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第123回「龍、ドラゴンを表現せよ」

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くまくま17分


 天高く棚引く雲が空に彩りを添える秋。

 涼やかな秋風を捉えて紅蓮の翼が羽ばたき空を舞う。

 辰紗の鱗が日差し照り、真っ直ぐ伸びた鎌首の先、眼光鋭い黄金の瞳は地平の際を見据える。

 ワイバーン。

 人間を超える体躯を鋼質な竜鱗で鎧い、蒼穹を自在に翔る双翼を持つ天空の雄。

 その背に敷いた鞍に跨がり、手綱を握る騎士が呑気にあくびを噛み殺す。


「今日も平和だねぇ……」


 結構結構。男は鞍の上で呵呵と大笑する。

 平穏な秋の空、男と竜は昼下がりの遊覧飛行に興じた。


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