ボス探しは最後
部屋で休憩中に、今日の予定を決めようとした。
「うーん、また森に挑む?いや、ダメだ。また、昨日みたいな結果になるかも知れないし。だとしたら他に何があるかな?ボスに挑む、レベル上げ、ギルドの依頼。今思い付くのは、これだけか。ボスに挑む、は無しだな。レベル1で勝てるわけがない。いや、もしかしたら私に隠された力が解放されて、突破できるかも知れない。うん!そう考えると行ける気がする!よし、休憩が終わったら。早速、挑みに行くぞ!おー!」
迷惑が掛からない程度に抑えて、叫んだ。
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《真円の森》
今、御華がいるのわ。
この先にはボスが居ますよ。っと、言わんばかりの広場がある、一歩後ろにいた。
「こ、ここは間違いなくボスがいる!」
そんな当たり前の事を言い切り。
どうだ!凄いだろ!と、ばかりに胸を張った。
だが、虚しかった。
「はぁー、誰も居ないのに私は何をやってるんだろう」
何故こんな悲しいことをしているのか。
それは、街を出る所まで戻る。
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《街、出口》
(よし、行きますか)
そう言って、街の出口から出ようとしたら。
「お嬢ちゃんー!今から外に行くのかー!」
この街の門兵だろう人が、私に向けて大声を上げながら近づいて来ました。
「そうですが、ダメなのですか?」
私の目の前に来た。門兵にそう、疑問に思ったことを聞いてみました。
「ダメでは無いんだが。この時間帯は、帰ってくる人達が多い。それに、外に出ても門限が近いから。また、直ぐに帰ってくることになるからな」
「そうでしたか。でも、大丈夫です。外で過ごす準備が出来ていますからね」
「はぁー、ならいいんだが。お嬢ちゃんは可愛いから夜襲には気を付けろよ。最近、ここら一帯に盗賊が住んでるらしいからな」
「え、盗賊いるんですか?」
「あぁ、さっきも言ったが。ここ数日の間に、どこからか来たのか知らないが。いつの間にか盗賊達がいたんだ。その影響か、最近は商人が交易に来なくなったんだ。こんな話、転移者のお嬢ちゃんには迷惑な話をしてしまったな。だが、忠告だけはさせてくれ。忠告せずに行かせて、帰ってこなかった。なんてことになったら、辛いからな」
「ふふ、確かに忠告していただきました。貴方は優しい人なんですね」
「はは、優しくなんて無いよ。ただ、忠告せずにいて、盗賊に襲われた。なんてことになったら、目覚めが悪くなるから忠告してる。ただの自己満足さ」
「それでも、相手を思いやれる気持ちがあるからこそ、目覚めが悪いと。思えるじゃあないですか?」
「そうか、そういう考え方もあるのか。お嬢ちゃんの考え方いいな。参考にさせてもらうよ」
「そんな立派なものじゃあないですよ?でも、参考になるのでしたら、参考にしてください。では、私は森に行ってきますね」
「あぁ、気を付けるんだよ。特に、盗賊には!」
その声を聞きながら森に向かって歩いて行くのだった。
森に入って数分した所で。
ずっと思っていた事を叫ばずにはいられず。
「何で!森に入ってから。魔物、動物が居ないんだよー!少しぐらい人もいるかなー。って期待してたけど、さっぱり居ないの。この森、やっぱりおかしいのかな?」
口調が戻るぐらい怒っていた。
(声を上げて歩いているが。一向に魔物、動物は出ないのは前回の経験から分かるとしても。人すら居ないなんて異常としか言えない)
また、暫く歩いてみるが。やっぱり、人を見付けられなかった。
段々、寂しさが沸いてきた。
それを誤魔化したくて。
「何も居ないなら好都合!ボスを探しだし放題。はは!待っていろよボス。絶対に見つけてやるからな!」
その目には、ボスを見つけると言いながら。
八つ当たりをしようとしてる目をしていた。
それからわ。ボスを探しに森の中を、駆け回った。
だが、森の生き物は見付からず。
ボスの居場所を見付けた、だけだった。




