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第126回「梅雨という言葉を使わずに梅雨を表現せよ」

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くまくま17分


 この時期の曇天は好きじゃない。

 水気を孕んだ生温い空気が纏わり付き、服を湿らせぴったりと張り付かせる。

 そこからじっとりと汗が滲み出るから最悪だ。

 夏が待ち遠しい。

 ジリジリと肌を焦がすギラ付いた灼熱の日差しが恋しい。


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インファ


 また今年もこの季節がやって来た。

 朝、アイロンで念入りにセットした前髪は、駅に着く頃にはカールして跳ねまくり、濡れないようにと履いてきたはずの膝丈スカートには斑模様が。傘を閉じるという行為だけで上着に水滴が飛び散り、手はびしょ濡れ。ホームで列に並ぶまでに、着替えたくなるくらい服のありとあらゆる所が濡れている。

 電車に揺られながら聞くのは窓を叩く無数の音。次から次へと流れていく雫は、まるで生きているかのようだ。

 各停車駅で、開かれるドアから熱の篭った空気が、クーラーの効いた車内に流れ込んでくる。しっとりとした髪の毛が首筋に貼り付いて顔を顰めた。

 ようやく下車駅に着くと、人の間を縫って電車から降りる。すると乗車中に乾いたはずの服や鞄は、いろんな人の傘にあたり、またもやびしょ濡れに。

 駅を出て、今日もまた、遠くの建物が見えないことを確認して傘を開く。気を取り直して、色とりどりの傘が所狭しと行き交う通りへと踏み出した。

 これが私のルーティーン。


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時猫一二三


 紫陽花の季節。


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