第100回「泣くという言葉を使わずに泣く様子を表現せよ」
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Fate
ぴえん
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noname_000
これは汗だから。…涙じゃないから。…
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尾崎
私は、頬を伝う、私のものではなくなった体液を暫くの間拭った。
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みさとみり
男は部屋の隅で壁に手を付き、鼻をすすった。肩を震わせ、声も出さずに、彼はしばらくの間、悲しみに暮れていた。
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RHABGKE
顔を濡らすには、過剰な程のストレスであった
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赤髪のLaëtitia
刺激が結膜を摩擦する。
それは瞬時に俺の瞼の裏へと刺激を伝えアーモンドみたいな腺からの大量な分泌を促した。
排出官を通り過ぎ、俺の目元にある小さな穴に津波の如く押し寄せてくる。
ふふ、いい感じだぜ。俺は目の前のカレーを一口飲み込んだ。
くっ……、なんてやつだ!
喉がきゅっとなり胸が締め付けられる。
今までの常識を覆すその“辛さ”!
そのヘヴィーでヴィヴィッドなフレーバーに俺の副交感神経は震えあがり、例のアーモンドは興奮しっぱなしだ!
遂にそいつは小さな目元の穴から出るだけじゃ足りず、俺の鼻腔を一杯にまで満たしやがった。
俺は思わず上を見た。しかし鼻水が垂れるのを防げなかった。
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くまくま17分
「ううう………」
私は今、涙腺から止めどなく涙を流している。
それもその筈、玉ねぎをみじん切りにしてるから。
目が痛い、辛い、止めてしまいたい。
だけど、それはできない。
『オレ、ハンバーグ。大好きなんだ…』
彼の喜ぶ顔を見たいから。
涙を垂れ流し、鼻を啜りながらひりつく涙腺の痛みを堪えて玉ねぎを刻んで行く。
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