第7回「『愛している』ということを愛、好という漢字を使わずに表現せよ」
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orion1196
それはコインで謂うところの裏と表、人の心は揺らぎやすく、また移ろい逝く。その感情は雷に撃たれるように表れ、そして氷のように溶けていく。
その心を忘れるなかれ。あなたが持つその感情は、何にも変えがたい尊いものなのだから。
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くまくま17分
それは、祈り。
我が子の未来が幸福に包まれている事を願って止まない。
これから先、歩み行く人生が最良であると想わずにはいられない。
失敗しても良い。
後悔しても良い。
大丈夫。
幸福も栄光も、それを乗り越えた先にあるのだから。
慈心に目を細めながら我が子の頭をポンポンと優しく叩き、二人でゆっくりと家路につく。
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髭虎
想いを言葉にするのは恥ずかしい。
たとえそれが、長年連れ添った妻だったとしても。
「あっ、と……」
「ん? どうしたの?」
「あぁ……いや、なんでもな、くはないか」
「ふふっ、相変わらず変な人」
「面目ない……」
特別な日、結婚記念日。
だからいつも口を開いて、言い淀む。
10年前の今日は、ちゃんと言葉にできたのに。
「あーその、なんだ」
「なに?」
「……いつも、ありがとう」
「ええ、こちらこそ」
しかし存外、この程度の距離感が心地いいのかもしれない。
私も、貴女も。
小さく笑いをこぼす妻を見てそう思った。
「ねぇ、あなた」
「ん、なんだ?」
「私を選んでくれて、ありがとう」
「あぁ、こちらこそ」
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小鳥遊賢斗
それはきっと、いつの間にかそこにあるもの。
暖かだけど、寂しくて。
時に嫌になることもあるけれど、決して無くしたくないもの。
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orion1196
それは、生ある全てのものが紡ぐ金色の糸。心なき者には生み出せぬ力強き光。
努々忘れることなかれ、その光は世界すら包み込む偉大な感情であると知れ。それはいずれあなたにも降り注ぐ祝福なのだから。
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