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VRMMOに男の娘が挑む  作者: 白夜の桜
のんびり、ほのぼの、癒しを多くしたい!
110/604

おまけ話 とあるプレイヤー視点

先に言います。


この話は元々、コミカル?楽しい話になる予定でした。


追記


昨日の作者の事は忘れてください。お願いします。

「ここに何の用で来たのですか?」


彼は、私に目的を問い掛けてきた。


「貴方なら分かると思うのだけど?」


彼ならば……いや、彼等ならば、私の目的など分かるでしょう?そう言外に言う。


「ふふ、一本取られましたな。えぇ、貴女の目的は分かっています。しかし、貴女からは私達特有の物が無い。私は、それ無しで来た理由を問い掛けたのです」


彼の言葉は常人からすれば意味不明でしょうけど、私からすれば簡単な質問ね。


「ふふ、貴方は一つ勘違いをしてるわ」


えぇ、そんなにも及ばない考えなど、私には当て嵌まらない。


「ほぉう……それはどう言う意味ですかな」


彼は瞳を細め、私に聞いてくる。

そんな事にも考えが及ばないとは、彼もまだまだね。


「ふぅー、貴方なら分かると思っていたのだけど……私の考えすぎだったわね」


ほんと、残念でならない。

彼ならば、私と同じ領域に至っていると思ったのだけど。


「ふむ。私になら分かる…………」


あら、私の言葉を真剣に考えてくれるなんて。

普段なら、私の言葉をバカにする人が多いのだけど、流石ね。

それから暫くの間は、彼は深く思考の渦に入っていた。


「分かりましたよ、貴女の考えが」


へぇ~、ものの数分で考えに至るなんて、元からあの考えに至っていたとしか思えないわね。


「そう。なら貴方の解答を聞かせてもらいましょうか」


本当に、私と同じ領域に至ったのか確かめさせてもらうわ。


「ふむ、良いでしょう。まず、貴女の言葉から辿り着いたのは、私自身が長い年月を掛けて至った考えです。それゆえ、私以外には至る者が居ないと思い、思考から排除していたのです」


やはり、彼は私と同じ領域に至っていた。

私の考えすぎではなかったようで安心したわ。

しかし、


「小さな可能性も棄てるなんて、愚かな行為よ」


えぇ、凝り固まった考えではいつか必ず、取り返しがつかないことになる。

私はその意味も込めて、彼に言う。


「えぇ、貴女の言う通りです。なので、それに気づかせてくれた貴女には感謝しています。しかし、それでもこの考えに至るには相当な愛がなければ不可能なこと。貴女はどれ程の愛があるのですか?」


ふふ、やはり彼は理解してる……いえ、これはもう、心理を探究する学者ね。


「ふふ、ありがとう。でも、それは貴方に比べれば些細なものよ。貴方は、深い愛がなければ成し遂げられ無いことを達成してるではありませんか?」


えぇ、彼を調べれば調べるほど、彼の偉業が理解できる。

だからこそ、同じ領域に至っていると確信できた。


「愛に、低いも高いもありませんよ。そこだけは間違えないで頂きたい」


ビリビリ


凄い殺気ね。

確かに彼の言う通り、愛に高いも低いも無い。

しかし、そうでなければ達成できないような事を成し遂げた化け物と言うべき存在が目の前に居るんですもの。

自身を卑下したくなってしまうのもしょ………いいえ、言い訳は止めましょうか。


「正直に言いましょう。私は貴方に嫉妬してます」


面と向かって言ってこそ、私らしいもの。

私の言葉に、殺気を消した彼は、


「そうですか。しかし、嫉妬しても意味はありませんよ」


冷徹ね。

愛を語る時に感じた情熱が嘘のよう。


「分かってるわ。それでも、嫉妬せざるを得ないのよ」


私が成し遂げたかった事を先取りされてしまったのだから、嫉妬したくもなってしまう。

無意味だと分かりながら……


「貴女の感情は理解できません。私が何をしたか分かっていながら、嫉妬する感情が。あの偉業の何処に嫉妬できるのですか?」


淡々と聞いて来る彼


何も感じさせない表情


何処か機械的と受けとれる言葉


様々な体験をしたからこそ、出せる重み


そして、圧倒的強者の気配


何もかもが、彼を構成するピース。


しかし、その根本にあるのは…………


「流石、と言った所ね。私が何処に嫉妬したのかについては秘密よ」


言っても良いのだけど。

それだと、私についても話さないといけないから困るのよ。

ここでは『謎の同志』として居たいしね。


「ふむ、話すつもりは無いと?」


「えぇ、そうなるわね」


今も淡々と聞いて来る彼だが、先程まであった、強者の気配が消えたおかげで、今は落ち着いた言葉に聞こえるのだから不思議よね。


「分かりました。しかし、いつかは話してもらいますよ」


話すまで逃がす気は無いと、言外に言って来る彼に、


「どうなんでしょう?」


惚けて誤魔化すことで、言うつもりは無いと言外に伝える。


「はぁー、今回は私が引きますよ」


彼はそう言って、あっさりと引き下がった。

不思議ね。彼の情報を見る限り、こんなあっさりと引き下がるタイプだとは思えないのだけど。


「不思議そうにしてますね?」


「ッ!?」


「どうして分かったの!」私はそう言いたかったのだけど、驚きが強すぎると言葉が出ないものなのね。新たな発見をしたわ。でも今は、


「貴方は、心をも読めるの?」


新たな……いえ、興味深い能力について知りたくなったわ。


「ふむ………いいえ。貴女が分かりやすいだけですよ」


少しの間が合った後に言われた言葉は本当なのかしら?

