序章って無視してたな、必要なさそうだが。

 なんか、スキルに気を使わせたような?

 まあ、それは無いだろう。


 そういや、爺さんの時以外レベルアップは無かったな。

 そういうものなんだろう。





 元の林道目指して走る、跳ぶ。


 一瞬リュックらしいものが見えた。

 この辺には全く人の気配はないが。


 急停止して拾い上げるとボロボロ。


 あっ……この気配。

 動物だからと油断した。

 クマだ、10メートルも離れていない。


 ウウウと唸っている。

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