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『ラウさんは僕と同じ図書館特殊図書研究管理班収集係の人。一応味方だから安心して』


『味方なのに、どうしてココアは身構えているの?』


『この人行動がすごく読みにくいんだよ。この人本能のまま動くのか殺気とか気配とか出さないで来る。それでいていたずら好きで何考えているかわからないんだ』


「オレ様の動きを読もうとか百年早い!」


ワイン・セラーの国の言葉がわからないはずのラウは、腰に手を当て満足げに笑います。


『……なんか、あの人言葉わかってるぽいんだけど、気のせい?』


『あの人底知れないところがあって、たまに変に理解しちゃうところがあるんだ』


急にこそこそと話すココアとピヨーネを見て、シンヤは聞きます。



「ラウさん、ワイン・セラー国の言葉わかるんすか?」


「ぜんっぜんわからん!」


自信たっぷりに答えるラウに、シンヤは首をカクッと落とします。


『やっぱりラウさんは話す内容はわかってないみたいだよ』


『本当?』


「だが、女性に年齢と国境はない。男たるもの女性を理解しようとせずにどうする!!」


彼は青い瞳を輝かせ拳を握ります。


『……うわあ、あの人超理論で言語の壁を本気で越える気だ』


『何でこの図書館にまともな人がいないの!?』


「ふはは。オレ様に不可能はない!!」


震える二人に、勝ち誇ったように高らかと笑うラウ。



「あの二人がドン引きしてるのは俺でも分かるわ……」



シンヤが部屋に視線を配ると、この騒ぎを完全無視してペンを走らせる室長の姿がありました。

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