ミリカを怒らせた。出来事
アウルに乗って数十分。
やっと、街が見えてきた。
ミリカは街が見えて来たことに満面の笑顔になって喜んだ。
何故こんなにも喜んでいるかと言うと、それはアウルに乗り暫くした頃。
〈フハハハー!貴様、アウルと言ったな。素晴らしいぞ!景色を置き去りにするスピード!俺様は今!風の中を走ってる〉
「『おぉ!分かりますか!えぇ!景色を置き去りにする速さ(スピード)。これだけは巨体になっても捨てたく無かったんです!だから、努力をして速さ(スピード)を維持、いや、上げたのです!』」
〈おぉ!アウル、貴様の気持ち理解出来るぞ!〉
「『わ、分かってくれますか!うぅ、長に言った時は溜息を吐かれたんです。それ以来、理解者がいないと思ってたのですが。仮面、いや!同志よ!貴方のお陰で救われた!一緒に速さ(スピード)の先へ行きませんか!』」
〈おぉ!同志か、素晴らしい響きだ。そうだな同志よ!一緒に速さ(スピード)の先へ行こう!〉
私はこの状況が理解できないのですが。
アウルも最初に仮面に会った時は、警戒してたじゃない!
それが、何で!数分の間に凄く仲良くなってるの!
速さ(スピード)の先へ、って何?!貴方達は何処を目指しているの?!
あぁーもう!私も私で、何ツッコミを入れてるの!それも、心の中で!
話を聞けば聞くほど、考えれば考えるほど、私の中で怒りが沸々と沸いてくる。
「『それではまず、速さ(スピード)を上げるにはどうすればいいと思う。同志?』」
〈ふむ、鍛えるのは当たり前だが、それだけでは限界がくるな。同志よ、レベルを上げるのはどうだ?〉
「『レベルを上げる、盲点でした。流石!同志。では早速、レベル上げに行ってきます!』」
〈待て、同志。俺様も連れていけ。必ずや同志の助けになってやろう〉
「『同志……分かった。一緒に行こう!速さ(スピード)の為に』」
〈あぁ、速さ(スピード)の為に〉
そこで流石に私はキレた。
「ねぇ、アナタ達。何処へ行こうと言うの?」
「『そんなの決まってますよご主人』」
〈あぁ、決まってるだろ〉
「『〈速さ(スピード)の為に、魔物がうじゃうじゃいる地へ向かうぞ!(います!)〉』」
私は眉をピクピクさせながら言う。
「アナタ達が行く。と言うならもちろん私と別れて行くのよね?」
「『何を言ってるのですか!ご主人も行くに決まってるますよ!さっき行くって、言いましたよね?』」
〈俺様も行くだから、貴様も着いてくるに決まってるだろ。何、おかしなこと言ってるんだ貴様?〉
私の我慢の限界を壊しにくるなんて。
いいでしょう、たっぷりと反省させて上げます。
ふふ、ふふふ。
「そう、分かったわ。行きましょうか」
「『っ!今一瞬、寒気が走った気がする。き、気のせい?』」
〈ど、同志よ、俺様もだ。今確実に危険な状況になっていないか?〉
「ふふ、アナタ達。何をそんなに、恐がっているの?さっさと魔物がうじゃうじゃいる地へ行きましょう?」
〈あ、あぁ、同志よ。速さ(スピード)の為に行くぞ!〉
「『は、はい。速さ(スピード)の為に』」
あらあら、さっきまでの威勢は何処に行ったのかしら?
何を恐れているの?今、アナタ達を邪魔する者はいないわよ。
だから、安心していいわよ。
ふふ、魔物がうじゃうじゃいる地、かぁ。
とっても楽しみね。
「さぁ、向かいましょ」
「『え、えぇ』」
〈あ、あぁ〉
「ふふ、アナタ達は何がそんなに恐いの?今の返事も行きたくない、って聞こえるのだけど?さっきまでの威勢は何処に行ったのかしら?」
「『ご、ご主人。僕が言えたことではないですが。やっぱり街へと向かいませんか?』」
〈あ、あぁ、俺様も同志に賛成だぜ〉
「ふふ、アナタ達が言い出したことなのよ?今更無し、なんて、させると思う?」
「『同志。さっきの寒気の正体が分かりました…』」
〈あぁ、俺様もだ…〉
「『これはもう、諦めて行くしか道は無いですね』」
〈同志。ここは覚悟を決めるしかないな〉
「あの、お話は終わりましたか?」
「『向かいましょう!ご主人。覚悟は出来てます』」
〈俺様も死ぬ覚悟は出来てる〉
「別に覚悟を決めなくても大丈夫ですよ。だって、アナタ達が行きたがった場所ですもの。さぁ、行きましょう」
その言葉を受けて、アウルは魔物の地へと向かった。
だが、寒気は消えるどころか増す一方だったが。




