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雪
大粒の白い雨が降ってきた。
「この国は何もかも白いんですね」
エルが掌を上にして、ミトンの上に降る白い結晶を見て言った。
「ああ、そうですかね。僕が初めてあなた方の国に行った時は、何もかもカラフルで驚いた覚えがあります。」
「雨まで白くなるなんて。」
「はは、これは雪というやつです。」
レイが笑いながら言う。凍った雨を雪と呼ぶと。
「ゆき……」
私達の国は雨期はあるけど寒い時なんてない。
「これが雪か」
シンは落ち着いたように言って、
「綺麗なんだな」と呟いた。
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それから迎えにきてくれていたモービルに乗り込んだ。
スノーモービルのようで、バイクの後ろに二人程座れる屋根付きの座席が付いていた。
シンと座席に乗り込むと、運転手と唯一覚えてきた挨拶をかわし、
運転手が前を向くと想像もしていなかったスピードと轟音で走り始めた。
思った以上のスピードと揺れ具合にびっくりしながら、シンと顔を合わせて少し笑ってしまった。