2ヶ月
俺は後悔していた。
相川紬と深い仲になった事を後悔していた。
すみれが出て行ったのも、⦅相川紬との仲を知られたからだ。⦆としか思えない。
あの自宅に届いたメール……もしかしたら相川紬が送ったメールかもしれない。
俺はそう思っている。
相川紬なら、俺のノートパソコンのメールアドレスを知っている。
職場の部下たちには伝えたからだ。
「紬が送ったんだろうな。たぶん……。
そして、すみれが見てしまった。
すみれに、あのパソコンを使ってもいいと言ったな。俺……。
すみれのパソコンが壊れたから、俺のを……って言ったんだ。
すみれは見てしまったんだ。
……だから出て行ったんだ。
でも……そしたら、あのメッセージはなんなんだ?
分からない。
すみれの自作自演なのか?
それとも……他に誰かが……。
すみれ……お前……何処に居るんだ……。
無事なんだろうな……無事で居てくれ。」
俺は不思議なくらい妻のことを案じている。
それに反して、紬のことは、もう終わりにしないといけないと思っている。
あんなに妻より良いと思えた女性だったが、今はその会っていた時間さえも色褪せたように思える。
紬をあんな風に変えたのは俺かもしれないが、俺だけの責任じゃないと思う。
そう思いたいのだ。
気が付くと、すみれが居なくなって2ヶ月になろうとしている。
警察の指紋の称号の結果が、指紋採取から1週間後に伝えられたが、残っている指紋は2つだけだった。
1つは俺の指紋、そして残りの指紋は当然のこと妻・すみれのものだろうということだった。
化粧品などのすみれだけの物から出た指紋と一致したからだった。
その結果、誰かが侵入した形跡は残っていないと伝えられた。
それから後は、全く進展していないままだ。
家の中にあるすみれの服などはそのままに……すみれは居なくなった。
あの日、キッチンもリビングも、そのままに、すみれが出て行ったことを表していた。
何も持たず出て行ったのだ。
すみれのバッグも残っている。
ダイニングテーブルには、すみれの財布があった。
何かがあって家を出て、そのまま……と俺は思っている。
それは、もしかしたら、あのノートパソコンに送られてきたメールを見たからかもしれない。
俺は今そう思っている。
ただ、無一文なら今どうしているのか不安が募る。
⦅すみれ、生きていてくれ!⦆




