自殺の名所に設置された電話から報告された、得体のしれない者
自殺の名所である、ある海岸の岩壁のそばには、
自殺志願者の相談のための電話が設置してある。
そして、その電話を通じて相談を担当しているNPOがある。
そこには、奇妙な目撃情報も多く寄せられる。
ある日、そのNPOの、ある職員は、ある若い女性から電話による通報を受けた。
彼女の目撃によると、こうだった。
ある日、岸壁から自殺しようとしたら、
死体が、岸壁の下の海に浮いているのが見えた。
それは、ワンピースの主人公のような服を身に付けていた。
しかしその話には、おかしなことが多かった。
その死体は、彼女が移動しても移動しても付いて来て、
「死んだら後悔するぞ」など叫んだ。
それは、岸壁の下から彼女のところまで手を伸ばし、
彼女は、捕まえられ動けなくなり、死の世界へ連れて行かれそうになった。
その正体は地縛霊だと思う。など。
また、詳しく聞くと、その死体は、
赤いベストと、ひざ丈のジーパンの服装をしていたということだった。
彼女に付いてきて注告したのなら、それは生きているわけで、
警察に通報しないことにしたが、
彼女が目撃した場所と、その周辺を見に行くことにした。
しかし、すぐに職員が見回したが、死体は見当たらなかった。
でも、彼女が言った電話番号に、事後報告をしたら、
彼女がちゃんと出たので、その話は、イタズラではないと思った。
多分、彼女がいた岸壁の下の岩場で釣りをしていた人が、
自殺しようとしている彼女を目撃し、
彼女の近くまで泳ぎ、説得しようとしたのだろう。
そして、赤いライフジャケットと、ひざ上の海水パンツが、
そのように見えたのだろうと、その時は思った。
相談や報告の記録を調べると、他にも、
夜中に、自殺をしようと岸壁に行ったら、
自殺をやめるように説得する声が、海の方から聞こえ、怖くなってやめたなど、
自殺を止めようとする声が、海の方から聞こえたとする、目撃情報が複数あった。
自殺防止の活動をしている人か、心霊スポットマニアが、
岸壁の下の岩場などで見張っているのかもしれない。
しかし、夜の真っ暗な岸壁や岩場は危険で、
それにより事故が起こる可能性があるので、
警察に相談することにした。
これにより海上保安部による見回りが強化され、夕方にそこの海辺にいると、
暗くなる前に帰るようにと注意されるようになる。
警察に相談すると、それと似た目撃情報が報告されていることがわかった。
ある豪雨があった日に、ある山道の場所で崩落が起こったことが通報された。
通報者の報告には、おかしな点があるが、
虫の知らせの体験は、めずらしいことではない。
通報者によると、こうだった。
夜中に山道を走っていたら、突然、車が衝撃を受け動かなくなった。
車を降りて見ると、長い手が道路の来た方向から伸びていて、
車が抑えられている様子が見えた。
その直後、懐中電灯で先を照らしながら走り、すこしすると、
照らした道の場所が崩落している様子が見えた。
それに対し通報者は、その長い手により、
その崩落場所に突っ込まずにすんだと思った。
そして、車が動かなくなった直前に、山道にいる人を目撃した。
その人は、両手を振って車を止めようとしているようだったが、
その時、その意図に気が付かなかった。
「くねくね」というお化けが登場する、怖い話があるらしいが、
その人は、まさにそれで、怪しくて怖く、それどころじゃなかった。
また、その人は、ワンピースの主人公のような服装をしていて、
赤い安全ベストと、紺か青のひざ丈スボンの服装をしていた。