第128回「水も滴る良い女を表現せよ」
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くまくま17分
6月だというのに日差しは強く、一足早く夏を先取りしていた。
そんな中で俺はジャージとTシャツ、デッキブラシを片手にプール掃除と来たもんだ。はぁ、ダルい。
居眠りの代償にしては過剰とも言える罰直を、もう一人の相方とこなしているのだか。その相方はというと、
「おぎゃぱぁあっ!」
唐突なバックアタック。
襲い掛かる冷水に俺は奇怪な叫び声を上げてしまった。くそ、恥ずい。
「てめえ、何しやがる……っ」
恨み節をたっぷり利かせながら、湿った視線を投げ掛ける。
振り替えれば、冷水を垂れ流すホースを片手に、お腹を抱えてカラカラと晴れやかに大笑いしやがる夏服姿の美少女。
「あははっ 何、今の奇声? くくっ ぷあははっ!」
盛大に笑っている彼女を尻目に、俺も新たな武器を求めてプールから上がってみず場へと向かった。
「あ、ちょっと待っーー」
彼女の制止も聴かず放水。身体をくねらせ翻るスカートが艶かしい。
そして気付いた。シャツが水気で張り付き、下着が透けて淡いピンクが露になるのを。
「………見た?」
俯く顔を羞恥で真っ赤に染めながら尋ねて来た。
最終的に、帰りにアイスを奢って機嫌を取った。
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