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第125回「贅沢という言葉を使わずに贅沢を表現せよ」

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時猫一二三


 彼のなかで、アイスと言えばハーゲンダッツなのだという。


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雨宮 春季


「さあ、ゆっくりしてくれ。」

 彼は装飾されたドアを開けて、僕をある部屋に案内した。しかし、僕はその部屋を見てゆっくりするどころかすぐに帰りたくなった。


 彼の部屋は実に悪趣味だった。ぴかぴかとした装飾品のせいで目が痛いし、その部屋のソファは赤色のドレスをまとった女性のように毒々しく置かれていた。

「あ、ありがとう…。」

 それでも、僕は断り切れない。持ち物の話をすることが多い友人から逃れられないように、僕はこの部屋から逃げられなかった。そして、彼は今日も笑うのだ。口だけ歪ませた笑顔で。


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くまくま17分


 そこは、まさしく酒池肉林。

 荘厳麗美な造りの邸宅は豪奢な内装を備え、飾り付けられた意匠はその一つ一つが職人芸の粋を尽くした逸品。

 壁や暖炉を彩る調度品も例に漏れず、瀟洒で優美な陶器には目を奪われる。

 そんな中、がちりばめた宝石が絢爛な衣装で着飾る男を薄絹を纏った女たちがその柔肌と艶やかな肢体で寄り添い、扇情たっぷりにもてなす。

 食卓に盛られたのは豊穣の限りを尽くした美酒美食。

 バルコニーから遠望できる控えめな街の灯火を眺め、女たちを侍らせながら男は酒杯を片手に自らの栄華に酔いしれて満悦な笑みを浮かべた。


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赤髪のLaëtitia


「退屈な人は参加出来ない」――その日開かれた夜会の参加条件。

 真っ白なテーブルクロスの上にはシューズ磨き用のワックス。

 そして、中央に君臨するシャンパン。

 カラリストと呼ばれる職人が丁寧に靴の磨き方を教授する。

 参加者は自らの靴を自分で一通り磨くと、仕上げに“シャンパン”で磨くのだ。

 これをするとシャンパンの糖分がパティーヌにとても馴染み、更に艶や照りが増す。

 また、靴からシャンパンの香りが漂うようになって“お洒落”になるのだ。

 ……因みに他社の革靴でこれをするとシミになってしまうらしい。


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