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李瑛風の弟子

明末清初の頃

九龍少林寺の僧は、いつも通り、朝食前の早朝稽古をやっていた。

山門に中年の女がふらつきながら来て、少年を抱え座り込んだ。

『どうされたのですか?』と稽古を中断した僧が近ずいて、聞いた。

中年の女は『私と息子は、もう1週間、水だけ飲んで来たのですが、私は、いりませんが、息子に何か食べさせて、下さいませんか?』と言った。 

僧は『わかりました、しばらくお待ちください』と言い、厨房に走って行った。

僧は山門にもどり、『饅頭と野菜の入ってスープをお持ちしました。召し上がって下さい』と言い手渡した。

『ありがとうございます』と言い、女性は息子にスープを飲ませた。

そして、饅頭を持たせると崩れ落ちる様に倒れた。『お亡くなりになったな。たぶん』

そう言うと少年を背中におぶり、女を抱き抱えて、境内に入って行った。

境内の建物の中に入ると李瑛風が瞑想していた。

『李先生。山門に女性と子供がいまして、饅頭とスープを渡したのですが、女性は口にする事を拒み、少年に渡しました。その後、すぐ女性は倒れ連れて来たのですか?』と僧が言った所で李は口を開いた。

『既に、お亡くなりになってます。手厚くほうむって、差し上げなさい』と言った。

翌日、女性の葬式が、執り行なれた。

少年は終始亡きじゃくっていた。

それから、李の配慮で少年は九龍少林寺で生活する事になった。

しばらくは、少年は無気力状態で食事時以外では、1日寝て過ごしていた。

それから、一ヶ月程経ち、僧に教えられ、掃除の仕事を始めた。

それから、川で洗濯を始め、川で汲んだ水を寺の階段を登りながら、寺に運ぶ程、体力が付いてきた。

少年は腕力、足腰に力が着き、体力も付いてきた。

その、様子を見ていた李は、少年にカンフーの基本を教える事にした。

李が少年に聞いた『君の名は?』少年は『わかりません』と答えた。

『名は体を表すと言います。貴方の本名を私は分かりませんが、もし、良ければ、名前を付けて、上げましょう』と李は少年に言った。

『自分では、どんな名前を付けたいですか?』と李が少年に聞くと、『分かりません。先生のお名前は?』と言った。

『私の本名は李英風と言います』と李が言うと、少年は『そうですか?私の名前も李英風にしたいと思いますが』と言った。

李は苦笑して、『別の名前を考え下さい』と言った。

少年が『そうですね~』と言うと、『感じたまま、言って下さい』と李は言った。

『ここは、どこですか?』と少年が言うと、李は『ここは、九龍少林寺です』と答えた。

『では九龍と名付けて下さい』と少年は、言った。

李は『わかりました。貴方の名前は九龍に決めましょう』と言った。




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