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第102回「落胆という言葉を使わずに落胆を表現せよ」

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ハク

 耳に当てていたはずのスマートフォンが、ずるりと零れ落ちる。カシャン。手は震えたまま、落ちた物を拾うことすらできずにいた。


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みさとみり


「てるてる坊主、効かなかったね」


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時猫一二三(トキネコヒフミ)


 あれほど晴れやかだったぼくの心が、分厚い雲に覆われていた。


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AnAz


 キッチンで砂場の如く遊んでいる、新品のココアをぶちまけた我が子。


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赤髪のLaëtitia


 それは、舞い散る馬券の伝える空気、或いは合否発表の掲示の前で、うつむく戦士たちの背中の色だ。


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隻迅☆ひとみ


 2年越しの受験、合格発表に受かり、翌週に礼金敷金バイト代全部つぎ込んで都会へ一人引っ越しを果たす。いよいよ新生活が始まると意気揚々だ。その日一人祝いを兼ねて普段買わないショートケーキを買って帰る。玄関をあけ、里の親から通知に気がつき見る。そ・そんな、学校が倒産した。その通知だった。


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くまくま17分


 定休日。

 その掛札に門前払いされた。

 返して欲しい。

 返却日期限が今日だと気付き、自宅から駅まで全力疾走して二駅乗り、そこから再び息切れするまで全力疾走して来た。

 その、全ての労力を。

 息も絶え絶えに、両手両膝を突きながら項垂れた


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隻迅☆ひとみ


 彼がそうなったのも無理はない。

 神の舌をもち材料を集め、やっと完成させた究極のピザだ。

 まさか窯がこわれて全て灰となるとは、思いもしない事態に呆然としているのだ。


 そして彼は笑い始めると大泣きの粒と同時にガックリと床へ落ちていった。


 しかし、同じ気分と気持ちになっているものがもう一人。

 そう、今日ここに呼ばれた美食家だ。

 大金を積み彼に作らせた結果が目の前で燃えているのだ。

 ある意味不意になったものは2つだろう。


 額にてのひら添え、その肘はテーブルから生えたように動かない。

 軽く目を閉じると頭を軽く左右に振っている。


 顔の下にある皿が見えれば腹も啼く


 そういえば窯を機能調節したのは私だ。

 それを思い出すと、私も言うべき場をうしなったと、困惑の中へと落ちていく。

 さて、私の姿と恰好は、きっと誰かは3人目の者はと説明をいれるのだろうか。。

 やばいやばいやばい。


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髭虎


 時計を見る。

 約束の時間から1時間13分。

 こぼれるように僕はポツリ、雨だしなと呟いた。


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