~あなたを信じたい~
これが初めての作品となります。
至らない点が多くあると思いますが、何卒宜しくお願い致します。
私は、何の為に生きているのだろうか。この問いを私はずっと心に抱えていた。愛情を、裏切りを、そして憎しみを、様々な感情に触れ、その度に思った。いつになったら、私は人を信じられるようになれるのかと・・・。
朝、いつもの目覚ましの音で起きる。リンリンとうるさい音が頭に響く中、俺はそいつを止める。下からは、母さんの呼ぶ声が聞こえる。俺は、眠たげな眼を擦り、リビングへと向かう。
「おはよう、母さん。」
「おはよう、宗司。今日、母さん、早めに仕事でないといけないから、早く食べてしまいなさい。」
「あぁ、分かったよ。いつもありがと。」
「そ、それじゃ母さん、仕事行ってくるわね。」
そう、母さんは照れくさそうに言いながら、家を出る。いってらっしゃいといつものように言い、母さんの後ろ姿をみる。母さんは、本当に偉い。俺が幼少の時に、父さんを事故で亡くして以来、女手一つで俺を育ててくれた。本当に自慢の母親だ、本当に自慢の・・・。
朝食を終え、身支度を整えた後、学校へと向かう。私立北山学園、それが俺の通う学校だ。中高一貫校で特にスポーツが盛んな学校として知られ、全国大会出場者、あるいはチームが多数在籍する。
教室に着くと、いつものように声が聞こえてくる。
「よう、陰キャ。今日も懲りずに学校に来たのか、偉いなぁ。」
クラスの中心的存在である、阿部雄大がニヤニヤと口元を動かしながら俺に語りかけてくる。雄大の隣にいる女も蔑むような目で俺を見つめ、嘲笑している。あぁ、いつものことだ、変わらない日常だ。だが、俺は今日も思う。雄大の隣にいる女、いや、俺の幼馴染である霧島みくをみつめて。
なぁ、みく。お前はいつからそんな人間になったんだ・・・・・。