第56回「『新』という言葉を用いずに新品を表現せよ」
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風間
こちらが、今までご提供させていただいておりましたサービスです
対して、今週から提供を始めましたサービスがこちらになります
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髭虎
たとえ中身が分かっていたとしても、この包装を開ける瞬間というのは胸が躍るものだ。
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ねいすちゃん
まだ誰の手にも触れられていない。私が最初の所有者となるのだ。
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くまくま17分
古くなった物と入れ替わる形で納品されたグランドピアノ。
まだ誰にも触れられた事の無いその横顔は、高貴な漆細工のように清澄で漆黒の鏡のように自分の顔が映り込む。
カバーを開け、燕脂色の布を取り払い、汚れを知らぬ無垢なる鍵盤へと指を伸ばした。
初めて触れるそれは艶やかで、ひんやりとして少し冷たい。
何となく、未だ情熱を知らない純粋さを感じた。
一音。
純白の鍵を指先で軽く弾いた。
木漏れ日が差し、瑞々しい草木の茂る森。
そんな情景を思い起こさせる優しい音色が響き渡る。
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