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第137回「花火を表現せよ」

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くまくま17分


 夏の夜空に花火が瞬く。

 ポン、ポンとくぐもった音を響かせ、一瞬で大輪の華を咲かせては儚く散り、淡く夜の闇に溶けていく。

 鎮魂のために献花される光の華は漆黒の空で美しく咲き誇り、ともすれば、彼女の魂も少しは安らいでくれているのだろうか。


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aka


 花火と言えば夏の風物詩。

 最近、夏になると大勢の人が大規模な打ち上げ花火を見るために集まっているのがニュースで取り上げられる。

 撮影ドローンが上空から下界を見下ろす形で、その映像を私たちのもとに届けている。

 花火が打ち上げられ、炸裂すると、一瞬で薄暗い闇が取り払われ、周囲は明るく照らされた。

 地上にいる人たちが、蟻んこが虫の遺骸に群がるみたく無個性に密集して、上を覗いていた。

 みんな長方形のモノを両手で横に持ったり片手で縦に持ったりしながら、花火の光へと向けている。みんな。

 私はあんまり大きい音は得意じゃない。それに、周りにたくさんの人がいるのも。

 だから、よっぽど家で市販されているぎっしりと詰められた手持ち花火の小さな火を眺めている方が楽しい。

 しゅーっと音を立てながら火薬独特のにおいのする煙を吐き出す。

 色が変わって、手元がだんだん熱くなってくる頃合いにはもう燃え尽きている。

 燃え切った後に残るのはその吐き出された煙だけ。

 深呼吸してみる。

 きっと、成分とかはたばこに入ってるような体に悪いものとそう変わらないんだろうけど、不思議といやじゃない。


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