表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/50

13

館長室を出たピヨーネは開口一番こう言いました。



『あたし、あのおばさん嫌い』



「おばっ……」


思わずオウム返ししそうになるのをココアは水際で止めます。


慌てて深く閉まった館長室の大きな扉を振り向きます。


『綺麗で、スタイル良くて、服のセンスだって奇抜だけど悪くないわ。だけど、怖い。ずっと笑ってたけどあの人怖い』


眉に力を入れ首を振りさらに拒絶します。


『食べられそう』


いい勘だなあと、密かにココアは思いました。


それとも弱者故の動物的勘なのか。



『……まあ……、あの人は得体のしれないところはあるよね。たしかにね』



お前が言うなという言葉を飲み込み、別の言葉を探します。



話題を変えた方が得策かな。


『ともあれ、うちの国にいる間の君の身分証明書を作るから、一度受付に行こうか』


『身分証明書?』



『だって、身分証明書がないとこの国の本一つ読むことができないからね』



当然のように語るココアを、ピヨーネは小ばかにしたように鼻で笑います。



『何?』



『ライブラ国の物事の尺度が、あたしには一生理解できそうにないわ』


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