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巻き込まれ召喚されましたが、要らないので返品されました  作者: 炉里 邪那胃(ろり じゃない)
第一章
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3 軽作業、つまり肉体労働

今回は新しい職場の説明回で話が進みません。

ということで、次回をお楽しみに!(なんじゃそりゃ)

 ハンバーガー屋を辞めて帰る時ちょっとだけ期待した。

 井原さんが声だけでもかけてくれるんじゃないかと。


 そう、彼女が好きだ。

 とにかく可愛い。

 だが従業員のプライベートは守られている。

 二十歳前だと思うが、直接話しでもしない限り何も分からない。


 話す機会はほぼ無かったし、好きな素振りも見せないよう気をつけた。

 いきなり最後に声かけてもらえるとかファンタジーだよね。

 自分が言うのもなんだけど、異世界行くより確率低いよね。

 しっかりしろ自分。




 肉体労働といえばテレビドラマやマンガのイメージしか無い。

 おっさん達が毎朝待ってて、業者のトラックに乗って。


 どこで待てばいいんだろ?

 ネットで給料の大体の相場は見たけどそこまで調べてない。

 あ、とりあえずコンビニ寄っとこう。


 ものはついで、バイト情報を手に取る。

 ん、工事での軽作業ってのが並んでる、日給1万前後。

 これって?

『軽』作業だよな……、どう違うんだろ。




 一番近場だった募集へ直行。

 普通のビル、まだ新しい。

 階段上への入り口には『栄栄寮』の文字。

 1階は車庫のようにスペースがある。

 奥の事務所『栄栄紹介センター』に入る。

 寮完備ってあったな、結構ちゃんとした会社らしい。


 普通の事務所、30代後半くらいの女性事務員が対応してくれた。


 履歴書は要らなかったが似たような書類記入。

「では、うちの登録という事になります」

 免許で確認、めでたく登録終了。

 明日8時半、作業のできる服装で出勤だそうだ。


 作業のできる服とは?

 聞いとけば良かったが、ここはスマホ検索。

 色々カラフルなのがいっぱい、訳分からん。

 作業服店にまず行くか。



 適当に安目の薄茶色(自分はそう呼ぶ)の上下購入。

 安全靴というのが色々あるが、結構高いし必要なの?

 長靴でもいいらしい、画像検索にも出た。

 どうせいつ辞めるか分からないしな。






 ♪新しい朝が来た

 いよいよ出勤!


 会社の1階スペースには30人ほどのお兄さんたち。

 ほぼ若い人ばかりだが、もしかして40代位の人もいる?

 みんな若く見えてよく分からん。


 パンチ頭だったりだが、作業服なので元ヤン系かは不明。

 ただし原色系はそれっぽい?



 頼りがいのありそうな30位のお兄さん率いる4人グループに。

 幌付き軽トラックを回して来て荷台に乗り込む。

 ちょっとだけ違うが、イメージしてた仕事場そのものじゃん。


 着いたのは、でかいデパートの建設現場。

「大田建設で入ってるから、そのつもりでね」

 最初は意味が分からなかった。


 ホコリの舞う階段の清掃。

 お兄さんが予備のタオルを貸してくれ、口に巻く。

 ほとんどの作業員は厚めの防塵マスクを付けているのに。


 ああ、うちは下請けで入ってるんだとやっと気づく。

 ここでは掃除だけだが、良いとは言えない労働環境。



 次は階の端っこへ行く、ここではホコリは無かった。

「じゃあ生コンを運ぶから同じようにやって」


 使うのは一輪車、重いものを載せて運ぶのに使うが。

 吹き抜けの内側にはタンクにいっぱいのコンクリート。

 段差があるので木の板を渡し、少し昇った所に運ばなければ。


 3人は慣れているようで、勢いをつけて一杯の量を運ぶ。

 さすが。

 自分の番が来て、特に何も聞かれずやる。

 一度様子を見てから色々考慮するのだろう。

 リーダーのお兄さんは、恐らくこういう場数は踏んでいる。


 真似をして少しだけ勢いをつける。


 左にずれた!

 あれ、なんとなく立ち直れた、普通に成功。


 3倍の体力だけじゃなく、器用さとか色々複合しているっぽい。

 いや、強さは6倍だっけ。

 何を、どれだけ楽にできるかが全て。

 その辺の謎は一旦置いておこう。



 後は長い板を何枚も持ち上げて運んだり。

 木造でなくてもコンクリの『型枠』なんかに使うらしい。

 リーダーと同じ3枚を運ぶ。

 他の1人だけは2枚だ、相当重いからな。


 以前の自分なら1枚だったかも。

 今は敢えて合わせているが、まだ余裕がある。



 後はコンクリが固まった後の場所での床掃除だった。


 よく3K(きつい・きたない・きけん)などというが。

 キツさはほぼ無かった、というより(ちから)加減に苦労した。


 防塵マスクの件などは、単に「汚い」では済まない事だ。

 ステータスには『防塵』は無いし……。



「明日もここ頼むな」

 まあ当然?

 とりあえず使えると思って貰えたらしい。


 ああ、他の二人とも昼休みには話した。

 元ヤンとか全く意識することもなく、普通だったな。

 仕事がまともだったのでナメられなかったのもあるのかな。


 徐々にこの業界の事もわかるだろうし、少し続けてみよう。

 2週目からは日給が1000円上がるらしいし。



 最初のトラック事故以来、レベルアップなしだったな。

 ほっとしたような。


 もしかしたら作業中いきなり上がったりして。


 いやまさか。

 恐る恐る見てみると……


 まだレベル2だ、ふう。

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