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VRMMOに男の娘が挑む  作者: 白夜の桜
黒き仮面 ~さぁ!闇を持ちし者達よ、思い出せ!~
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少しの暴走

私は、アウルと仮面をどうしようか考えながら、アウルの背に乗りながら揺られていた。



うぅ、さっきからご主人が時々、笑ってる。

それが聞こえてくる度に僕は、目的地に着くと恐ろしいことが待ってるじゃないかと考えてしまう。

あぁ、あんなことを言うんじゃあなかった。

足取りが重い。

身体が、心が、目的地に向かいたくないと叫んでる。

でも、僕が言ってしまった。

だから、向かうしかないんだ。

そう考えていた時だった。

ふと、前方から人が出てきた。


「おい!止まりな!」


「アウル、そのまま突撃しなさい」


ご主人が少し苛つきながら僕に、指示をしてきました。

でも、僕はその指示に従わずに止まってしまいました。

何故かって?それは決まってます。

これ以上、この先に向かいたくなかったからですよ。


「へへ、貴様の従魔は指示には従わなかったようだな。さぁ、金目の物を置いてけ!そしたら、命を助けてやる」


「ふふ、アウル、楽しみね。後、そこの人達。邪魔をするのだったら排除させてもらうわ」


いったい何が楽しみなのか、恐くて聞きたくない。


「ほぉ、俺様達を知らないと見た。死ぬ前に教えてやる。俺様達は、ザーザーバカ団、だ!どうだ?カッコいいだろう?」


ぷっ!だ、ダメ、笑っちゃだダメ。耐えろ!今、盗賊に襲われているんだぞ。


「ぷっ!ふふふ、面白い盗賊団ねぇ」


恐かったご主人が笑ってる!この調子なら、もしかしたら。


「おい!貴様!俺様達の団をバカにしたな!それに、その声。貴様、女だな?」


「ば、バカになんてしてないわよ。とっても素晴らしい団だと思うわ。それで、私が女だったら何?」


「ほぉ、やはりそうか。なら、捕まえさせてもらう。おい!貴様ら!そこの女を捕まえろ!」


指示を受けた盗賊達が襲い掛かってきた。

僕はご主人を守るように、前に出ようとするが。


「ふふ、貴方達から向かってくれるなんて、ありがたいです」


ご主人がそう言った瞬間。

ご主人の手が、獣の手に変わり。

盗賊達に襲い掛かった。


「『えっ!』」


僕は思わず声に出してしまった。

獣の手に変わるなんて知らないし、その戦闘力も違いすぎた。


ある者は、縦に爪で斬られた


ある者は、爪の人差し指で心臓を貫かれた


ミリカに向かって同時に攻撃しようとした者達は。

左右の腕を薙ぎ払いによって発生した突風にによって、切り刻まれながら吹っ飛んでいった。


盗賊は、数が多かったが。

ミリカが縦横無尽に動くと、瞬く間に減っていった。


「あら?もう終わり?」


ミリカが話す時には、周りは盗賊の死体だらけだった。

それを見て、アウルは思い出した。

何故、降伏をしたのか。

その身から漏れでている、圧倒的な強者の気配に怯えていたことを。


「アウル、終わりましたから向かいましょう」


そのことを、思い出したアウルに逆らう気はなかった。

魔物とは本来、強者に従うもの。

アウルもまた、その理に従う者だったからだ。


「よしよし、イイコ。さぁ、向かいま……」


突然、黙り出したミリカが気になったアウルだが、すぐにミリカが話しかけて来た。


「アウル、私は戻るから。戻るまでの間、お願いね」


「『わかりました!お待ちしてます!』」


「それじゃあ、お願いね」


ご主人はそう言ってから意識を失った。

ご主人が戻るまでの間、守るために。

近くの木に向かおうとした時。


〈なぁ、同志よ。今の内に帰らないか?〉


「『えっ!でも、ご主人から守れって指示されてるから無理だよ』」


〈はぁ、同志、いや、アウル。貴様は俺様の話を聞いてなかったのか?もう一度、言うぞ。ミリカのヤツが戻ってくる前に、ミリカごと街に帰ればどうかと。聞いたのだ〉


「『そこまでは、言ってなかったような?』」


〈貴様に分かりやすく言っただけだ。それで、どうする?〉


「『その案に、賛成したいけど。ご主人を乗せたままだと、落ちるよ?』」


〈大丈夫だ。俺様が身体を操作するからな〉


仮面がそう言ってからすぐ。

いきなり、ご主人の身体が動き出した。


「『うわっ!そんなこと出来るんだ』」


「あぁ、契約した者が眠っている間は動けるように造られているからな」


「『ご主人の身体で喋られると違和感しかない。ん?いつ契約したの?』」


「うん?決まってるだろ。仮面を着けた時だ。それより、これで不安が解消されただろ。行くか?行かないか?どっちにする」


「『うわぁ、知っちゃいけないことを知っちゃった。答えは、行く』」


「そうか!貴様ならそう言うと思ってたぞ!街へ戻ってしまえば、話は無くなるからな!」


「『うん!さっきまでのご主人、恐かった。あのまま、魔物の地に行ったら何をされるか考えるだけで、恐かった』」


「わかる、わかるぞ!俺様も恐怖に支配されていたからな!意見が一致したことだし、戻るとするか!」


そうして、ミリカが現実に戻っている間に最初の街へと帰って行くのだった。

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