第139回「夏祭りを舞台に飯テロ描写せよ」
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せん
「手を上げろ! 今よりお好み焼きに白ご飯を追加する!」
楽しかったはずの彼女との初デートは、右に拳銃、左に炊飯器を抱えた迷彩服のヤローたちにあっけもなく台無しにされた。
「なんだね君たちは! ここは江戸時代から続く由緒ある夏祭りッ! フガッ!」
「α小隊制裁実行!」
「イエッサー!」の掛け声で物陰からさらに迷彩服のヤローが現れ、お好み焼き屋の店主を羽交い絞めにする。そして開いた口に大量の白米を投下。シャモジを使ってこれでもかと投下。泡を吹いてももっともっと投下。
騒然とする行列、唖然する僕ら。
ピクピクと痙攣する店主を見下げて満足そうに笑う迷彩服たち。
その目がキラリとこちらへ、と。
「α小隊は任務を続行! β小隊は焼きそば屋の占拠へ!急げ!」
屋台に並んでいた人たちに配られる白米。お好み焼き屋の店主の代わりにヘラを振るう迷彩服。
「さぁ祭りは始まったばかりだ!我々”炭水化ブティズム”が全ての炭水化物に炭水化物を追加する!」
その宣誓に、人々は悲鳴を逃げ惑う。
でも僕らは関西人なので何の問題もなかった。
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