日課。
今日もいい天気だ…なんて朝6時半の空を見上げていた。
空はまだ暗く、暗い青から橙色へと、だんだん変化している。
窓を開けた。肌を貫くような寒さにも清々しさを感じた。少し大人になっているのかな…なんて考えながら、綺麗なグラデーションの空を眺めていた。
ふと、南側の空もみてみようと、まだ少し暗い部屋の中をゆっくりと歩き、バルコニー側の窓を覗いてみた。
「……なにあれ……」
空には、飛行機雲のような、しかし蛇行したような跡がある、不思議な雲があった。よく見ると、微かに色んな色に光ってみえた。
もしかしたら今日はいいことがあるかもしれない。
喜びを感じつつ、残っていた課題を済ませた。
鼻歌を歌いながら階段を降りる。テーブルには朝食が用意されていた。
いつも食べているごはんも、今日は一段と美味しく感じた。
朝食を済ませ、歯磨き、着替えと、当たり前の事を当たり前にこなす。
「行ってきます。」
白い息を吐きながら、玄関を颯爽と出ていく。あの雲はあるだろうか。気になって東の空を見上げることにした。
あの雲は消えていた。