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勝利を確信した観客から歓声が上がります。



その中に埋もれるように隠れていたピヨーネはお喋りな口を閉じ、ただ茫然と見ているしかできませんでした。



自分に振り回され、まるで笑顔で財布を渡しちゃうような人とは別物。


顔つきも、下に下に出ていた彼とは違い、まるで汚いものを見下すような目。


人が変わったかのように見えました。



しかし、確実に同じとわかるのは、その目に青たんがついている事。


土色に変わったシャツを乱れながらもやっと着て、解けた肩に見えた傷。


それは手術の傷にしては。いささか不思議な形をしていました。


正確な円を描き細かい文字を書いた傷。


真ん中には、胴の太い羽の生えた虫の模様が緻密に描かれた焼き印のようでした。





『蛾王の、烙印…?』





ピヨーネの声に、ココアははっと自分の肩がはだけていることに気づき手で押さえます。



取り乱したココアを、スキンヘッドは見逃しませんでした。



甲冑の下からたくさんのナイフを取り出すと全ての指にからめて一斉に投げ放ちます。



ココアを中心に、しかし闇雲に投げられたその弾道はすべてココアに向いているわけではありませんでした。


「うわあああああああああああ!!」


人々の間から奇声が上がります。

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