百鬼 ⚪︎と×の答え
昔々、
或るところに
生まれながら白い肌と白い髪を持つ青年がいた。
彼は心優しい青年だった。
然しながら、
その白い肌を気味悪がられる事も多かった。
"彼は人ではない、
人の姿を模った悪魔だ。"
そんな噂が後を絶たなかった。
或る月が綺麗な晩の事。
彼はその目が耐えられず家を出ることを申し出た。
家族は喜んで遠い村の別荘をくれた。
彼はそこで住む事になった。
初めのうちは噂になったが
すぐに馴染んだ。
家族もできた。
時が経ち、何年かが過ぎた頃
偶然にもその村に大飢饉が襲い。
多くの人が命を落とした。
するとその災いは不思議なことに
彼の所為にされた。
その後は彼の家に村人達が攻め、
火は放たれ、
彼自身は首を切られた。
彼は自らの家族を心配しながら、
静かに瞼を閉じた。
悲惨な人生だったと笑いながら。
きっとこんな仕打ちを受けるのは
前世で罪を犯したからだ。
これは罰の続きだ。
そう思い救われようとしたのでした。