私は首を傾げながら、言外に問い掛ける。


「関係無い話しを何時まで続けるつもりですか?」


しかし、彼はそれに気づいていながら無視をした。

ふ~ん……今回は私が折れましょうか。


「そうね、そろそろ止めましょうか」


彼の言う通り、今回来た目的からズレてしまっているものね。


「話しを戻しますよ。貴女はどうして、あの考えに至れたのですか?」


やはり、気になるものよね。

でも、それは簡単な答えよ。


「貴方にだって、元は近くに居た存在でしょう」


ビク


「それはどういう意味でしょうか?」


ふふ、その反応が何よりの証拠なのに、誤魔化しても無駄よ。

でも、彼も人間なのね。

あの偉業を知っている者がいたら、信じられないでしょうね。


「さぁ?私には分からないわ。貴方にしか分からない事よ」


本当に、私は知らない。

でも、それしか成し遂げられる理由が思い付かなかったのよ。


「ふぅー……」


彼は私の瞳を覗いて、嘘かを見分けようとしていたみたいだけど、嘘では無いと理解したのか、長い溜め息を吐いた後、考えに耽っていった。

さて、彼が戻るまで、何をしていようかしら?

うーん……像でも作ろうかしら?

でも、そんなに考えるのは掛からないと思うのよね。

私が作ろうか悩んでいた時、


「はぁー……確かに、私の近くに居ましたよ」


あら、以外に早く戻って来たわね。うん?今なんて言ったの………!


「やはり居たのね!」


これで全部が繋がったわ!

彼があれほどの愛を抱いていた理由も!数々の偉業を成し遂げられた理由も!


「ふむ、やはり?……貴女は、居る可能性は考えていたのですね?」


ビクッ!


「えぇ、その通りよ。可能性は考えていたわ」


失言だったわ。

しかし、話は聞けそうね。


「そうですか……いえ、同じ者だからですかね……」


そう言った彼からは、哀愁が漂っていた。


「そうよ」


それだけで分かるなんて、本当に心を読む能力があるのかしら?


「無いですよ。私の質問に貴女があの返しをした、それだけあれば理解するのに十分ですよ」


やっぱり、持っているわよね?

私は彼に訝しげな目を向けて、言外に問い掛ける。


「ふふ、また話が逸れてますよ」


「あら、そうね」


笑った彼からは、先程まで漂っていた哀愁が消えていた。

私はわざとそれに乗って上げる。


「それで、どうなんですか?」


彼は質問は、あやふやで分かりづらいが、私は理解している。


「貴方の言う通りよ」


肯定した事で、彼がどの様な答えを出すのか気になる。


「そうですか……」


私の答えに短く返事をした彼は、目を瞑り思考に耽った。


「考えが纏まったら教えてちょうだい。私はその間、木像を造っているわ」


「…………」


返事は無く。

私の言葉が彼に届いていると信じて、木像造くりに集中する。


カリカリ


天使の羽もあった方が良いわね。


カリカリ カリカリ


ふぅー……上手く出来たわ。

次は体を造って行きましょうか。


カリカリカリカリカリカリ カリカリ


ッ!!……神々しい!!崇めたくなってしまう!なんって!危険な物を完成させてしまったの!!!


「終わりまし………ッ!?何ですかコレは!!!」


あら、もう戻って来たのね。でも今は些細な事。


「ふふふ……貴方もコレの恐ろしさに気づいたようね」


像を見て、片足を床につけて苦しんでいる彼に問い掛けた。


「ええ!コレは恐ろし物です。全てを信仰する私を跪かせる程の神々しさ!貴女はなんて、恐ろしくも素晴らしい像を生み出したんですか!!」


あらあら……声を荒らげる事など滅多に無いと有名な彼が声を荒らげるなんて………でも、この像を前にすれば致し方なし、よね。


「決まってるでしょう……愛ゆえよ!」


「愛ゆえですか…………」


私の言葉に彼は感涙した。


それから暫くの間、神々しい像を前に、感涙しながら像に跪く男と忠誠を誓う騎士の様に跪く女性が居ると言う、おかしな状況が出来上がったのだった。


それから暫くの時が過ぎて


「貴女を、同志として迎い入れましょう」


涙を手で拭いながら立ち上がった男は、私に手を伸ばしてそう言った。

私も立ち上がり、伸ばされた男の手を掴み返し、


「ありがとうございます」


神教しんきょうに入信しました。これにより、信仰する存在を決められます。…………特殊条件達成。『神教の極致』に至りました。これにより、信仰する存在が神へと至れる可能性が発生しました』


今ここに、私の目的は達成された………


この話を簡単に纏めて言うと、「神教に入信する話」それだけなのに、やたら大袈裟な話になってしまった。


後、この話は後々に出て来る事は無いです。(絶対とは言えない)

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