第6回「放課後の教室でヒロインと2人きりになった。ヒロインの容姿を細かく描写した上で、自由にフラグを立てなさい」
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サイドワイズ
「あ~幸せぇ……」
思わず弛緩した声が漏れる。
俺は両の頬に当たる柔らかな感触を堪能していた。
「あらあら。そんなにおっぱいが好きなのねぇ」
「はい、大好きですぅ~」
「馬鹿な寝言言ってないで起きなさい!」
唐突に頭上から降ってきた声でハッと目が覚める。
「俺は……寝てたのか?」
「そうよ!もう授業終わったわよ」
どうやら俺は最後の授業の途中で寝てしまったらしい。
重たい頭を上げると目の前には恋人の姿。
小さな顔の大きい瞳で俺を睨んでいる。
人懐こそうな顔でむっと睨まれも和むだけなのだが、それは言わない方が良いだろう。
(良い夢だったなぁ……はぁ、覚めたく無かった)
夢を惜しみながら、ちらと恋人の胸に目をやる。
夢に出てきた女性の豊満な胸と比べるのが申し訳なくなるほどの平坦な胸があった。
その平らさを証明するかのように、制服のスカーフが真っ直ぐに垂れ下がっている。
「平坦だ」
「は?」
しまった。つい口に出てしまっていたらしい。
彼女の顔を見ると、さっきよりも鋭い視線が突き刺さった。流石に「和む」なんて言っていられない。
「いや、ちが、これは」
必死で言い訳をしようとするが上手く言葉が出てこない。
(俺たちの関係、終わったかも)
別れの言葉を覚悟する。
しかし、彼女の口からは意外な言葉が飛び出した。
「そんなに平坦じゃないわよ……なんなら、さ、触ってみる?」
「え?」
彼女は色白で小さい両手を自身の胸に当てる。
その仕草が妙に色っぽくて、顔が火照ってきた。
彼女が何を思ってこんなことを言い出したのかは分からない。
けど、彼女の顔がほんのりと赤いのは、窓から差し込む夕日のせいではないことだけは確かだ。
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